生後1歳4ヶ月の赤ちゃんの成長とお世話
気がついたら、ハイハイで階段を上っていた! ベランダに置いた箱の上に乘っていた! 好奇心旺盛な赤ちゃんは高いところが大好き。転落事故防止対策を! クレヨンで点や線を描いたり、絵本も大好きになってきます。遊び食べやムラ食いに困ったときは、どう対処する? 早寝早起きも習慣にしていきましょう。この時期の発育発達、お世話のこと、ご紹介します。
監修者プロフィール
宮野孝一(みやのたかかず)先生
みやのこどもクリニック院長
青森県出身。昭和55年弘前大学医学部小児科教室に入局。同大助手講師。 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院、三沢市立三沢病院小児科科長、青森市民病院小児科部長、平成6年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長後、平成10年、クリニックを開業。医学博士、小児科学会認定専門医、 日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師、日本小児科学会、日本小児アレルギー学会、日本アレルギー学会、日本小児血液学会、日本小児内分秘学会、日本小児保健学会、日本新生児学会に所属。「わかりやすい説明」がモットー。
生後1歳4ヶ月の赤ちゃんの成長の様子
生後1歳4ヶ月 身長・体重のめやす
■男の子/身長73.9~83.8cm 体重8.4~12.0kg
■女の子/身長72.1~82.1cm 体重7.8~11.3kg
- ※厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より
階段を一人で上がれるようになる
椅子やテーブルの上によじ登ったり、ハイハイの要領で両手をつきながら階段を上がれるようになったり。テーブルの上に乗って立てると、うれしくて足をトントンしたりしますが、さて降りるのはまだできません。階段をスタスタ上ったはいいけれど、途中で怖くなって泣いたり、降りるに降りられずに助けを求めたりします。降りられるようになるのは、1歳9ヶ月くらいになってからです。
このころ怖いのは、転落事故です。子どもは好奇心が強く、高いところが好きで、階段があれば上る、と肝に銘じておいください。また、昨日できなかったこと、しようとしなかったことを、今日はできる、今日はする、のが子どもの成長です。
家の階段の上がり口や降り口には、ベビーゲートをつけるなどして対策を。ベランダの柵のそばにも箱などを置かないように。外出先でも、階段のそばで子どもから目を離すのは危険です。子どもから目を離さないこと、SOSを見逃さないようにしましょう。
クレヨンでお絵描きにトライ
指先で物を上手につかみ、持ったまま動かせるようになるころです。クレヨンを持たせると、なぐり描きで点や線が描けるようになります。クレヨンがまだうまく持てないようなら、子どもの手の上にママの手を重ねて、一緒に描いてあげてもいいですね。
もちろん最初は思うように描けませんから、大きめの紙を用意し、紙の下に新聞紙などを広げて敷いておくといいですね。子どもも思い切って、ぐるぐるぐる!と紙からはみ出す勢いでマルを書いたり、クレヨンを叩きつけながら点々を書いたりと、自由に大胆に遊べるでしょう。
絵本も喜ぶようになってくる
絵本にも興味を示し始めるころです。乗りものや動物など、子どもの好きな絵や写真のある色彩豊かな絵本がおすすめ。図書館で一緒に選んでもいいですね。
「ブーブー」「ワンワン」など、絵本の中に車や犬を見つけて指をさしたりすることもあります。桃太郎などおとぎ噺のストーリーを理解するのはまだ無理ですが、「ドンブラコッコドンブラコ」などの言葉の繰り返しを喜びます。絵本の文字は全部読まなくてもいいんです。「ワンワンだ」とか「おサルさんだね」など簡単にアレンジしながら読めばいいのです。
読み聞かせをしていても、おかまいなしにページをめくろうとする子が多いと思いますが、子どものスピードに合わせて自由にめくらせてあげましょう。
生後1歳4ヶ月の赤ちゃんのお世話
遊び食べやムラ食いに 困ったときは…
離乳食が完了に近づいてきたら、朝・昼・晩のご飯+午前・午後におやつという食事のリズムをだんだんにつくっていきましょう。
ただ、食事と食事の間をきちんとあけないと、おなかが空かないまま食卓につくことになるので、かえって遊び食べやムラ食いの原因になります。もし、食が進まない場合は、おやつや牛乳を控えてみてもいいですね。
食事時間は規則正しいのに、あまり食が進まず遊んでしまう子の場合は、運動不足の可能性もあります。室内にいる時間が長いとどうしても運動が足りなくなりがちなので、意識して外遊びの時間を増やしてみてください。公園でしっかり遊んで、たっぷりお散歩もして、「おなかが減った~!」という状態で食べるご飯のおいしさは、子どもにもこたえられないはず!
ほかに、献立や食べ物の形・大きさ、味付けなどが適当かを見直してみたり、食卓のまわりに、子どもが気になるおもちゃや雑貨、ポスターなどがないかも、いまいちど確認を! テレビも消して、食べることを楽しみましょう。
早寝早起きの習慣を
この時期、子どもの睡眠のサイクルや時間はかなり個人差があります。たとえば、お昼寝は午前、午後と2回する子もいれば、午後に1回だけの子もいます。また同じ1回でも2時間以上たっぷりお昼寝をする子、1時間足らずで起きてしまう子もいます。日によって昼寝の時間や回数が違う、という子も珍しくありません。
活発な性格の子は睡眠時間が短くてすぐに遊びたがり、おっとりした性格の子はよく眠るといわれますが、一概には言えません。ふだん寝つきの悪い子が、ある日電池が切れたようにコトンと寝てしまうこともあるし、いつもは甘えん坊じゃないのにママの抱っこでないと眠れないということもあります。これ!というタイプや傾向でくくれないのが、子どもの睡眠なのです。
また寝る時間や朝起きる時間は、家庭の状況によっても違うでしょう。遅いパパの帰りを待って夜10時くらいまで寝ない子がいたり、夜は早めに寝るけれど、早朝5時くらいから起き出して、寝足りないパパやママを無理矢理起こす子がいたり……。パパやママの仕事や生活時間との兼ね合いもあるので、それぞれの家庭なりに睡眠のサイクルを作っていくのがいいでしょう。
ただ、子どもの健康にとって「早寝早起き」は、とても大事。出来る限り、子どもに夜更かしをさせないように、朝型の習慣をつけていきましょう。保育園に預けて仕事復帰をと考えている人は、入園に向けて親子ともに生活リズムを作っていくようにしましょう。
update : 2020.05.22
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