赤ちゃんの肌着と服の基礎知識
ベビー肌着やベビー服は、かわいらしくて見ているだけでもママやパパになる喜びが湧いてくるのではないでしょうか? この小さな肌着や洋服、かわいいだけではなく、赤ちゃんの体や動きに合わせた工夫がいっぱいなのです。赤ちゃんの用の肌着やウェアにはどんな形や素材、特徴があるのか見ていきましょう。
監修者プロフィール
難波直子さん
NPO法人育児サポートdouce.理事長 兼代表助産師
助産師歴25年!のベテラン助産師 難波さん。
新型コロナウイルスの影響で対面での両親学級が中止となり、不安を抱えるママやパパに向けて妊娠中に聞いておきたい身体の変化や注意点、またおむつの替え方などを楽しく分かりやすくお届けします。
ムーニーサイトで大好評の「ムーニーちゃん学級」の講師を務めるほか、オリジナル両親学級も開催中です。
2019年第8回厚生労働省 健康寿命を伸ばそうアワード 団体部門 優良賞受賞。
ベビー肌着とは?どんな種類や特徴があるの?
小さな赤ちゃんを包む肌着。体温調節や汗取りがその主な役割です。
赤ちゃんは新陳代謝がさかんで汗もかきやすいうえに、授乳などでの汚れもつきやすいものです。こまめにお着替えをして、清潔な衣類で過ごしてもらいましょう。
新生児の肌着のタイプ
生後1ヶ月頃までの赤ちゃんは、1日のほとんどをベッドや布団で寝て過ごします。首も腰もすわらず、新米ママ&パパは慣れるまでは抱っこも一苦労。首がすわる前は不安定なため、ねんねしたままで脱ぎ着させたり、おむつ替えしたりできるよう、着物のように前を重ね合わせる「打ち合わせ式」のものが主流です。
短肌着(たんはだぎ)
基本になる定番の肌着。腰までの丈で、体にフィットし、汗を吸い取ります。
長肌着(ながはだぎ)
足先まで隠れる丈。生後1ヶ月くらいまでは短肌着と合わせて使ったり、その後は寝巻きとして使うこともできます。新生児期はとにかくおむつの交換が頻繁なので、おむつ替えの時もさっとめくるだけなので楽ですよ。
コンビ肌着
長肌着の変形タイプ。合わせの部分がひもではなくホックや、面ファスナータイプも販売されています。スナップボタンなどで裾が分かれているので、M字型に開いた赤ちゃんの足を、スボンのように裾から出すことができます。足の動きが活発になってきても、はだけません。
カバーオール型肌着
コンビ肌着よりも体にフィットする形。足の分かれたウェアのアンダーに着せるときに便利です。裾が長いので首から足まですっぽり覆うことができます。冬などの寒い時期にも適しています。
ボディスーツ型肌着
足のないパンツとシャツがつながっていて、股の部分をスナップボタンでとめるタイプの肌着です。裾が短いので暑い時期も活躍します。お腹を覆えるので下半身をよく動かすようになってもお腹の冷えが予防できます。真夏はウェア代わりにも。前開きや肩からかぶるクロスショルダー型、キャミソール型など、種類も豊富です。
新生児の肌着の特徴
生後まもない赤ちゃんは、骨格や関節が未発達。その一方で、新陳代謝が活発で、寝ているだけでも大量の汗をかきます。また、肌の表皮が大人の半分ほどの薄さのため刺激に弱いうえ、傷つきやすくとってもデリケート。そんな赤ちゃんを包む肌着には、さまざまな配慮と工夫が凝らされています。
衿ぐり
首もとは汗がたまりやすい場所。やさしくフィットするよう、パイピングが施され、ソフトな肌触りに。
打ち合わせ
着物のように前を合わせ、ひもや面ファスナーで止めます。すぐに大きくなる赤ちゃんの体に合わせられるよう、打ち合わせを深く取ってあります。
タグ・縫い目
タグや縫い目は表に。縫い代も袋縫いにするか、表に出してあります。これは縫い目やタグが直接赤ちゃんの肌に触れないための工夫。一見、裏表が逆に見えるので着せるときに間違えないよう気をつけてくださいね。
そで付け
腕を動かしやすいようそで回りはゆったり。迎え袖をしやすく、慣れない着せ替えもスムーズにできます。
ひも先
繰り返し洗濯してもほつれないよう、しっかりと縫い止めてあります。
新生児の肌着の素材
刺激に弱い赤ちゃんの肌を包む肌着は、ほとんどが綿100%。ただし、同じ綿素材でも、生地の織り方、編み方で、厚さや密度、肌触りが異なります。新生児の肌着で最も多いのがフライスというやや薄手のもの。年間を通して定番の素材です。その他、季節に合わせて、通気性のよいもの、保温効果の高いものなどを選んでいきましょう。
ベビー肌着・ベビー服の素材
素材 | 特徴 | |
---|---|---|
↑ ↑ 薄 手 |
ガーゼ | やわらかい平織り生地。目が粗いので通気性がよく乾きやすい素材。やや伸縮性に劣る。重ねると保温性もアップ。 |
天竺 | 平編み生地。薄手でサラっとした手触りで、大人用のTシャツなどでおなじみの素材。夏用の肌着やウェア向き。 | |
フライス | 伸縮性の高いリブ編み生地。やわらかな手触りで、肌着の定番。季節を問わない素材。ウェアとしては夏素材。 | |
厚 手 ↓ ↓ |
スムース | 両面リブ編み生地。肌着用としてはやや厚めで秋冬向き。やさしい手触りでウェアの定番素材。 |
パイル | タオル地。厚みがあり保温性が高いため、肌着用としては冬向きの素材。上に重ねて温度調節するアイテムやウェアに。 |
ベビー服(アウター)とは?どんな種類や特徴があるの?
種類もデザインも豊富なかわいいベビー服たち。でも、初めて目にする形やアイテムに、とまどうこともありますね。 まずは、ベビー服に関する基本的なことを知って出産準備や、お祝いのリクエストに役立てましょう。
ベビー服(アウター)のタイプ
生後2ヶ月頃までは、ほとんどお部屋の中で過ごしますが、首がすわってくるとお出かけの機会も増え、また6ヶ月頃からは動きもだんだん活発になってきます。こうした成長段階や、着る場面によって、便利なベビー服のタイプも変わってきます。
ベビードレス
すその広がったAラインのワンピース型。つま先まですっぽりとおおいます。生後1、2ヶ月頃まで。
カバーオール
すそが足の形に分かれた上下のつなぎタイプ。股のところも全開するので寝かせたままおむつ替えもOK。抱っこやチャイルドシートのベルトを止めたりするときも便利。タイツのように足先までおおうタイプも。
ツーウェイドレス
兼用ドレスともいいます。ボトム部分のスナップの止め方で、ドレス型にもカバーオール型にもなるので、ねんねの時期から6ヶ月頃まで着せられ、経済的です。
ボディスーツ
すそのないダルマ型のウェア。半袖やノースリーブのものもあり、真夏のお出かけ着に人気です。おなかの部分で開閉するラップアップ型というタイプもあります。
ベビー服(アウター)の特徴
肌着の上に重ねるベビー服。赤ちゃんの快適さとママやパパのお世話や抱っこのしやすさなどを追求して作られています。
衿元
傷つきやすい赤ちゃんの顔に当たらないよう、ひらひらの衿やレースなどはほとんど使われません。
ゆったりライン
ねんね中心の新生児期は、たっぷり余裕をとったゆったりライン。(ただし、インポートのウェアは比較的体にフィットするタイプが多いようです)
スナップ
ソフトなプラスチックなど、肌に触れても刺激にならない材質を使用。また、ツーウェイドレスは、ドレス・カバーオールの使い分けが一目で分かるよう、スナップの色で示しているものも。
ベビー服(アウター)の素材
アウター用のベビー服も肌着同様、綿100%が基本です。季節を問わず定番の素材はスムース。ほどよく厚みがあり、なめらかな肌触りです。洗濯しても縮んだりよれたりしにくいのも嬉しい点。季節や気温に合わせて、素材もチェックしましょう。
一年を通して | スムース |
春・秋向きの素材 | スムース、フライス |
夏向きの素材 | フライス、天竺、ガーゼ、楊柳(※) |
冬向きの素材 | スムース、パイル、キルト(※)、ニット(※) |
- ※楊柳(ようりゅう)…ちりめんじわのつけられたもの。肌につきにくく、サラッとした感触。
- ※キルト…中綿入り。ジャンプスーツ、おくるみ、ベストなどに。
- ※ニット…綿、毛の編み地。ベストやケープなどに。
監修/NPO法人育児サポートdouce.理事長 兼助産師 難波直子さん
update : 2022.07.27
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