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生後1歳9ヶ月の赤ちゃんの成長とお世話

「これなーに?」「これなーに?」の質問攻撃が始まります。言葉を覚えたい! 何なのか知りたい! 子どもの知的好奇心を満足させる、答え方とは? 子どもは、どんどん自立に向かっていますが、でもまだまだ赤ちゃん。思い通りにならずにかんしゃくを起こすことも。いけないことはいけない、と教えながら、甘えてきたら、たっぷりと甘えさせてあげましょう。このころの子どもの発育発達とお世話のこと、ご紹介します。

監修者プロフィール

宮野孝一(みやのたかかず)先生
みやのこどもクリニック院長

青森県出身。昭和55年弘前大学医学部小児科教室に入局。同大助手講師。 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院、三沢市立三沢病院小児科科長、青森市民病院小児科部長、平成6年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長後、平成10年、クリニックを開業。医学博士、小児科学会認定専門医、 日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師、日本小児科学会、日本小児アレルギー学会、日本アレルギー学会、日本小児血液学会、日本小児内分秘学会、日本小児保健学会、日本新生児学会に所属。「わかりやすい説明」がモットー。

生後1歳9ヶ月の赤ちゃんの成長の様子

生後1歳9ヶ月 身長・体重のめやす

■男の子/身長78.1~88.8cm 体重9.2~13.2kg

■女の子/身長76.6~87.4cm 体重8.5~12.4kg

  • 厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より

「これなーに?」が増えてくる

知的好奇心が旺盛になる時期で、何を見ても「これなーに?」を連発します。目につく物は何でも子どもの好奇心を刺激し、興味の対象になるのです。絵本を見ても、散歩に行っても、買い物に行っても、次から次へと質問攻撃。しまいには親のほうが音(ね)を上げてしまうかもしれません。

でも、言葉を覚えたい、何なのかが知りたいという知的欲求が順調に発達している証拠です。簡単な答えでいいので、子どもの問いかけには面倒がらずにできるだけ答えてあげましょう。

子どもが求めているのは、親との共感やイメージの共有ですから、正確な答えでなくてもいのです。木や花を見て「これなーに?」と聞いてきたら、正しい名前を教えなければと堅苦しく考える必要はありません。「葉っぱがいっぱいついているね」とか「お花よ、きれいね。いい匂いがするのよ」などと答えれば、子どもは十分に納得します。

簡単な質問に答えるようになる

「これなーに?」と質問を繰り返して知識を蓄えることで、今度は親の簡単な質問にも答えられるようになります。ママが絵本を指さして、「これは何?」とたずねると、「うさちゃん」「リンゴ」などと答えるようになるでしょう。

また「お菓子、おいしい?」ときくと、「おいしい」と返事をするようにもなります。質問だけでなく、簡単な命令も二つくらいまでならわかります。「ごはんになるから、椅子を持ってきて座っててね」というと、自分で小さな椅子を運び、座って待っていられるようになるでしょう。

かんしゃくを起こすことがある

いくつか言葉を話せるようになっても、まだ自分の感じていること、したいことをうまく伝えられない年齢です。このため、思うようにならないイライラや言葉にできない不快感などを、かんしゃくで表現する子が出てきます。

床にひっくりかえって手足をバタバタさせたり、自分の主張が通るまでキーキー声で叫び続けたり、なかには叱られると親をぶったり、髪の毛を引っ張ったりする子も。イヤイヤ期の始まりとでもいうべき行動が少しずつみられるようになってきます。

いずれ、もっと上手に話せるようになると落ち着くので、しばらくはかんしゃくにたじろがず、いいこと、悪いことの区別だけはきちんと教えていきましょう。

生後1歳9ヶ月の赤ちゃんのお世話

生活のリズムを整えよう

これまでパパの帰宅に合わせるなどして、子どもの夕食や寝付く時間が遅くなっていたら、できるだけ子ども中心の生活リズムにしていきましょう。

幼児食にも慣れてきたし、運動量も増えてくると、帰りを待てないほど、おなかが空きますし、夜も早く眠くなってきます。親子一緒の夕食タイムやパパとの遊び、一緒のお風呂ももちろん大切ですが、子どもの成長発達、健康のためには、昼にたくさんの外遊びをして、夜は早く眠ることが、とても大切。パパとのふれあいは休日の楽しみにとっておいて、普段は子ども中心の生活リズムにしていきましょう。

朝、早く起きて、日中たくさん体を動かすようになると、食事、おやつ、入浴、睡眠の時間が、だいたい決まってきて、1日の生活リズムが整ってきます。

甘えたがるときは、甘えさせて

子どもの世界が広がり、何でも自分でやりたがったり、親にも反抗的な態度をとったりし始めて、子どもがどんどん自立しているように感じられることでしょう。でも、体や行動は幼児らしくなってきていても、まだまだ「赤ちゃん」の部分が残っています。むしろ、少々背伸びしている分だけ、親にたっぷりと甘えたい気持ちがあふれてくることがあります。

ママが別の部屋に行こうとすると「イヤイヤ。こっち」と、一人になるのを嫌がって自分が遊んでいるほうに連れて来たり、体にまとわりついてきたり。ママが他のママとお話しをしていると邪魔をしてきたり、ベッタリ張りついて離れなくなったり。夜も、ママに添い寝してほしいとせがんだり……。

子どもは、いつもママに甘えられるという安心感をベースにして、世界を広げて成長していきます。ですから、甘えてきたときにはしっかり受けとめてあげます。そうすると心が満たされて落ち着き、わがままやかんしゃくも、減ってくるでしょう。

update : 2020.05.22

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