子どもの夜間尿もれ実態調査を実施
ユニ・チャーム株式会社は、昭和大学医学部の池田裕一教授の監修の下、2023年7月に全国の年長から中学校3年生までのお子さんを持つ母親50,000人を対象に、夜間のおもらしに関する調査を実施しました。
- 昭和大学医学部 小児科学講座・教授
池田 裕一 先生 - 子どもの昼間の尿もれ、夜尿症、頻尿症、小児の腎臓病を専門とし、2002年から昭和大学藤が丘病院小児科でおねしょ・おもらし外来を担当。また小児科HP上におねしょ・おもらし相談室を開設し、おねしょやおもらしでお困りの数多くの保護者からの質問に回答。
夜間おもらし調査結果
夜間尿もれはクラスに2~3人はいる
年長(5-6歳)~中学3年生に調査した結果、尿もれ(昼モレと夜モレ)の合計は8.5%。そのうち「夜間尿もれ」は6.3%であり、これは40人学級の場合には2~3人程度の割合。パジャマや布団・シーツなどを濡らすレベルのモレの頻度としては、1カ月の内、月1~3日の頻度が約60%、3日以上が25%程度の割合。
年齢があがると割合は下がるが
中学生でも5.4%が悩みを抱えている
年齢別では小学1-2年生の35.1%がもっとも高く、年齢が上がるにつれて割合は下がる。
ただし、年齢別の構成比で中学1-3年生でも5.4%が夜間尿モレありと回答。年長~小学3-4年生頃までは尿量の多い夜間モレの割合が高いが、小学5-6年生~中学生では尿量が減り、「ちょいモレ」の割合が増加する傾向。
夜間尿もれの対処率は約7割。
年長で最も対処率が高い。
夜間の尿もれに悩む親子の対処方法は「紙おむつやパッドの使用」が31.4%と最も多く、次いで「防水シーツや防水マットの使用」 28.9%や「寝る前のトイレ誘導」 23.4 %の結果。年齢が上がるにつれて尿モレの量が減少するためか、対処率は下がる傾向。中学生での対処率は約3割にとどまる。中学生の夜間尿モレ対処は、「対処していない」が最も多く、対処方法で最も多いのは「防水シーツや防水マットの使用」 13.8%であった。
医療機関の受診率は3.9%。
夜間尿モレに悩みながらも、ほとんどが受診していない。
医療機関の受診のきっかけは、「夜間尿もれの頻度が変わらない・減らない」・「年齢的に気になる」・「病気かどうか心配」という方がほとんどであった。その他、「保育園や学校、習い事で宿泊を伴う行事がある」ということをきっかけに医療機関を受診するケースもある。
夜間のおねしょは主に2パターンある尿が多くて多量で漏れてしまう場合と、膀胱が不安定でちょいモレしてしまう場合
ちょっとのおもらしも1カウント。見逃しがちなので注意。1年で15%くらいの方が自然治癒するも、一定の方は症状が続き悩んでいる状況。
5歳で昼間のおもらしあり、7歳で週4回以上夜のおもらしありは受診の目安
5歳で昼間のおもらしあり、7歳で週4回以上夜のおもらしあり、10歳で夜おねしょ週2-3回以上は受診の目安。ただし、親子共に気になる場合は、早めの受診がおすすめ。
池田先生監修の改善・対処方法をご紹介します!
日常でできる改善方法からすぐにできる対処方法まで対処法別にお教えします。
日常生活でできる改善方法
日常生活の中で取り組める症状の改善方法を専門医の先生から伺いました。
「トイレに間に合わない方向け(切迫性尿失禁)」と「動く&笑うともれる方向け(腹圧性尿失禁)」といった軽度の夜間おもらしの方に向けた対処方法です。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
おしっこをするタイミングを同じにする(定時排尿)
1日6回以上を目安に定時排尿をする。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
おしっこの出し方を意識する
ゆっくり、時間をかけておしっこする。全部出たか感じるようにする。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
水分の正しい取り方を知る
水分摂取を我慢させない、適正な量を摂取する。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
ウンチの固さや回数を知る
ウンチが原因の場合もあるため、まずは自分のうんちの固さや回数を知ることが重要。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
おしっこの記録をつける
1日のおしっこの時間、回数、量を記録することで、自分の状況を客観的に理解する
- 動く&笑うともれる方
バランスボールや一輪車で体幹を鍛える
体幹を鍛えることで、おしっこを我慢できるようになる
すぐに対処したい場合は夜用おむつが有効的
重度の方は疾患が原因の場合もあるため専門家に相談することが大切
夜間尿もれの心配はありません
あなたは夜間尿もれの心配はありません。
トイレに間に合わなかったり、動く&笑うと漏れる場合は対処法A参照ください。