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生後1歳11ヶ月の赤ちゃんの成長とお世話

上下8本ずつ、歯が生えそろう子が多くなります。ハブラシを習慣にして、おやつの与え方にもけじめをつけて、虫歯を予防しましょう。駆け足もできるようになって、動きも俊敏に。道路など危険のあるところではしっかり手をつないで歩きましょう! 活発な子、用心深い子、おしゃべりな子、シャイな子…わが子の個性、よその子の個性がわかってくると、親同士の理解も深まります。このころの子どもの成長とお世話のこと、ご紹介します。

監修者プロフィール

宮野孝一(みやのたかかず)先生
みやのこどもクリニック院長

青森県出身。昭和55年弘前大学医学部小児科教室に入局。同大助手講師。 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院、三沢市立三沢病院小児科科長、青森市民病院小児科部長、平成6年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長後、平成10年、クリニックを開業。医学博士、小児科学会認定専門医、 日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師、日本小児科学会、日本小児アレルギー学会、日本アレルギー学会、日本小児血液学会、日本小児内分秘学会、日本小児保健学会、日本新生児学会に所属。「わかりやすい説明」がモットー。

生後1歳11ヶ月の赤ちゃんの成長の様子

生後1歳11ヶ月 身長・体重のめやす

■男の子/身長79.7~90.7cm 体重9.5~13.7kg

■女の子/身長78.3~89.4cm 体重8.8~12.9kg

  • 厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より

歯が生え揃ってくる

歯の生え方は個人差が大きいのですが、2歳ごろになると、一番後ろの奥歯4本以外はだいたい生えそろう子が多いでしょう。すでに前歯4本、その左右に犬歯が1本ずつ、その隣に奥歯が1本ずつ生えていたら、上下8本ずつで、計16本になります。

これだけたくさんの歯が生えてきたのですから、歯のケアはとても大切。歯ブラシを習慣にして虫歯を予防しましょう。

自治体によっては1歳6ヶ月健診か、2歳健診の時にフッ素の塗布を勧めるところもあります。フッ素は確かに虫歯予防に効果的ですが、安心して歯みがきをおろそかにしていると、やはり虫歯になってしまいます。

歯医者さんで背中が倒れるイスを怖がる子もいますが、2歳を過ぎるとだんだんまわりの状況を理解して、怖がって泣くことも減ってきます。虫歯かも?と心配になったら、歯医者さんに連れていきましょう。

虫歯予防には、食事やおやつの与え方も大事です。とくにおやつは、時間を決めてきちんと食卓に座って食べる習慣をつけましょう。手作りおやつが理想的といっても、そうもいかないということも多いでしょう。市販のお菓子や果物でいいのですが、スナック菓子を袋ごと与えたり、スーパーでねだられるままに買い与え、その場で食べさせたりするはやめましょう。

駆け足もできるようになってくる

歩き始めのころに比べると、駆け足もできるようになって、格段の成長を感じるこのころ。歩いている途中で、興味を引く物を見つけたとたんに駆け足を始めたり、パッと止まったり。後ずさりも上手になって、玄関の敷居やちょっとした段差も簡単に乗り越えます。活発な子は、少し高いところ(20cmくらい)から飛び降りることもできます。30分くらいなら続けて歩ける子もたくさんいます。

ただ、自由にどんどん歩けるようになり、動きも大胆になるにつれて、思わぬ事故やケガに結び付くことも多くなります。椅子や低いテーブルから飛び降りようとしたら、前に危険なものがないか確認を。

外を連れて歩くときは、急に車道に飛び出したり、自転車の前を横切ったりしますから、道路では子どもの手をしっかりつなぎ、子どもにも「手を離さないように」と言い聞かせて、大人と手をつないで歩く習慣をつけましょう。

生後1歳11ヶ月の赤ちゃんのお世話

子どもの個性を認めよう

公園などで同じくらいの月齢の子を見ると、「えー、あの子はもう、コンニチワができるの!」「ウチの子は歩くのがやっとなのに、走り回っている子がいるなんて」など、ついついわが子と他の子の発達スピードを比べてしまいがちです。

また性格についても「ウチの子はなんだかボーッとしてて……」と嘆くママがいたかと思うと、「この子は誰に似たのかおしゃべりで」とにぎやかなのに困惑しているママもいるかもしれません。

けれども、発達のスピードも性格の違いも、全部含めてその子の個性。十人十色というように、子どもは一人一人、独特の感性や得意・不得意を持っています。チューリップとユリと比べて、どちらがより美しいと決められないように、子どもの個性もどちらがよくてどちらが劣っているとはいえません。

わが子の持つ色合い=個性の素晴らしさを認めましょう。みんなと同じようにではなく、「その子らしく」「世界にひとつだけの花」として育つことを、身近で応援してあげられるのは、やっぱりママ、そしてパパなのですから。

親同士のおつきあいは…

1歳代の子どもの場合、他の子がそばにいることは喜びますが、まだ一緒に関わって遊ぶことはできません。近くにはいても、それぞれの遊びをしているのが普通です。そしてどの子も、自分が使っているおもちゃや遊び道具を取られそうになると、怒って相手を引っかいたり、「イヤ」と押しのけたりします。

まだ「自分のもの」を他の子に貸す社会性はありませんし、親が考えるように「仲よく遊んでケンカはしない」のがお友だちだという意識は全然ありません。ですから、見ている親のほうがギョッとするような事態がよく起こります。

子ども同士のトラブルが起こったときに、そのころの子どもの発達の特徴を理解できていれば、大目に見て、おおらかに見守ることができます。自分の子どもだけを見つめるのではなく、よその子どもの行動やおしゃべりにも注意を向けてみましょう。いろいろな個性があるとこともわかって、どの子のすることにも寛大になれるでしょう。

update : 2020.05.22

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