生後1ヶ月の成長発達「人生最大の大食い期、ここがすごい!」
いかにも頼りなげな小さな赤ちゃん。でも、じつはいまこそ人生最大の大食い期だって、知ってました? たった1年で体重3倍以上、身長1.5倍という、驚異の成長を遂げるための旺盛な食欲。赤ちゃんにみなぎる力強いパワーをもう一度発見して、かみしめて、味わって、感動! 子どもの体と心の発達研究の第一人者、榊原洋一先生の解説付きです。
監修者プロフィール
榊原洋一先生
お茶の水女子大学名誉教授
医学博士。1976年東京大学医学部卒業後、ワシントン大学小児神経研究部、東京大学医学部附属病院小児科などを経て、お茶の水女子大学理事・副学長に。2017年より現職。「子ども学」の研究所「チャイルド・リサーチ・ネット」所長、日本子ども学会副理事長。専門は小児神経学、発達小児科学、特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。今後の活動について、「発達障害には様々な誤解があるので正しい理解を広げていきたい」と語る。『オムツをしたサル』『アスペルガー症候群と学習障害』など、著書多数。
大食い選手権で優勝だ!
ママの指 パパの指
ばぁばの指 じぃじの指
知らないおねぇさんの指……
だれの指でも ぼくの口元に触れたら
すぐに ちゅばっ! と吸い付くよ
本能で ちゅぱっ!
おっぱいかなと思って ちゅぱっ!
ぼくは 生まれながらの
食いしん坊
むぐんむぐん おっぱい飲むよ
むぐんむぐん ミルクも飲むよ
なにせ1年で3倍も
体重を増やさなくちゃいけないんだ
身長だって1.5倍だよ
今が人生最大の成長期
たくさんの栄養が必要なのだ
今が人生最大の大食い期ってわけ
だから むぐんむぐん
1日何度も飲むよ
おっぱい ミルク
だから泣くんだ
おっぱい ミルクちょうだいって
ママもパパもしばらくたいへんだけど
食いしん坊は
必ず大きくなるから
我が家の大食い選手権金メダリストを
どうか ひとつよろしくお願いします
Dr.サカキハラ「人生最大の大食い期、ここがすごい!」
生まれた直後に比べれば、赤ちゃんはおっぱいを飲むのも上手になってきました。でも、3~4時間置きのおっぱい・ミルクにママもパパもヘトヘトかもしれません。でも、いまがピーク。徐々に飲む間隔も空いてきます。
頻繁におっぱい・ミルクを飲むのは、「赤ちゃんの胃袋が小さいから」と、言われてきました。でも、この解釈はちょっと違います。この時期の赤ちゃんは、「人生で最大の大食い期」だからなのです。
原始反射のひとつである、おっぱいに反射的に吸い付いて栄養を取りに行く能力も、この大食い期を支えています。
え、そんなに大食い? と思うかもしれませんが、体重1kg当たりのカロリー摂取量を比べてみれば納得するでしょう。
大人は、年齢や性別、活動量によっても違いますが、体重1kg当たり1日40~50kcalを摂取しています。一方、体重3kgの赤ちゃんは1日約500cc、体重4kgで500~600ccの母乳かミルクを飲みます。母乳でもミルクでも1cc当たり1kcalですから、これを体重1kg当たりで換算すると、だいたい150kcalほどになります。
大人40~50kcal、赤ちゃん150kcal。赤ちゃんは大人の約3倍のカロリーを摂っているのです。間違いなく大食いでしょう?
大人は摂ったカロリーの大部分を、筋肉や脳を働かせたり、体温を保ったり、呼吸するためのエネルギーに使っています。赤ちゃんは、そのことをしつつ、なおかつ同時に体を大きくする必要がある。だからたくさんのカロリーが必要なのです。
その結果、1年後に体重は約10kg。生まれたときの3倍にもなるのです。身長も75cm。1年間で25cmも伸びるのですよ。思春期だって10cmとか12cmですから、比べ物になりません。
この人生最大の成長を支える栄養源が、母乳とミルクなのです。その母乳とミルクをつくるママとパパは、だからこそ元気でないといけません。疲れたな、と思ったら、いえ疲れる前に、毎日の元気を保つために、どうぞまわりの協力とサポートを積極的に利用して受け入れて、多くの人の手を借りて育児をしていきましょう。まだまだ続く赤ちゃんの大食い期を支えていきましょう。
update : 2017.09.04
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