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生後1歳3ヶ月の赤ちゃんの成長とお世話

言葉の意味がかなり理解できるようになってきました。話すのは「マーマ」や「ブーブー」などの1語でも、「ボールとってきて」などの意味は理解しています。体全体を動かすことが大好きなってくるので、動きやすい服装にしましょう。積み木やブロック遊びも大好き。この時期の発育発達、お世話のこと、ご紹介します。

監修者プロフィール

宮野孝一(みやのたかかず)先生
みやのこどもクリニック院長

青森県出身。昭和55年弘前大学医学部小児科教室に入局。同大助手講師。 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院、三沢市立三沢病院小児科科長、青森市民病院小児科部長、平成6年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長後、平成10年、クリニックを開業。医学博士、小児科学会認定専門医、 日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師、日本小児科学会、日本小児アレルギー学会、日本アレルギー学会、日本小児血液学会、日本小児内分秘学会、日本小児保健学会、日本新生児学会に所属。「わかりやすい説明」がモットー。

生後1歳3ヶ月の赤ちゃんの成長の様子

生後1歳3ヶ月 身長・体重のめやす

■男の子/身長73.0~82.8cm 体重8.2~11.8kg

■女の子/身長71.1~81.0cm 体重7.6~11.1kg

  • 厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より

言葉の意味がわかるようになってくる

「マーマ(ママのこと)」「ブーブー(自動車)」「ニャーニャー(猫)」など意味のある言葉を一つだけ言うのが、「一語(いちご)」です。このころになると、この一語だけ言う子どもが多くなってきて、数もだんだん増えてきます。まだ、「ニャーニャー、かわいい」といった二語文にはならないので、猫がかわいいときも、猫がそばに来て怖いときも、猫のそばに行きたいときも、いつでも「ニャ~ニャ~」の一語で表現します。

言葉の発達には大きな個人差があるので、このころになっても、まだ意味のある言葉を話さない子もいます。たとえば、「ママこっち来て」も「ミカンがほしい」も何でも「アーアー」で済ませる子、「指さし」だけで自分の意志を伝えてくる子もいます。

まだ言葉を話せなくても、言われた言葉の意味は、かなり理解できるようになっています。「○○ちゃん、ボール取ってきて」「いいお顔して」など、簡単な命令がわかってきて、言われたことができるようになります。つまり、親と双方向の言葉によるコミュニケーションができるようになったのです。

体全体で遊ぶようになる

歩けるようになると、遊び方も今までとは変わってきます。ほうきやモップを引きずって歩いたり、長いホースを持って掃除機をかける格好をしてみたりと、体全体を使って親の真似をして遊ぶようになってきます。また、紙袋に自分のおもちゃを入れて持ち歩く、買い物ごっこなども好きになります。

相変わらず、もの真似も好きですし、「いないいないばあ」も大好き。同じ「いないいないばあ」でも、成長した分ダイナミックに遊びましょう。たとえば、ママがカーテンやついたて、ドアの陰に隠れたり、子どものそばを隠れてから、声をかけて探させたり……。

「かくれんぼ」では、子どものほうからカーテンの陰に隠れたり、押し入れやクローゼットの中に入り込んだりして、ママに見つけてもらおうとします。ふすまや引き戸も自分で開けることができるようになったのですね。

体がしっかりしてきた分、逆立ちやでんぐり返りなど少し乱暴な全身遊び、お布団でドタバタ大暴れするのも大好きです。

生後1歳3ヶ月の赤ちゃんのお世話

歩きやすい服装にしよう

ヨチヨチ歩きを始めるころの赤ちゃんには、えり・そで・足首の動きを妨げないサイズで、全身運動をしやすい上下に分かれた服を着せてあげましょう。上下がつながったロンパースのような服は、すでに1歳前からおとなしく着させてくれなくなっているかもしれません。

あんよの時期は、身体の動きをさまたげないよう上下が分かれたものにしましょう。転んでも大丈夫なように、伸縮性があってボタンや飾りの少ない服がオススメです。冬は、モコモコと着せすぎると動きを妨げますから、機能性素材などをうまく選んで、できるだけ厚着にならない工夫をしましょう。

この時期は、高価な服は向いていません。洋服が汚れるからと「あれしちゃダメ!」「そっちに行かないで!」などと言ってみても、子どもには通じません。子どもの成長発達にとっては、お行儀よくすることよりも、たくさん動いて遊んで体を動かすことが大事。汚れてもいい洗濯しやすい服を着せましょう。

積み木やブロックで遊ぼう

積み木やブロックは、おもちゃの定番。これまでは両手に持って打ちつけることくらいしかできませんでしたが、このころになると何個も重ねたり、横に並べたりすることができるようになってきます。最初は2つ程度ですが、だんだんに数がふえていきます。

上手にできないうちは、親がいくつか積んで、子どもに崩させる遊びをしてみるのもいいでしょう。そのうちに、自分一人で積んだり崩したりするようになります。

ちなみに、総じて男の子のほうが、積み木やブロックでの遊びを好む傾向にあります。これは男の子のほうが、空間認識能力が高いからといわれています。シンプルな面の構造体は、男の子の心をとらえるようで、3歳を過ぎても長く遊んでくれるおもちゃになります。

TV、スマホは、できるだけ控えて

TVの幼児番組がかかると、夢中になって見入っている子ども。映像も音も歌も、子どもが好むように緻密(ちみつ)に考えられていますから、ジーッと見るのも当然でしょう。親からするとしばらくの間、子どもがおとなしくしてくれる貴重な時間ですが、ラクだからとTVやスマホにばかりお守りをさせるのは考えものです。

画面からいくら声が出てきても、所詮、一方通行。子どもが話しかけることはできませんし、子どもの話しかけに応じて答えてくれるわけでもありません。

言葉は、人と人とのコミュニケーションが育てていくものです。子どもが何か話したい素振りをしたら、「なーに?」と問いかけ、「ワンワン」と言ったら、「ワンワンかわいいね」などと相槌を打つことで、言葉が発達し、心と心を通わせることができるようになるのです。

1日のうちの短い時間、TVや動画、DVDなどを見せるのは悪くありませんが、子守り代わりに「見せっ放し」にするのは避けましょう。見せるときは親も子も一緒に画面を見ながら、「かわいいね」とか「〇〇ちゃんはコレが好きなんだね」と語りかけましょう。

家事などをするためTVやスマホの前からママが離れるときは、「いま何が映ってるの?ママに教えて」とか「(TVのキャラクターと)一緒に踊ってみせて」と、声掛けするといいでしょう。

update : 2020.05.22

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