おむつかぶれの原因と対策!赤ちゃんの肛門やおしりが赤い時どうする?
おむつかぶれとは、おむつが直接ふれる赤ちゃんの性器や太ももの盛り上がった部分が赤くなったり、時には赤くじくじくただれる症状の皮膚炎のこと。 主に、性器や肛門周囲が赤くなるケースが多いようですが、おむつにおおわれている皮膚全体が赤くなったり、太ももやウエストなどおむつのゴムやギャザーがあたる部分が赤くなる場合もあります。
お肌が薄くてやわらかく、デリケートな赤ちゃんがおむつかぶれになると痛そうでかわいそう。 だから原因をちゃんと知っておいて、日頃から予防してあげることが大切ですね。
監修者プロフィール
池田裕一先生
昭和大学藤が丘病院小児科診療科長
1995年昭和大学医学部卒業後、同大学藤が丘病院小児科に入局。
1998年~神奈川県立こども医療センター感染免疫腎内科、昭和大学医学部小児科講師、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF ,Children Hospital Oakland,CA, USA)客員研究員等を経て、現在は昭和大学医学部小児科学講座教授、昭和大学藤が丘病院小児科診療科長、昭和大学横浜市北部病院こどもセンター長(小児内科診療科長兼務)。
また、「尿トラブル外来」を担当、HPこどものおねしょとおもらし総合相談室「おしっこトラブルどっとこむ」や講演、執筆、TV出演(NHK)等、子どもの排尿の問題のほか、こどものすいみん総合相談室「すいみんトラブルどっとこむ」で子どもの睡眠問題に取り組んでいます。
おむつかぶれの原因
おむつかぶれはなぜできてしまうのでしょう?原因はいくつか考えられます。
赤ちゃん自身の体質、健康状態
おむつかぶれは、赤ちゃん自身の肌が、なんらかの原因で弱くなっているときにおこりやすいものです。下痢をしていたり、夏に汗をかきやすくなるなど、健康状態や季節によって、赤ちゃんの皮膚自体が刺激を受けやすい状態になります。
特に、新生児や乳児は皮膚が薄く、肌を守る防御機能が十分に発達していません。さらには免疫能力が低いことも原因と考えられています。
おむつの中のムレ
おしっこやうんちが出ると、おむつの中の温度や湿度があがって、ムレた状態になります。今の紙おむつはおしっこの吸水力が高く、おむつの表面はおしっこししてもサラッとしていますが、おむつ内部の吸収体はたくさんの水分を吸った状態になっているからです。ムレによって赤ちゃんの肌はふやけた状態になり、傷つきやすくなってしまうのです。
もともと赤ちゃんのお肌はとってもデリケートなので、ちょっとした刺激でも目に見えない細かい傷ができてしまうことがあり、その傷を放っておくと、皮膚へ細菌やカビなどの刺激物が浸入しやすくなりかぶれの原因となるのです。
おしっことうんちによるpHの上昇
pH(ペーハー)とは酸性かアルカリ性かを示すものさしのこと。
おしっことうんちが混ざり合った状態でずっと肌に触れていると、肌のpHが上昇してアルカリ性に傾きます。すると、微生物が増殖したり、うんちの中の酵素が活性化してしまい、肌への刺激が強くなってしまうのです。
上記3つの状態のいずれか、またはそれぞれが同時に起こると、赤ちゃんの肌にかぶれが生じてしまうのです。つまり、おむつのなかをムレない状態に、清潔に保てば、おむつかぶれは防げることになります。
おむつかぶれにさせない方法
おむつかぶれにならないようするには、上記で見た原因を取りのぞいてあげればよいのです。それではひとつずつみていきましょう。
1. 赤ちゃんの肌を汚れたまま、ぬれたままにしない
おむつ替えはできるだけ頻繁に
とにかく、おしっこやうんちで赤ちゃんの肌が汚れたままやぬれたままの状態を長く続けないことです。汚れたら、できる限り早くおむつを替えてあげましょう。
おしっこだけでもきれいに拭く
おしっこだけの時も、おむつ替えのたびにやわらかい素材のおしりふきで、おしりや性器についたおしっこ、うんちだけでなく、汗もきれいに拭き取ってあげましょう。
おむつを閉じる前におしりを充分乾かす
おしりや性器を充分に乾かしてから、新しいおむつに替えてあげましょう。おしりふきで拭いたあと、乾いたガーゼやタオルで湿り気をとってあげたり、温かい季節など余裕があれば、おしりが完全に乾くのを待ってから新しいおむつをつけるといいですね。
生後3ヶ月くらいまでは特にこまめに
生後3ヶ月くらいまではおしっこもうんちも回数が多い一方で、1回の量は少量です。そのためおしっこやうんちをしたのかなかなか気づきにくいもの。こまめにおむつをチェックして、おむつ替えをしてあげましょう。紙おむつを選ぶときも、おむつがぬれたことが外側からわかる紙おむつを選ぶと、おむつ替えのタイミングを逃さず便利です。
2.おむつ内のムレを減らす
赤ちゃんの肌がふやけてしまう原因であるムレを減らしましょう。おしっこやうんちによるおむつ内の温度や湿度の上昇をおさえるためには、おしりや性器、しわの中まで乾かしてから新しいおむつに替えること、こまめにおむつ替えすることが大切です。特に汗をかきやすい夏は、あせもとおむつかぶれの両方が心配。おしっこしていなくても、おむつの中がムレていないか確認してあげたり、汗対策をされたおむつを選ぶなどしてあげたいですね。
3.赤ちゃんの肌に合ったものを選ぶ
おむつかぶれは、うんちの状態や汗の量など、赤ちゃん自身の健康状態やお肌まわりの環境にも大きく関係します。
もし、お肌のケアをしてもかぶれがなかなかよくならなかったり、肌表面がおむつの形どおりに赤くかぶれているような場合は、赤ちゃんのお肌の状態とおむつの相性が合わないことも考えられます。その場合は他のおむつに変えて様子をみましょう。日頃から赤ちゃんのお肌を観察し、赤ちゃんの肌に合ったおむつを選んであげてください。
4.うんちの時は、おしりを洗ってあげるのが最も効果的
うんちとおしっこが混ざって肌に触れている状態は、pHがアルカリ性に傾いていて最も「おむつかぶれ」をおこしやすい状態。
吸収力のよい紙おむつでも、固体のうんちは赤ちゃんのおしりに触れたままです。そんな状態のおしりは大腸菌などの細菌だらけ。次章で紹介するようにおしりを洗ってあげるのが一番です。
5.赤ちゃんのスキンケアも大切です
デリケートな赤ちゃんのお肌を守るためには、日々のスキンケアが大切です。赤ちゃんのお肌はみずみずしく見えますが、それはお肌(角質層)が薄いから。薄くて傷つきやすい赤ちゃんのお肌は、白色ワセリンやベビーローションなどで保湿して、お肌にバリアをつくってあげてください。お風呂の後にタオルで十分に水分を拭き取った後に、おしりまで全身にベビーローションを塗って、日頃からお肌の状態を健康に保ってあげましょう。
うんちのときのおしりの洗い方
おうちでのおむつ替えでおしりを洗うとき
1)まずはうんちをぬぐい取る
肌についたうんちをティッシュややわらかいおしりふきで拭き取ります。太ももの内側やくびれたところなど、うんちが入り込みやすくカブレやすいところは特に丁寧に。
なでる程度ではなく、しっかりと汚れをぬぐい取るようにしてあげましょう。ただしゴシゴシとはこすらずに! 水分をたっぷり含んだおしりふきを使うと上手に拭き取れます。
※拭く時は、うんちやおしっこの中の微生物が膣やおしっこの出口に入り込まないように注意しましょう。膀胱に感染し、炎症を起こすことにもなりかねません。
*男の子の場合:こう丸のシワや裏側も丁寧に拭いてあげましょう。
*女の子の場合:必ず前(おなか側)から後ろ(おしり側)へむかって拭き取ってください。
2)次におしりを洗う
お風呂か洗面台のシャワーのぬるま湯で洗い流し、最後にやわらかいタオルやガーゼでおしりの湿り気を十分にとってあげてから、新しいおむつをつけます。
(空のペットボトルにぬるま湯を入れて使う方法もあります。下の「おでかけのときのうんち」参照)
おでかけのときのうんちでおしりを洗う方法
外出先等でおしりをシャワーで洗えない場合は、魔法瓶と空のペットボトルが役に立ちます。
1. 魔法瓶のお湯を冷ましてペットボトルに移します
2. 汚れたおむつを広げ、おむつの上から肌にぬるま湯をかけます
3. おしりと陰部を洗い流して、ぬぐうように拭き取ってあげます
※それでもかぶれが治らない時は…
頻繁におむつ替えをして、その都度おしりも、性器も洗ってあげているのに、1週間たっても皮膚の赤みが消えない場合は、医師に相談し、適切な処方を受けるようにしましょう。
監修/昭和大学藤が丘病院小児科診療科長 池田裕一先生
update : 2022.01.26
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