生まれたての頃から3歳頃までの運動能力の発達
生まれたときはねんねしかできなかった赤ちゃんが、おすわりやはいはいを経て、1歳になる頃にはたっちやあんよをしています。その後も身体の発達とともに、できるようになることがどんどん増えていきますね。身体全体と手や目の動きの発達を見ていくことにしましょう!
※発達状態にはとても個人差があるので以下は目安です。
監修者プロフィール
池田裕一先生
昭和大学藤が丘病院小児科診療科長
1995年昭和大学医学部卒業後、同大学藤が丘病院小児科に入局。
1998年~神奈川県立こども医療センター感染免疫腎内科、昭和大学医学部小児科講師、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF ,Children Hospital Oakland,CA, USA)客員研究員等を経て、現在は昭和大学医学部小児科学講座教授、昭和大学藤が丘病院小児科診療科長、昭和大学横浜市北部病院こどもセンター長(小児内科診療科長兼務)。
また、「尿トラブル外来」を担当、HPこどものおねしょとおもらし総合相談室「おしっこトラブルどっとこむ」や講演、執筆、TV出演(NHK)等、子どもの排尿の問題のほか、こどものすいみん総合相談室「すいみんトラブルどっとこむ」で子どもの睡眠問題に取り組んでいます。
生まれたてから3歳頃までの体全体の運動能力の発達
1歳頃になった赤ちゃんは両手足を使った四足歩行から二足歩行で歩けるようになっていきます。人間の本能がなせるワザですが、そこにたどりつくまでに赤ちゃんが見せてくれるさまざまな動きの変化を見ていくことにしましょう!1歳頃までは日々できることが増えていくので、毎日の進化をママもパパも見逃したくないですね。
※赤ちゃんの成長はとても個人差が大きいものです。下記の発達時期はあくまで目安として参考にしてください。
新生児~生後2ヶ月頃
生まれたての頃はママが動かしてあげない限り、ねんねの状態のまま自分で体の向きなどを変えることはできません。
生後2~3ヶ月頃
首はまだすわっていませんが、自分で首を動かせるようになって、うつぶせにすると横を向いたりできる赤ちゃんもいます。
生後3~5ヶ月頃
首がすわってきます。うつ伏せの状態で、手を床にふんばって上半身を上げようとしたりするしぐさを見せます。
生後5~6ヶ月頃
寝返りができるようになり始めます。最初は寝返ろうとして体をよじるような姿勢を見せては元にもどったりしますが、そのうち上手にころん、っと寝返りできるようになります。
生後6~7ヶ月頃
おすわりができるようになり始めます。始めのうちは「おすわりができた!」と思っても寄りかかるものがないと上手にすわれませんが、腰がすわってくると徐々に自分一人でも座った状態を保てるようになります。
生後7~9ヶ月頃
はいはいができるようになり始めます。はいはいにはとても個人差があって、ずりばいのように始まって徐々に手と膝をたてるはいはいスタイルに変わっていく子もいれば、ずっとずりばいだったり、はいはいらしきことはせずにつかまり立ちをする子もいます。
生後9~10ヶ月頃
つかまり立ちができるようになり始めます。はいはいした先にちょうどいい高さのテーブルなどがあると、そこにつかまって一生懸命立ち上がろうとします。目の離せない時期ですね。
生後10~11ヶ月頃
つかまり立ちができるようになると、つたい歩きをし始めます。
生後11~12ヶ月頃
早い子どもでは、つかまるものがなくてもたっちができるようになったり、そろりと歩き始める子もいます。
1歳半頃
よちよちではありますが、自由に歩けるようになって、階段も手を使ってのぼろうとしたりしますが下りることはできません。
2歳頃
手を使わずに1段ずつ階段を上ったり下りたりできるようになります。ボールを蹴ったり、下から投げたりでき始めます。
3歳頃
自由に走り回ったり、ジャンプができるようになります。
たっちをして歩くようになるまでは、自然に発達していく成長です。その後の運動能力の発達は、どんな遊びをするかなど、環境や個性によって個人差が出てきます。体を動かすことはもちろん健康の維持のためにも大事なことですから、お外に連れて行ったり、子どもにはたくさんの経験をさせてあげたいですね。
生まれたてから1歳頃までの手や目の運動能力の発達
1歳になるまでは、体の発達と同様に、手や目の動きといった体の細かい運動能力も日々成長していきます。「昨日よりも複雑なことが今日はできてる!」といううれしいサプライズが繰り返される時期なので、お子さまの成長をたっぷり楽しみましょう!
※赤ちゃんの成長はとても個人差が大きいものです。下記の発達時期はあくまで目安として参考にしてください。
新生児~生後1ヶ月頃
生まれたばかりの赤ちゃんでも仰向けにねんねしたまま、手足をバタバタさせることがありますが、最初の頃は左右対称の動きを見せます。赤ちゃんの手のひらに大人が指を当てるとギュッと握り返してきますが、これは原始反射のひとつです。
生後1~2ヶ月頃
遠くのものはまだ見えませんが目の前のものに反応するようになり、目の前に色の鮮やかなおもちゃなどを見せて動かすと、目で追うしぐさを見せます。
生後2~3ヶ月頃
仰向けに寝たまま、自分の両手を自分の目の前で合わせてじっと見つめる「ハンドリガード」というしぐさをするようになります。
ガラガラなど小さなおもちゃを触らせると手のひら全体で握ることができます。
生後3~4ヶ月頃
首がすわり始めると、興味があるものの方向へ目だけでなく頭全体を動かして見るようになります。握ったおもちゃなどを持ち続けて、なめたりしゃぶったりが盛んになります。
生後4~5ヶ月頃
おもちゃなど興味があるものを見せると自分から手を伸ばすようになります。
生後5~7ヶ月頃
興味があるおもちゃなどに手を伸ばして、自分からつかめるようになります。指はまだ上手に使えないので、5本の指全部でわしづかみのようにつかみます。
生後7~8ヶ月頃
片手に持ったおもちゃを反対の手に持ち変えられるようになります。指の動きが発達してきて、親指と他の4本指でものをつまむことができるようになります。
生後8~9ヶ月頃
つみきなどのおもちゃを両手に持って打ち合わせたり、複雑な遊び方もできるようになってきます。
生後9~10ヶ月頃
指の動きが発達してきて、人差し指と親指を使って小さなものもつまめるようになってきます。
※この頃、つまんだものを何でもお口に入れて誤飲事故の原因になりやすいので、赤ちゃんのお口に入りそうな直径3cm未満の危険なものは、手の届かないところに置くようにしましょう。
生後10~12ヶ月頃
つまんだ積み木を箱に入れるなど、持ったものを別の場所に移動させることができるようになります。
生後12~15ヶ月頃
まだ正しい持ち方はできませんが、ペンなどを持ってなぐりがきなどができるようになります。
手や指の細かい運動能力の発達も、最初の頃は自然に発育していきますが、1歳ごろからは、「ものに興味をどれだけ示すか」など体だけでなく心や社会性の発達とも関係してくるものです。いつもママやパパが声を出して語りかけてあげたり、子どもが興味を引くいろいろなものを見せてあげたりすることで、心身ともに成長していくものなんですね。
監修/昭和大学藤が丘病院小児科診療科長 池田裕一先生
update : 2022.03.02
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