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子宮頸管の長さは?短いとどうなるの?

お産のときに産道となる「子宮頸管」は、女性の体の変化に対応して、さまざまな役割を果たす重要な臓器のひとつです。しかし、実際、子宮のどこにあるのか? また、子宮頸管の長さがお産にどのような影響を及ぼすのか? わかりにくい部分もあります。早産につながりかねない事態を防ぐためにも、しっかり理解しておきましょう。昭和大学江東豊洲病院の周産期センター長・大槻克文先生に詳しく解説いただきました。

監修者プロフィール

大槻克文先生
昭和大学江東豊洲病院

周産期センター長・婦人科診療責任者兼務

昭和大学医学部卒業後、昭和大学医学部産婦人科学教室医局長などを経て、2014年開院の昭和大学江東豊洲病院にて現職。開院4年で約2000人の診療、診察指導に携わり、治療法の研究なども行う。

子宮頸管(しきゅうけいかん)とは?

「子宮頸管」とは、子宮の下の方にある、赤ちゃんがいる子宮から腔につながる筒状の部分をいいます。ママの体型や子宮の大きさなど個人差はありますが、一般的な子宮頸管の長さは35~40mm。しかし、さまざまな理由で子宮頸管が短い、あるいは、子宮頸管がほとんどない場合もあります。

子宮頸管の役割

子宮頸管は女性の体の状態に応じてさまざまな役割を果たしています。

外から細菌が侵入するのを防ぐ

子宮頸管は他の臓器に比べて外から雑菌が侵入しやすい構造となっているため、基本的に内部を酸性に保つことで細菌の侵入を防いでいます。

精子を子宮に招き入れる

通常は酸性に保ち雑菌の侵入を防いでいますが、排卵期になるとアルカリ性に変わり、性交渉により侵入した精子を子宮内に招き入れやすい状態にして妊娠が成立するように助けています。

赤ちゃんが子宮外に出るのを防ぐ

通常、妊娠中は赤ちゃんの体が十分に成熟するまで子宮口を固く閉じて、赤ちゃんが子宮の外に出ないように防いでいます。

お産のときは産道として機能する

妊娠中は閉じていますがお産になると産道としての役割を担います。ホルモンの作用により腟とともにやわらかく伸びやすくなり、赤ちゃんが通りやすい状態をつくります。

子宮頸管が短いとどうなるの?

子宮頸管が短くなる主な原因の一つは、細菌感染による炎症です。妊娠中の母体は赤ちゃんを異物と見なして拒絶反応が起こるのを防ぐために、免疫力が寛容になります。そのため、さまざまな雑菌が侵入しやすい状態となるので細菌性腟炎などの炎症を起こしやすくなっています。そのまま細菌が増殖して、炎症が子宮頸管に沿って進むと、「子宮頸管炎」が起こり、さらにその炎症が、赤ちゃんを包む卵膜にまで進むと「絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)」になります。その結果、子宮頸管が短く、やわらかくなることで早産のリスクが高くなります。

子宮頸管炎

頸管粘膜に起こる炎症です。多くの場合、腟炎などから性感染で広がります。原因となる細菌は多様で、性行為により感染するクラミジアやトリコモナス、ヘルペスによるものなどもあります。

絨毛膜羊膜炎

卵膜に起こる炎症で、絨毛膜と羊膜に細菌が感染して起こります。原因となる細菌は常在菌がほとんどです。

子宮頸管無力症と診断される目安は?

診断の目安は赤ちゃんが産まれてくるには早い時期である時期に、子宮頸管の長さが25mmを切っているかどうかです。子宮頸管長の短縮は15~16週前後から認められることがあります。つまり、子宮口がまだ閉じていなければならない時期になんの前触れもなく、子宮収縮などの自覚症状もないまま、突然、子宮口が開いてしまう「子宮頸管無力症」という病気です。そのままにしておくと早産・流産の恐れもあります。この状態を見つけることが重要な時期は、赤ちゃんが特に未熟な妊娠16~28週です。子宮頸管長の短縮のはっきりとした原因はわかっていませんが、生まれつき子宮頸管の筋肉組織が弱いことや子宮頸管の感染などが原因ではないかと考えられています。また、おなかの張りや出血など早産の兆候が表れ、「切迫早産」と診断されることもあります。妊娠22週未満の段階でおなかの張りや出血がある場合は「切迫流産」と診断されます。

子宮頸管の測り方は?

子宮頸管の子宮内宮腔につながるほうを内子宮口、腟につながるほうを外子宮口といいます。子宮頸管長は、内子宮口から外子宮口までの部分を指すので、この長さを測定します。測定する前に、膀胱に尿がたまっていると膀胱が子宮収縮を圧迫するために正しい数値を測ることができません。まず、トイレで尿を排出し膀胱を空の状態にしてから行います。次に内診をして経腟超音波検査を行います。このとき、正しい数値を確認するため計測時に妊婦さんに踏ん張ってもらったり子宮の上を軽く押します。計測する時期は施設により異なりますが、早産に関してローリスクの人であれば、最初は妊娠16週以降から20週ぐらいの間に測定します。その後、子宮頸管長が短縮傾向にある人は早めに再検査を行うことがあります。ちなみに当院では全ての妊婦さんに対して16週前後と20週前後の2回は子宮頸管長を確認しています。

子宮頸管の治療って可能なの?

安静にする

子宮頸管を測定するときは、子宮および子宮頸管に細菌感染による炎症があるか否かも確認します。炎症が起きている場合は、洗浄や抗生物質を使い治療を行うとともに、安静にすることが重要です。感染や炎症はないが子宮頸管が短く広い意味での「切迫早産」のリスクが高いと診断された場合も安静にすることが一番大切です。おなかが張るときは子宮収縮抑制剤を服用します。あるいは、点滴が行われることもあります。母体の状態により自宅安静でもよい場合と入院安静が必要な場合があります。

自宅安静

おなかの張りや出血がそれほど重症でなく、おなかが張っても横になると治まるとき。症状が軽症で上の子や家族の面倒を見てくれる人がいない、子宮収縮の長さに余裕がある場合は自宅安静が指示されます。家事はできるだけ控えて食事、洗面、トイレ以外は横になって休みます。

入院安静

おなかの張りが続き少量でも出血が続いている。点滴などの投薬や時間を追って継続的な観察や治療が必要な場合、また、上の子が小さく手がかかるため自宅安静が難しい場合は、入院安静となります。症状が改善されれば自宅安静になることもあります。

子宮口を縛る手術を行う

炎症が起きていた場合は炎症が完治したことを確認した後、再度、子宮頸管長を測定します。子宮頸管が25mmを切るなど早産につながるリスクが高いと診断された人や、子宮頸管無力症の人は、早めに子宮口を縛る「子宮頸管縫縮術(しきゅうけいかんほうしゅくじゅつ)」を行います。手術法には下記の3種類があります。

マクドナルド法

子宮頸管の内部を外から糸が見えるように巾着袋のように縫います。二重に縛るWマック法もあります。産道の出口となる子宮から遠い位置にある外子宮口付近を縛るため、比較的、容易に行えます。

シロッカー法

子宮頸管の粘膜の下に糸を1周させて縛ります。産道の入り口となる子宮からより近い位置にある内子宮口付近を縛るため比較的、確実性が高い縫い方です。

腹膜開放式

仙骨子宮靱帯(子宮を後ろから支える靭帯)の上の方から膀胱子宮靱帯の上の方へ糸を引っかけて、子宮峡部(しきゅうきょうぶ/子宮と膀胱の間のくぼみ)付近で縫います。

もともと子宮頸管が短い場合や前回の妊娠で子宮頸管無力症が原因で流産した場合などは特に手術が有効です。

前回の妊娠で子宮頸管無力症のため流産や早産となった経験がある場合は、妊娠14~16週ごろまでに、子宮頸管縫縮術を行うこともあります。手術の方法や時期は、子宮頸管の長さや状態を診察して医師が決定します。手術そのものが赤ちゃんに影響を与えることはないので安心してください。どの手術法でも、赤ちゃんが成熟する37週前後まで待ってから抜糸します。その後は、通常と同じようにお産が始まるのを待ちます。なお、帝王切開で分娩の人は帝王切開の際に抜糸します。

最近の研究では、頸管や腟に炎症がある場合は喉をうがいするのと同じように、炎症がある部分を洗浄することが有効ではないかという意見もあります。

子宮頸管縫縮術の治療後、どう過ごせば良い?

子宮頸管縫縮術の後は感染対策として抗生剤を使います。施設によって異なりますが子宮頸管縫縮術を行った後は、だいたい1週間程度入院した後、退院となります。

自宅では普通に日常生活を送ることはできますが、できるだけ体を動かすことは控えましょう。近所への買い物程度であれば大丈夫ですが、重い荷物は持たないように注意してください。入浴は出血がなければ浴槽につかっても構いませんが、熱いお湯に長時間入るのは疲れるので控えること。また、性行為により子宮収縮や子宮内感染を引き起こし早産になることもあるので性行為は避けましょう。

「子宮頸管縫縮術の前と同じように家事などで疲れを感じておなかが張るときは、横になって安静にしましょう。赤ちゃんが早産で生まれると体の機能が未熟なことが多く、感染症や合併症にかかるリスクが高くなります。お母さんは早産の予防を心がけてできるだけ正期産で産むように努めることが大切です」。

「子宮頸管」は、お産のときに産道となる重要な臓器のひとつです。子宮頸管の長さやその状態によっては、流産・早産につながる可能性もあるため、妊娠中は注意深く観察する必要があります。子宮頸管が短い、細菌感染を起こしている場合には安静処置や子宮頸管縫縮術などを行います。特に「子宮頸管無力症」の場合は、自覚症状がないまま、破水や出血が起こることがあるので注意が必要です。原因については、まだはっきりと解明されていないので、状態をみながら早い段階で適切な処置を行うことで、流産・早産を防ぐこともできます。安静の指示が出た場合は、必ず医師の指示に従いましょう。

監修/大槻克文先生

update : 2018.05.09

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