食事で妊活!食べ物と食べ方で妊娠体質に変わる!
赤ちゃんが好きな場所――。それは、安全で安心できるところ。成長するのに充分な栄養があるところ。そう、赤ちゃんがやってくるためには、赤ちゃんにとって居心地のいい健康な体、環境が必要なのです。ところが、なんと「今の日本人女性の多くが栄養不足!」だというのです。いったいなぜ? 必要な栄養素は、どう摂ればいいの? 自らの不妊を栄養改善で克服し、2児を授かった栄養カウンセラー・定真理子先生のお話です。
監修者プロフィール
定 真理子(じょう まりこ)先生
NPO法人分子整合栄養医学協会
分子整合栄養管理士
栄養療法で不妊症を克服し、二児の母に。以後、栄養療法カウンセラーとして活動し、35歳以上の女性約200人を母子ともに健康な出産へと導く。『赤ちゃんがほしい人のための栄養レシピ』(池田書店)、『卵子の老化に負けない「妊娠体質」に変わる栄養セラピー』(青春出版社)ほか、著書多数。
栄養足りてる?
あなたの食事をチェック
毎日、どんな食事をしていますか? 「食事に気をつけている」という人も、「自信ない…」という人も、まずは、下記をチェックしてみてください。
- 朝食はめんどうだから、食べない
- 朝は時間がないので、トースト1枚だけ
- 美容と健康のため、朝はフルーツだけ
- お菓子を食べたいから、ご飯は少なめ
- お昼は、コンビニのパンか、おにぎりか、カップ麺
- お肉は太るから週に1回だけ
- ヘルシーな野菜を中心に食べている
どうでしょう? 思いあたることはありますか?
もし、こんな食生活をしていたら……、あなたの栄養はまったく足りていません。栄養は妊活の基礎。栄養不足の体に、赤ちゃんは安心してやってくることができません。
まずは、科学的に正しい栄養の知識を持ちましょう。食べ物こそが、細胞のひとつひとつを作る材料であり、母子の命を維持し、育てるエネルギーとなるのですから。
たんぱく質で、妊活。 妊娠体質になる!
正しい栄養とは? 妊娠体質に変わっていくための食べ物とは何か? まっさきに大切なのは、「たんぱく質」です。なぜなら、私たちの体は、たんぱく質でできているからです。血液も肉も、骨も内臓も、皮膚も筋肉も、歯、髪、爪も……、はてはホルモンや酵素までもが、たんぱく質を原料に作られています。たんぱく質なしに、私たちは生命を維持することはできないし、健康になることもできません。ましてや、たくさんのたんぱく質を必要とする新しい命を育てることなんて——。この命の大もとの材料であるたんぱく質が、多くの女性に足りていないのです。
たんぱく質をたくさん含んでいる食べ物は、肉、魚、大豆、大豆製品(お豆腐、納豆…)、牛乳、チーズ…です。
毎食、手のひら2つ分のたんぱく質が必要!
1日3回、毎食、これだけのたんぱく質が必要なのだ!
これらをどのくらい食べるとじゅうぶんな量になるのか、というと、それは1回の食事で手のひら2つ分のボリュウムです。手のひら1つ分は、「肉や魚ならそれぞれ100g」。「卵なら1~2個」、「大豆製品なら、豆腐半丁+納豆100g」です。
これを1食に2つずつ組み合わせて、食べましょう。まとめてドカ食いをしてもダメですよ。たんぱく質は体内に貯蓄できないからです。1日3食、毎回食べてください。
さらに、妊娠には、充分な鉄やカルシウム、ビタミン、ミネラルも必要です。こうした栄養素も、たんぱく質に多く含まれていますから、できるだけいろいろな種類、いろいろな部位のたんぱく質を食べてください。今日豚肉だったら、明日は鶏肉か牛肉に。今日マグロだったら、明日はアジ、あさっては白身魚…というように。
たんぱく質だからといって、植物性のお豆腐や納豆だけ、で満足してもいけません。植物性たんぱく質は、動物性といっしょにとることで、効率よく体に吸収されるのです。
たんぱく質を多く含む食品
- 肉
豚、牛、鶏、羊、かも肉… - 魚
アジ、イワシ、ブリ、マグロ、サンマ、サケ、サバ、タイ、タラ、ヒラメ、スズキ、イカ、エビ… - 豆・豆製品
大豆、豆腐、納豆、いんげん豆、そら豆、枝豆、練りゴマ、アーモンド… - 卵・乳製品
卵、チーズ、ヨーグルト、牛乳
ごはん、パン、パスタは 控えめに
たんぱく質をたっぷり食べる一方で、控えたいのは糖質です。甘いお菓子、ジュースだけでなく、白米やパン、麺類などの炭水化物も糖質です。糖質は、エネルギー源として必要ですが、必要以上にとり過ぎると、脂肪として蓄積されてしまいます。妊娠には、肥満も痩せもよくないのです。
食物繊維→たんぱく質→糖質、の順に食べる
糖質をできるだけ控えたい理由は、もうひとつ。血糖値の急上昇を避けたいからです。血糖値が急上昇すると、すい臓はインスリンホルモンを分泌して正常な価に戻そうとします。これが度重なると、すい臓はお疲れモード。インスリン分泌が過剰になり、その結果、他の妊娠系のホルモンにまで影響を与えてバランスを乱し、排卵障害や子宮内膜症を起こすことがあるのです。
ですから、甘いものや炭水化物は、控えめにしてほしいのです。そして、血糖値が急上昇しないように、食べる順番にも気をつけてほしいのです。
いちばん最初に食べるのは、味噌汁やスープ、野菜サラダです。野菜や海藻などに含まれる食物繊維には、血糖の吸収をゆるやかにする働きがあるのです。その次に、たんぱく質である肉や魚をしっかり食べましょう。最後に、ごはんやパン。
この順番でいただくと、ごはんやパンは、自然と少量で満足できるようになってきます。また白いお米ではなく、糖質が吸収されるスピードが遅い、玄米や全粒粉のパン・パスタ、そばなど、茶色いものを選んで食べるようにしましょう。
外食でも妊活メニューを チョイス!
今日から始める妊活メニュー。最後にもう一度、おさらいです。
朝ごはんは、「食べない」「菓子パンとコーヒー」をやめて、チーズトーストとゆで卵、ヨーグルトに。和食なら、青菜や豆腐の味噌汁に、サケ、納豆、生卵をチョイス。
手作りしないからムリ、とあきらめないで! 外食でもメニューの選び方しだい。今日はパスタにしようか、ラーメンにしようか…? と迷うのではなく、肉にしようか魚にしようか、と考えるクセをつけてくださいね。タンパク質メインのメニュー選びがポイントです。
コンビニ
ゆで卵、温泉卵、冷奴、枝豆、おでん(卵、厚揚げなど)、豚、牛、鶏肉の塩焼き、焼き魚。蒸し鶏のサラダ…
デパ地下
刺身、焼き魚、焼き鳥(塩)、ローストビーフ、魚介のマリネ、イカやホタテのボイル、豆類、サラダ…
ファミレス
チキンソテー、ハンバーグ、焼き魚、豆腐とじゃこのサラダ、海草サラダ…
定食屋
魚の塩焼き、刺身、唐揚げ(衣が厚いときは、はがす)、肉野菜炒め、卵ときくらげの炒め物、レバニラ、ニラ玉…。サイドメニューがあれば、冷奴や卵、納豆もプラス。
ひと口、ひと口、よく味わいながら、ゆっくりしっかり噛んで食べてくださいね。赤ちゃんがやってきたい体になるために。細胞のひとつひとつを生き生きとしたものに生まれ変わらせるために——。
参考文献
『赤ちゃんがほしい人のための栄養レシピ』(池田書店)
『35歳からの栄養セラピー 妊娠体質に変わる食べ方があった』(青春出版社)
『妊娠体質に変わる食事』(青春出版社)
update : 2020.05.12
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