赤ちゃんの睡眠時間の目安とは?まとまって寝るようになるのはいつ?
「寝る子は育つ」という言葉通り、睡眠中には成長ホルモンが分泌されます。生後間もない赤ちゃんは1日のほとんどがねんねの時間。成長とともに、睡眠のリズム、生活のリズムも変化します。健やかな成長のため快適な睡眠を取らせてあげましょう。
監修者プロフィール
池田裕一先生
昭和大学藤が丘病院小児科診療科長
1995年昭和大学医学部卒業後、同大学藤が丘病院小児科に入局。
1998年~神奈川県立こども医療センター感染免疫腎内科、昭和大学医学部小児科講師、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF ,Children Hospital Oakland,CA, USA)客員研究員等を経て、現在は昭和大学医学部小児科学講座教授、昭和大学藤が丘病院小児科診療科長、昭和大学横浜市北部病院こどもセンター長(小児内科診療科長兼務)。
また、「尿トラブル外来」を担当、HPこどものおねしょとおもらし総合相談室「おしっこトラブルどっとこむ」や講演、執筆、TV出演(NHK)等、子どもの排尿の問題のほか、こどものすいみん総合相談室「すいみんトラブルどっとこむ」で子どもの睡眠問題に取り組んでいます。
赤ちゃんはどのくらい眠るの?
赤ちゃんは自然の欲求のまま、寝たり、起きたりを繰り返します。こうした赤ちゃんの睡眠リズムは、ママやパパにとって育児のタイムスケジュールそのものです。赤ちゃんの睡眠について知り、1日のイメージをつかんでおきましょう。
新生児期の睡眠時間は?
おっぱい、ねんね、うんち、ねんね、おっぱい、ねんね…。 成長著しい生後3ヶ月頃までは、昼夜の区別もなく、短い睡眠を繰り返します。1日の合計睡眠時間は、およそ15~18時間も! 新生児期は、3~4時間おきに目を覚まし、その都度、おっぱいを飲み、しばらくするとうんちをしたりします。ママやパパもこのリズムに合わせて授乳やおむつ替えなど、この時期は特にお世話が大変! 家事は少々手抜きする、赤ちゃんと一緒にお昼寝するなど、自分の体もいたわってあげましょう。
月齢 | 1日の睡眠時間 |
---|---|
0~1ヶ月 | 16~18時間 |
1~3ヶ月 | 14~15時間 |
3~6ヶ月 | 13~14時間 |
6~12ヶ月 | 11~13時間 |
1~3歳 | 11~12時間 |
1人ずつ違う睡眠のかたち
この月齢だと1日に何時間ぐらい、というのはあくまでも目安です。「睡眠時間が短いと大きくならないのでは?」「3ヶ月過ぎたのに、睡眠時間が長すぎる」などと心配する必要はありません。睡眠の時間や回数、リズムは十人十色。日によっても違います。自然な眠りを妨げないよう、赤ちゃん自身のリズムに合わせてあげるのが一番です。3~4ヶ月を過ぎた頃から、自然と昼起きている時間、夜寝ている時間がまとまってくるようになっていきます。
睡眠のリズムの変化
寝て起きて、を短い間隔で繰り返す新生児期を過ぎると、昼間に起きている時間、夜に眠っている時間が、徐々にまとまってくるようになります。これも成長の証なんですね。ママやパパも意識して、生活のリズムをつけたり、昼夜の区別をつけていってあげましょう。
成長とともに変化
1日1日大きくなっていく新生児期に比べると、成長のスピードは、徐々にゆるやかになっていきます。それにつれ、全体の睡眠時間も徐々に短くなり、長く起きていられるようになります。また、運動能力が向上し、体を動かすようになると、ぐっすりと眠れるようになり、1回の睡眠時間も長くなっていきます。また、一度に飲むおっぱいの量が増え、消化器官や膀胱の発達につれ、授乳やおむつ替えの頻度も少なくなってくるので、細切れのリズムが少しずつ変化していきます。
体内リズムを作るには
1日が24時間というサイクルを体が覚えるのは、赤ちゃんの時期なのだそう。だから、赤ちゃんの生活リズムはとても大切なのです。赤ちゃん時代に覚えた正常な体内リズムは、大人になっても保てるといいます。ママとパパががんばって、早寝早起きや規則正しい生活のリズムをつけさせてあげましょう。
安眠のためのスペース作り
ねんねスペースは赤ちゃんの生活の中心になります。お部屋の一角に専用の場所を確保してあげましょう。産院から退院、帰宅してからすぐに寝かせられるよう、出産前に、しっかりと整えておいてくださいね。
清潔に保てる場所を確保
ベビー布団、ベビーベッドのサイズが占める場所は、70×120センチとそれほど大きなスペースでなくても大丈夫です。ただし、赤ちゃんはほこりが大の苦手なので、風通しがよく、こまめにお掃除ができるような場所を選びましょう。直射日光やエアコンの風が、直接当たるような場所は避けてくださいね。昼間、ママやパパの目が届きやすいこと、おむつ替えや夜中の授乳がしやすいこともチェックポイントです。
ベッドと布団、どちらがいい?
ベビーベッドにしろ、ベビー布団にしろ、実際にお部屋に占める面積はほぼ同じです。寝かせる場所、パパやママとの就寝スタイルなどによって、ベビーベッドを導入するかどうか決めてください。ベビー布団は、ベビーベッドの内寸と同じなので、そのまま敷き込むことができます。ベッドは使用期間が短いので、レンタルする手もありますね。まずは、両方の特徴を比べて見ていきましょう。
※◎=長所、●=短所
布団 | ベッド |
---|---|
◎添い寝できるので夜中の授乳がラク | ◎立ったまま着替えやおむつ替えができる |
◎移動させるのが簡単 | ◎床から高さがあるので、ほこりや湿気がつきにくい |
◎部屋に圧迫感がない | ◎ベッド床の下のスペースに収納ができる |
●足音など振動が伝わりやすい | ●使わなくなったら邪魔になる |
●ほこりを吸いやすい | ●転落や、柵に頭をぶつけるのが心配 |
スペース作りに必要なものは?
赤ちゃんの快適な睡眠のために必要なものをリストアップしました。自分流のスペース作りには、どれが必要か、早めにチェックしておきましょう。
ベビー布団(必要度★★★)
赤ちゃん専用の布団、中でも固めのマットレスは必ず用意して。赤ちゃんの背骨の発達を促進するとともに、窒息を予防します。掛け布団、肌布団、マット、カバー、シーツなどがセットになった組み布団が、割安です。
シーツ、カバー(必要度★★★)
汗やおねしょでよごれがちなので、洗い替え用に、基本セット・プラス1組は用意しておきましょう。
おねしょシーツ(必要度★☆☆)
防水加工のシーツ。マットレスとシーツの間に敷きます。
ベビーベッド(必要度★★☆)
スペース確保に有効です。床板の高さを調節して、ベビーサークルとして使用できるタイプも。
ベッド用マットレス(必要度★☆☆)
組み布団のマットで代用可能。ベッド用のマットレスの厚さは倍以上あるのでお好みで。
温湿度計(必要度★★☆)
お部屋の冷えすぎ、暖めすぎ、さらに乾燥しすぎは要注意。高さによってエアコンの効きも異なるので、ベッドや布団の高さで、温度・湿度をチェック。
監修/昭和大学藤が丘病院小児科診療科長 池田裕一先生
update : 2022.01.26
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