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離乳食はなぜ必要?

離乳食はなぜ必要?

母乳やミルクしか飲めなかった赤ちゃんが、大人と同じ食事をするための第一歩が離乳食。離乳食が始まると、赤ちゃんの成長を実感しますね。単に「食べるための練習」という以外にも、赤ちゃんの発達に大事な要素がたくさんあるのです。

監修者プロフィール

川口由美子先生
一般社団法人母子栄養協会

一般社団法人母子栄養協会代表理事。管理栄養士。女子栄養大学 生涯学習講師、AllAbout 「離乳食」「幼児食」ガイド。離乳食や幼児食のアドバイザーとしてママやパパはもちろん、栄養士、保育士などのプロに対する講習会や講座で活躍中。『脳とからだが育つママとパパのためのフリージング離乳食』、『フリージング幼児食-1週間分作りおき!」』、『子どもの身長ぐんぐんメソッド」など著書多数。

離乳食は何のため?

赤ちゃんが母乳やミルクを卒業し、普通の食事ができるようになるまでの大切なステップが離乳食。赤ちゃんの健康や発達に欠かせないものです。その具体的な理由を、ここで見ていきましょう!

足りなくなる栄養を補います

赤ちゃんにとって理想的な栄養バランスを持つ母乳やミルクですが、赤ちゃんが大きくなるにつれ、母乳だけではエネルギーはもちろん鉄分などの栄養素が不足していきます。ですから、授乳だけでは足りない栄養を、少しずつ離乳食で補っていく必要があるのです。離乳食の量や回数が増えるに従って、母乳やミルクの量は減っていきます。

足りなくなる栄養を補います

「飲む」から「食べる」へ移行する練習

赤ちゃんには生まれつき、おっぱいに吸い付いて母乳を飲む力は備わっていますが、「食べ物をかんで飲み込む」という口の機能は未発達。母乳やミルクを飲んでいるだけでは、そういう力が身に付きません。正しくかんだり飲み込んだりすることは自然にできるようになるのではなく、教えたり練習しないと身につかない力なのです。ですから、ドロドロの液状の食べ物から始めて、形のあるかたい食べ物へと、徐々に慣らしていくことが必要です。

「飲む」から「食べる」へ移行する練習

消化機能を発達させます

母乳やミルクではない固形の食べ物を体験することで、赤ちゃんの唾液や消化液の分泌は増え、胃や腸の消化吸収力が発達していきます。最終的に大人と同じものが食べられるようになるまで、代謝も含めた体全体が、少しずつ成長していきます。

食べる意欲を育てます

赤ちゃんの頃から、「おいしいものを食べて幸せな気持ちになる」体験をさせることも、離乳食の大きな役割なのです。そのとき大事なのが、ママやパパが食事を楽しんでいる姿を見せること。大人になってから健康的な食生活を送るためにも、食事を楽しむことに興味や意欲を持つ子どもに育てることも大切ですね。

日本人ならではの事情もあります

日本にはゴボウなど繊維質の多い野菜や、生魚を食べるという、独自の食文化があります。ところが、消化能力の未発達な赤ちゃんはこれらを食べることができないため、大人食とは別に、よく火を通した離乳食を用意する必要があるのです。大人の食べ物を少しアレンジすれば離乳食になるという欧米の事情に比べて、日本のママやパパはちょっと大変。でも、将来わが子に日本の豊かな食文化を伝えられるといいですね。

生後5、6ヶ月ごろの開始が厚労省の目安です

生後5、6ヶ月を過ぎると、母乳やミルクだけではどうしてもエネルギーや栄養が不足しがち。また、ものをかむ力を発達させるためには、歯がはえる直前ぐらいから離乳食を進めるべきという主張もあったり、いろいろな意見があると迷いますね。厚生労働省では「授乳・離乳の支援ガイド」という指針をつくり、一般的な考え方を伝えています。時代とともに子育て環境が変わるため、「授乳・離乳の支援ガイド」も更新されていきます。このサイトでは2019年に発表された「改訂 授乳・離乳の支援ガイド」に基づいた情報をお伝えしています。そこでは生後5、6ヶ月ぐらいを目安に始めることをすすめています。月齢はあくまでも目安なので、修正月齢などがあったり、発育に気になる点があれば主治医に相談してみましょう。
また、食物アレルギーが心配で始めることにためらっているというママやパパもいるかもしれませんが、離乳食について自己判断せずに主治医に相談しながらすすめていきましょう。大切なのは食材を控えることではなく、しっかり肌をガードしながら食べていくこと。この時期に必要なエネルギーや栄養素を赤ちゃんに与えられないということがないよう、指導してもらえると思います。

update : 2022.07.27

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