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妊活におすすめ!カンタンにできる運動

赤ちゃんが欲しいな、そう思ったら、まずは体づくりをスタート。妊活には、どんな運動をすればいいのでしょう? 激しいスポーツは妊娠したら影響があるかもしれないし、続けるにはラクにできることもポイント。ウォーキング、ストレッチ、それともヨガ? 迷える妊活女子のために、妊活のプロ、高橋ウイメンズクリニック院長・高橋敬一先生にお話を聞いてきました。

監修者プロフィール

高橋敬一先生

高橋ウイメンズクリニック(千葉県千葉市)院長
国立金沢大学医学部卒業。虎の門病院、ワシントン大学留学などを経て、1999年に千葉市初の不妊治療専門クリニックを開業。医師の十分な説明を受けたうえで患者自身が治療を選択する「インフォームド・セレクション(説明と選択)」を方針とし、これまで1万3000人以上を妊娠に導く。

妊活のための運動は、卵巣の血流アップが目的

卵巣の血流アップで、いい卵子が育つ

「妊活中に運動をする最大の目的は、血流の改善です。それも卵巣の血流をよくすることが大事なのです。それができれば、運動の方法はどんなものでもかまいません」というのは、高橋ウイメンズクリニック院長、高橋敬一先生。

卵巣というと、卵子があって排卵するところ。そこの血流が、なぜ大事なのでしょうか?

「血液には多くの栄養分が含まれています。妊娠中、胎児への栄養はおもに血液によって運ばれることからも、それがわかると思います。女性の卵巣には、生まれたときから卵子の元が眠っています。それが育って毎月排卵するわけですが、質のよい卵子が排卵するには、卵巣をいい状態にしておくことが重要です。“卵巣の血流がよい”ということは、卵巣に栄養が行き届いて、いい卵子が育ち、いい排卵につながるのです」

子宮内膜にも影響して、着床環境がアップ

卵巣の状態がよければ、妊娠に影響するホルモンにも、よい影響を与えるといいます。

「たとえば、排卵の後には、黄体ホルモンの影響で子宮内膜が成熟して厚くなっていきます。子宮内膜にはごく細かい血管が張り巡らされているので、血流がよくなると内膜が厚くなって、受精卵にとってはふかふかのベッドのような、着床に適した状態になるのです」

また、「卵巣の血流がよいほうが、不妊治療で使う排卵誘発剤などの薬の反応がいい」と高橋先生。

なるほど! やはり卵巣や子宮の血流は、とても大事なのですね!

全身の血流をよくすることが卵巣の血流をアップする

とはいえ、卵巣の血流をよくしようと思っても、おなかの中のどのあたりが卵巣なのかわからないし、そもそも卵巣の血流がよくなったのかどうか、感じることはできないですよね…。

「そうですね。そこで、『全身の血流がよい』イコール『卵巣の血流もよい』と考えるのです。手足が冷たくなるのは、体の末端の血流が低下しているということ。全身がポカポカする、体のすみずみまであたたかいということは、骨盤に守られた下腹部にある卵巣にも、血液がちゃんと流れていると考えられるのです」

血流が改善したと感じるポイントは、「全身ポカポカ」ですね!

「全身ポカポカ」を目安に、1日何度でも

では、「全身ポカポカ」のために、どんな運動をしたらいいですか?

「ウォーキング、ストレッチ、ヨガ……もちろんOKです。スポーツやダンスなども含め、今やっている人は、ぜひ続けましょう。特別なことを始める必要はありません。階段の上り下りや早歩き、ラジオ体操など、無理なく毎日続けられることが、おすすめです」

運動しても、時間が経つと血流は低下して、やがて手足から冷えてしまいます。特別な運動だと、すぐにまた行うのがむずかしいもの。冷えを感じたら(もちろん、その前でも!)、何度でも、こまめに体を動かせる運動がいい、と高橋先生。

1回3~5分、1日に何度も、こまめに動く

体を動かして効果がある目安は、「心拍数が上がること」。

「早歩きなど、心拍数が少し上昇する程度の運動でいいのです。1回3~5分、1日に何度でもやりましょう。短い時間でも、『体がポカポカしてきた』と感じれば、血流がよくなった証拠です。
妊娠がわかるまでは、特に気にせずにどんどんやってください」と高橋先生。

毎日の生活にちょっとだけ変化を

「ちょっとコンビニまで」をポカポカタイムに

具体的には、どんな感じでやればいいでしょうか?

「たとえば、いつものコンビニまで早歩きで行ってみる。自宅にいるなら、“5分で掃除をしよう”と決めて、てきぱきと動き回る。立ったりしゃがんだりなど、わざと体を使って家事をするなど、ちょこちょこ動けばいいのです」

なんだか、できそうな気がしてきました。

通勤や散歩も、歩き方次第で効果的な運動に

通勤や散歩ならば、「いつものペースで歩いたあと、2~3分間早歩きをして元のペースに戻る。これを何度か繰り返すのもおすすめ」(高橋先生)

できるだけ階段を使う、階段を駆け上がる、電車では吊革をつかみながらつま先立ちをする……などなど、できることはいろいろあります。いつもの生活を変えることなく、体の動かし方で血流アップをはかる。これなら、お金も時間もかからず、すぐにできますね!

習慣化すれば、続けやすい

「とにかく続けることが大事なので、特別な準備がいらず、無理なくできるように工夫しましょう」

例えば、テレビのCMタイムに腹筋をする、歯磨きする前後にスクワット、食事の前に相撲の四股ふみ……というように、生活の中で毎日やることとリンクするのもよさそうです。

男女とも不妊の基本検査をしておこう

妊活というと、つい「特別なことを何か始めてなくては」と考えがちですが、いつもの生活で体の動かし方をちょっと変えるだけで運動になり、妊活になるんですね。びっくりです。

「妊活を難しく考えることはありません。ただし、女性はちゃんと排卵があるか、卵管が詰まっていないか、男性は精子に問題がないか、調べておくことは必要です」

卵巣をしっかりあたためても、もしもその他にトラブルがあったら、妊娠・出産が遠回りになりかねません。男女とも妊娠できる状態なのかを検査をしておきましょう。

「それから、性生活(セックス)を、たくさん持つことが大事ですよ」と、高橋先生。

セックスの回数と妊娠率には大きな関係があるといいます。性交渉の回数が多いほど、妊娠率が高くなるというデータは、複数あるそうです。

「排卵日だけにこだわらず、日頃から自由に性交渉を持って、排卵日が近くなったら、できるだけ毎日か1日おきに関係を持つようにするといいですね」

今すぐできる妊活ワザが、たくさん! さあ、今日から始めてみましょう。

高橋先生監修『妊活のプロが伝授する、子づくりのコツ』も、ぜひチェック!

取材協力:高橋ウイメンズクリニック(千葉県千葉市)

update : 2017.05.29

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