離乳食の進め方 | 離乳食の目的や食べさせる際のコツ

赤ちゃんの成長過程で大きなステップとなる離乳食。今まで母乳やミルクだけだった赤ちゃんの世界を広げる意味でも、スムーズに進めたいですよね。とはいえ、思ったように食べてくれないなど、ママとパパはストレスを抱えることも。そこで、母子栄養協会代表理事であり管理栄養士の川口由美子先生に、離乳食の目的や進め方のポイントなどを伺いました。

監修者プロフィール

川口由美子先生
一般社団法人母子栄養協会

一般社団法人母子栄養協会代表理事。管理栄養士。女子栄養大学 生涯学習講師、AllAbout 「離乳食」「幼児食」ガイド。離乳食アドバイザーとしてママやパパはもちろん、栄養士、保育士などのプロに対する講習会や講座で活躍中。『脳とからだが育つママとパパのためのフリージング離乳食』、『フリージング幼児食-1週間分作りおき!」』、『子どもの身長ぐんぐんメソッド」など著書多数。

離乳食とは?

母乳やミルクだけで栄養をとっていた赤ちゃんは、成長にともない、授乳だけでは栄養が不足していきます。足りない栄養を、さまざまな食べ物でとれるように移行するための食事が、離乳食です。離乳食は、固形の食べ物をかみ砕いて飲み込めるまでの「練習ごはん」。そのため、かむ機能や消化機能の発達に沿って、少しずつ段階を踏んで進めていくのが一般的です。「食べる」という行為は、食べさせてもらう→手づかみで食べる→スプーンを使って食べるなど、順を追って自立へと向かう手立てとなるでしょう。

離乳食を始めるタイミング

厚生労働省が離乳食の開始時期として推奨しているのは生後5~6ヶ月(※)。離乳食はすわっている姿勢で食べるので、体の成長の目安は、首や腰がすわり、支えがあればおすわりができるようになっていることです。また、ママやパパが食べているものをジーッと見るようになるなど、食事に興味を示すようになっていることも、離乳食を始める目安のひとつです。

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改定版

離乳食が必要な理由はさまざま

離乳食には、「不足しがちな栄養を補う」「食べることに慣れる」以外にも、さまざまな目的があります。

かむ力や飲み込む力を育てる

赤ちゃんにはもともと、おっぱいに吸い付いて母乳を飲む力が備わっています。しかし、舌や唇、アゴを使って口の中で食べ物をモグモグ・ゴックンはできず、練習する必要があります。離乳初期は、ドロドロとした液状の食べ物からスタートし、中期〜後期、完了期にかけて固形の食べ物へと段階を踏みながら、かむ力と飲み込む力を養うのです。

離乳食の段階

胃や腸の消化吸収を発達させる

1年近くかけて離乳食を食べるのは、赤ちゃんの消化吸収機能に合わせるため。赤ちゃんの胃や腸の消化吸収力はもともと未発達ですが、固形の食べ物を体験することで唾液や消化液の分泌が増え、発達していきます。

食べる意欲や好奇心を育てる

「食べ物を食べるとおいしい」「ママやパパと一緒に食べると楽しい」「おいしいものを食べると幸せな気持ちになる」といった体験をさせることも、離乳食の大きな目的です。そのような体験を積み重ねていけば、「パパがおいしそうに食べている食べ物を食べたい」「もっとママやパパと一緒に食べたい」など、食事に対する意欲や好奇心が養われるでしょう。

「離乳食を作るのが大変……」と思ったら

「離乳食をたくさん食べてほしい」と思う一方で、「離乳食作りが大変……」というママやパパは多いようです。「離乳食のレシピ通りに作らないと」「栄養を考えなければ」などとプレッシャーがかかってしまうのかもしれません。

川口由美子先生

『離乳食は手の込んだものを作らなくては』と思わなくても大丈夫です。たとえば大人の食事を作るときに蒸したジャガイモを少量取り分けてつぶせば、離乳食の一品になります。脂っこい食材や辛いメニューなど、赤ちゃんに取り分けがしにくいときは、市販のベビーフードを活用してもよいでしょう

離乳食を嫌がるのはなぜ? 理由と対処法

離乳食作りが負担になる理由のひとつに、赤ちゃんが離乳食を嫌がることがあげられます。今まで母乳やミルクしか飲んでいなかった赤ちゃんが、離乳食をスムーズに食べなかったり、嫌がったりするのは珍しいことではありません。

川口由美子先生

離乳食を嫌がる理由は、ひとつではありません。次にあげた理由を参考にして赤ちゃんの様子を観察しながら、『何が理由なのかな?』と考えてみてくださいね。ちょっとした工夫で解決することもあります

赤ちゃんが離乳食を嫌がる主な理由と対処法

●離乳食を食べる環境に不満がある

  • 食事イスの座り心地が悪い
  • ママやパパと離れてイスに座らされていることが不安
  • 食事する環境音がうるさい
  • 食事する部屋の室温が暑い/寒い  
  • スプーンが自分の口に向かってくることにビックリする
  • スプーンが大きすぎて食べづらい
  • スプーンの材質が気になる   など

赤ちゃんは、少しの環境の変化を敏感に感じ取るため、離乳食を嫌がる理由が離乳食以外の環境にある場合が大いにあります。対処法としては、赤ちゃんを観察しながら嫌がっている理由を想像してみること。赤ちゃんにとって快適な環境づくりを、コミュニケーションをとりながら探ってみましょう。

●離乳食そのものに不満がある

  • 食べ物が熱い/冷たい
  • 食べ物の舌触りが気になる
  • 味が好みじゃない
  • 口に入れられる量が多い   など

離乳食を食べることは、赤ちゃんにとって「練習ごはん」。初めての味や舌触りのものが多いため、不安に感じることも多いのです。口に入れる前にスプーンにすくって離乳食をよく見せてあげたり、食べさせ方を変えたり、調理方法を工夫しながら、食べられる離乳食を徐々に増やしてみてください。

●他にもある離乳食を嫌がる理由

  • おなかがすいていない
  • おむつが汚れていて不快
  • 着ているベビー服が不快
  • さっきまで遊んでいたオモチャが気になる
  • 気が乗らない   など

赤ちゃんが離乳食を嫌がる理由はいろいろあり、それぞれ対処法は異なります。赤ちゃんが離乳食に集中できるよう、離乳食をあげる前におむつのチェックをしたり、オモチャが赤ちゃんの目に入らないようにしたり、落ち着いて離乳食が食べられるようにしましょう。おなかがすいてなさそうであれば、直前の授乳を控えてもいいかもしれません。

離乳食を食べさせることに、がんばりすぎないで

離乳食レシピなどの分量通りに赤ちゃんが食べないと、ママやパパは不安に感じるかもしれません。とはいえ、大人と同じように、赤ちゃんにも食欲のムラがあります。1回の食事で一喜一憂しないようにしましょう。大切なのは、母子手帳にある乳幼児身体発育曲線に沿って大きくなっていること。思うように離乳食を食べない日があっても、普段のご機嫌がよければ大丈夫です。

川口由美子先生

ママやパパが『全部食べようね!』と一生懸命になりすぎると、赤ちゃんは敏感に感じとって余計に緊張してしまうかもしれません。無理強いすると、離乳食がうまく進まないだけでなく、ママやパパにも負担がかかります。『食べたらいいよね』くらいの気持ちで、力を抜く方が、かえって食べてくれることがありますよ

そこでおすすめしたいのが、親子でコミュニケーションをとりながら一緒に食べる「共食(きょうしょく)」。赤ちゃんの離乳食に集中せずに、ママやパパも共食をしながらおいしそうに食べる姿を見せてあげると、赤ちゃんの食欲も増し、食事の楽しさを伝えられるのではないでしょうか。

「ママやパパが笑顔でいられる」離乳食の進め方を

川口由美子先生

離乳食を作ったり食べさせたりするときに、眉間にシワを寄せてがんばりすぎていませんか? 離乳食をスムーズに進めるには、ママやパパが笑顔でいられることが大切です

「SNSに画像をアップするために凝った離乳食を作りたい」「市販品を活用して、親子の時間を増やしたい」など、笑顔で離乳食と向き合える方法は人それぞれ。他人と比較せず、「こうしたら笑顔でいられる」という方法は何なのかを考えてみましょう。ママやパパ自身が笑顔でいられる方法を選ぶことが、赤ちゃんとの充実した離乳食タイムにつながるのです。

update : 2021.07.21

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