幼児期の赤ちゃんに起こりやすい危険な事故と安全対策
行動半径が広くなる幼児期は、事故の種類が多様になります。
家の中だけでなく公園など戸外での事故にも注意が必要です。
屋内、屋外で起こりやすい事故と予防策を知っておきましょう。
幼児期の事故の傾向
事故にあう年齢は1歳児がトップ
乳児期と違うのは、ひとり歩きができるようになること! 家の中でも行動半径は階段、台所、浴室、洗面所、ベランダなどグンと広くなります。好奇心も発達してすべてが興味の対象になります。台所でキラリ光っている包丁を手にとったり、水の音に惹かれて浴室の湯船の中をのぞきこんだ拍子に転落したり……。
1~4歳児の不慮の事故による死亡は、先天奇形・染色体異常に次ぐ、2番目に多い死亡原因となっています。そして事故にあう年齢は1歳児がトップ!(厚生労働省/2017年人口動態統計) 十分に注意しましょう。
誤飲事故に注意しましょう
はいはいやたっちで自分で移動するようになると、増えてくるのが「異物誤飲」です。ボタン、電池、タバコ、薬、指輪、針、硬貨…など何でも手でつかんで口に運ぼうとします。キャップも回して開けられるようになると、洗剤やお酒など、重大な中毒につながる誤飲も起こります。これらは必ず、子どもの手の届かないところに置きましょう。
口に箸や歯ブラシをくわえたまま、転んで怪我する事故も増えてきます。「箸を持つのは食事のとき」など、毎日の生活の中での「しつけ」が、事故の予防になることも覚えておいてください。
転倒や高所からの転落事故が増えます
子どもの事故は運動能力の発達と深い関係があります。たとえば、子どもがベランダに出た場合、1歳児なら柵の間から外をながめるだけでも、2歳になったら小さな椅子を部屋から持ち出し、台にして柵から体を乗り出すこともできるようになります。
1~4歳児の場合、誤飲とともに転倒と転落が上位3位を占めています。年齢とともに運動が活発になると、高いところからの転落事故が多くなります。くれぐれも注意しましょう。
大きい怪我につながる事故に注意しましょう
活発に動く子どもがけがをすることはよくあること!小さなすり傷やたんこぶを作りながら、子どもは育っていきます。
ただし、大きな怪我や命に関わるような大事故だけは、絶対に防いであげたいのです。とくに、交通事故は大きな怪我に結びつくので要注意!
年齢が高くなると交通事故が増えてきます。ママ・パパに知ってほしいのが、子どもには言葉の注意は通用しないということ!「右見て、左見て」と言葉かけしても、手を離していれば、道路に飛び出すのが子どもです!必ずママ・パパが手をつなぐなど、体を使って防ぐことが大切です。
シーン別起こりやすい事故と予防策
屋内
場所 | 起こりやすい事故 |
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居間 |
跳んだり跳ねたり、体を使った遊びが面白くてたまらないのが幼児期。椅子から飛び降りる、ソファの上で飛び跳ねる、その拍子に転んでおでこを打つのは日常茶飯事といっていいでしょう。 ワンポイントアドバイス
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浴室 |
溺水、やけどが起こりやすい場所です。とくに浴槽が低いタイプでは、頭が大きくて重い幼児は覗き込んだ拍子に転落します。 ワンポイントアドバイス
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寝室・ベランダ |
1歳児では異物誤飲の事故が多いのです。ヘアピン、化粧品、薬、ボタン、コインなど、何でも誤飲の対象になります。とくにスモーカーのパパやママは、タバコを子どもが手の届くところに絶対に置かないように。目・耳・鼻などに異物が入ってしまう事故もあります。枕で遊んでいたら、中に入っているチューブを取り出して鼻に詰めてしまったということもあるので、注意しましょう。 ワンポイントアドバイス
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キッチン・ダイニング |
やけど、切り傷などの事故が多い場所です。ガステーブルの上の鍋に手が届くと、やけどの原因に。とくに片手鍋は危険です。 ワンポイントアドバイス
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トイレ・洗面所 |
浴室同様に水回りイコール水の事故が多い場所です。トイレの便器や洗濯機は、覗き込んだ拍子に頭から転落することも。口と鼻が水につかると、少量の水でも溺れます。 ワンポイントアドバイス
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屋外
場所 | 起こりやすい事故 |
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道路 |
つまづいて転ぶ事故が多発するのが道路。ひざ小僧をすりむく程度の小さな怪我はよくありますが、怖いのは交通事故。歩行中の事故のほかに、自転車に子どもを乗せていて起こる事故も多いので注意を。自転車の場合、子ども用の補助椅子から身を乗り出して転落することもあります。 ワンポイントアドバイス
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車の中・車の外 (駐車場) |
ぶつかる、ぶつけられる交通事故が怖いのはもちろんですが、子どもだけを車に置いて親が離れるのは絶対にいけません。暑い季節は熱中症が心配ですし、パワーウィンドウに首を挟まれる、ライターなどで火遊びをしていて火事になるなど思いがけない事故も起こります。 ワンポイントアドバイス
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公園 |
砂がついた手で目をこすって赤くなる、つまづいて転び、ひざ小僧をすりむくなど、小さな怪我は仕方ありません。防いでほしいのは、すべり台の上など、高所からの転落など大きな怪我に結びつく事故です。公園内の小さな池などに落ちて溺れる事故もあります。 ワンポイントアドバイス
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レジャー |
いちばん多いのがプール、海や川など水の事故で、着いた直後に起こりやすいものです。大人たちがバーベキューの用意をしている間に子どもたちだけで川べりに行って溺れたり、ママが水着に着替えている間に、またパパがちょっと目を離した隙に波打ち際にいた子どもが波にさらわれたなど、ほとんどは親が目を離したほんの短い間に起こります。
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監修/みやのこどもクリニック院長 宮野孝一先生
update : 2020.03.12
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