赤ちゃんの発熱時の対処法・熱の冷やし方・薬の飲ませ方
赤ちゃんは大人よりも頻繁に熱を出します。病院に行く前後や、行かないで熱を下げたいとき、家ではどのように対処すればいいでしょうか。また、病院で処方されたお薬はどうやって飲ませたらよいのでしょう。早くよくなるよう家庭での対処法を知っておきましょう。
監修者プロフィール
池田裕一先生
昭和大学藤が丘病院小児科診療科長
1995年昭和大学医学部卒業後、同大学藤が丘病院小児科に入局。
1998年~神奈川県立こども医療センター感染免疫腎内科、昭和大学医学部小児科講師、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF ,Children Hospital Oakland,CA, USA)客員研究員等を経て、現在は昭和大学医学部小児科学講座教授、昭和大学藤が丘病院小児科診療科長、昭和大学横浜市北部病院こどもセンター長(小児内科診療科長兼務)。
また、「尿トラブル外来」を担当、HPこどものおねしょとおもらし総合相談室「おしっこトラブルどっとこむ」や講演、執筆、TV出演(NHK)等、子どもの排尿の問題のほか、こどものすいみん総合相談室「すいみんトラブルどっとこむ」で子どもの睡眠問題に取り組んでいます。
熱が出たらどうする?
高熱が出たからといってあわてて病院に駆け込むのではなく、まずは冷静に赤ちゃんの状態をチェックします。病院に行って適切な診断を受けられるよう、ママやパパの役目はまず落ち着いて対処することです。
体は冷やす?暖める?
ご機嫌がよく、食欲もあり、よく眠っているようなら、着せすぎなどで熱がこもっている可能性があります。薄着にして、布団も少なめにかけましょう。また、熱が上昇中のときは、寒さを感じるので、部屋を暖かくして、布団も多めにかけます。熱が上がりきった状態になって落ち着いたら、熱が放散できるように衣服や布団を調節し、嫌がらなければ頭を冷やしたり水枕をするのもよいでしょう。体を冷やして熱を下げてあげましょう。
発熱したとき気をつけることは?
少々熱があっても、赤ちゃんが元気で遊びたがるようなら、無理に寝かせていなくても大丈夫。ただし、外出は控えましょう。部屋の温度や換気に気をつけ、水分をしっかり補給してあげましょう。また汗をかきやすいので、肌着をこまめに替えましょう。微熱の他に症状がみられず、赤ちゃんが元気なら沐浴や入浴をさせても大丈夫。手早くきれいに洗って、入浴後に水分補給を。熱が高いようならお風呂は控え、座浴や体を拭いてあげるだけにしましょう。
薬はどうしたらいい?
ママやパパは自分が発熱した場合、いつも飲んでいる解熱剤や風邪薬などを飲むかもしれません。赤ちゃんの場合は、どうしたらよいのでしょう?
赤ちゃんは処方箋薬が原則
赤ちゃんが発熱した場合、その正確な原因をママやパパが判断することは難しいですね。原因によって効果的な薬は異なりますので、市販薬ではなく小児科で処方してもらった薬を飲ませるのが原則です。
赤ちゃんのお薬手帳をつくっておこう
通常、処方箋のお薬は、病院ではなく院外の保険調剤薬局(処方箋薬局)で買うことになります。保険調剤薬局に行くと「お薬手帳をお持ちですか?」と聞かれますね。あまり病院にかからない健康的なママやパパ自身はお薬手帳を持っていない人も多いかもしれませんが、お薬手帳はお医者さんに現在飲んでいる薬の種類を知らせるだけでなく、既往症や体の状態を伝えるためにもとても便利なツール。保険調剤薬局で無料でもらえますので、ぜひ受け取って活用しましょう。
処方箋薬を購入する際、お薬手帳を渡すと、処方内容が書かれたシールを貼ってくれるので、記録として残せます。母子手帳と一緒に母子手帳ケースに入れて持ち歩いている先輩ママもたくさんいます。
ネットなどでかわいいデザインのお薬手帳が有料で販売されていたり、お薬手帳のアプリもあるので、ママやパパが使いやすいものを利用するとよいでしょう。
薬の飲ませ方
普段飲んだことのない味のお薬は、赤ちゃんがいやがることもあります。上手に飲ませるコツを、タイプ別にそれぞれ見ていきましょう。
薬を飲ませるときの注意点
赤ちゃんに薬をあげるとき、注意すべきことを覚えておきましょう。
授乳や食事の前に
食後だと満腹で受け付けなかったり、戻したりしやすくなるので、そのようなときは食前に与えます。とくに食前食後が指定されていなければ、飲みやすい時に飲ませます。
ミルクに混ぜない
ミルクの味=苦手な薬の味、というふうに記憶すると、ミルクを飲まなくなってしまうことも。また、ミルクの成分が薬をコーティングして吸収しにくくなることもあります。
処方薬は指示に従って飲みきる
飲み薬はそのときの症状や、お子さまの年齢や体重などに合わせて処方されるので、飲ませるのは指定された期限内のみ。処方された薬は保存せず、医師の指示にしたがって飲み切ることがたいせつです。以前に処方された薬が残っている場合、それは使わずに処分しましょう。
水薬は冷蔵庫で保存
変質しやすい水薬は冷蔵庫で保存します。
薬の併用は避ける
小児科と耳鼻科など、複数の科から薬を処方されるときは、調剤薬局などでお薬手帳を見せるなど、必ず他の科で何を処方されているかを伝えましょう。また、市販の薬との併用は避けましょう。
与える回数を守る
時間通りに与えられなくても、「1日3回」というふうに決められた回数は守るようにしましょう。薬局で薬をもらうとき、薬を飲ませる間隔は最長あるいは最短何時間あけられるかを確認しておきましょう。
薬を飲ませるコツ
せっかく処方してもらった薬、ちゃんと飲んでほしいですね。タイプ別に上手に飲ませるコツを見ていきます。
※薬を扱う時は手を清潔にしておきましょう。
水薬
シロップタイプの水薬はスプーンやスポイト、哺乳びんの乳首などを使ってあげます。スプーンやスポイトの先を、口の真ん中ぐらいまで入れ、ゆっくり口に入れましょう。
粉薬
水で溶いて、ママやパパの指につけ、赤ちゃんの上あごや歯茎の内側につけ、すぐに湯冷ましや果汁を飲ませて、薬を飲み込ませます。
座薬
両足を片手で持って、膝を曲げ肛門部を露出して、座薬をしっかりと奥に差し入れます。入れた後はそのまま出てこないように、数秒間おしりを押さえておきます。
監修/昭和大学藤が丘病院小児科診療科長 池田裕一先生
update : 2022.01.26
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