妊娠超初期?思い込み?症状や見分け方を解説
子どもがほしくて心の準備をしていても、初めての妊娠の場合、何が妊娠のサインかもわからないものですね。 一番気づきやすいのは生理が予定通りこないこと。でも生理の周期が不安定な人もいるので、さまざまな妊娠初期のサインを知っておきましょう。妊娠への思いが強いことで想像妊娠(思い込み妊娠、偽妊娠)が起こる人もいます。妊娠超初期と思い込み妊娠の見分け方をしっておきましょう。便利な妊娠検査薬も用意しておくとよいですね。
監修者プロフィール
井上裕子先生
井上レディースクリニック 理事長・院長
医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、母体保護法指定医師。
診療のかたわら、思春期から更年期の様々な女性に対しての講演活動、また、雑誌などに、出演、監修、執筆するなど多方面で活躍。
著書に「産婦人科の診療室から」(小学館)、「元気になるこころとからだ」(池田書店)など。
現在は、NPO法人マザーシップ 代表を兼務。
妊娠した?それとも思い込み?
妊娠を待ち望んでいるときに、生理予定日に生理が来ないことで「妊娠したかも!?」と思う人は多いかもしれません。期待であれ不安であれ妊娠について考えることが多いときに、妊娠していなくても妊娠初期症状に似た症状が現れることがあります。その思い込みによる妊娠に似た症状を起こすことが想像妊娠と呼ばれていますが、医学的には偽妊娠と言います。
想像妊娠(思い込みの妊娠)とは?
想像妊娠(偽妊娠)のメカニズムははっきりとは解明されていません。しかし、妊娠を強く望んでいたり、逆に絶対に妊娠したくないと考えるなど、妊娠に対する強い思いがストレスとなって、ホルモンバランスが崩れたり、自律神経が乱れることで、あたかも妊娠していると感じるように妊娠初期と似たような症状が体に表れると考えられています。
しかし実際には妊娠していないため、生理予定日より1週間過ぎた後に妊娠検査薬を使っても陰性判定となりますし、産院で診察しても超音波検査で胎児の確認はできません。こうした科学的な事実を受け入れると、それまで現れていた妊娠初期と似た症状が一気に消えていき、想像妊娠は解消されていきます。
想像妊娠の症状
想像妊娠の症状は次のように妊娠超初期と似た症状が現れます。
・生理が来ない
女性の月経はとてもデリケートなので、ストレスなどでホルモンバランスが崩れると生理予定日に生理が来ず遅れることは珍しいことではありません。想像妊娠した人はこれを妊娠の兆しと思い込んでしまうのです。
・吐き気をもよおす
食欲がなかったり、胃がむかむかして吐き気があるなど、つわりのような症状が現れることがあります。妊娠を強く望むストレスからホルモンバランスが崩れていることが原因と考えられます。
・おりものに少量の血が混ざる
妊娠初期症状のひとつである着床出血のように、おりものに少量の血が混ざる症状が現れることがあります。生理前にも少量の出血をする場合もあるので、これを着床出血と勘違いすることがあります。
・体温が高く熱っぽい
妊娠すると高温期が続きますが、想像妊娠でも本来は高温期ではないのに顔がほてったり熱っぽさやだるさを感じることがあります。
想像妊娠しやすい人の特徴
前述のように、想像妊娠しやすい人は、妊娠について常に考えている人が多いようです。
・妊娠を待ち望んでいる人
自身が早く赤ちゃんが欲しくて妊娠を望んでいたり、親族などからの期待で早く妊娠しなければと常に思っていることで、ホルモンバランスが崩れて妊娠初期のような症状が体に表れることがあります。
・妊娠への不安がある人
逆に、妊娠したくない気持ちが強かったり、妊娠をまだ望んでいないのに性交時に避妊に失敗した怖れがあると考えるストレスが原因で、想像妊娠する人もいます。
妊娠超初期と想像妊娠の見分け方
妊娠超初期症状と想像妊娠では似たような症状があるものの、実際に妊娠しているとより多くの症状が現れます。基礎体温をつけたり生理周期を正確に把握したりしている人は、妊娠をより見分けやすいですが、以下の中で上記の想像妊娠の症状以外にも当てはまるものが多いかを確認してみましょう。
妊娠のサイン-1 生理(月経)周期を把握している人
生理周期が正確な人や基礎体温をつけている人は、妊娠のサインをキャッチしやすいと言えます。
月経が遅れている(止まる)
月経周期が正確な人の場合、予定日よりも1週間すぎても月経が来なかったら、ほぼ妊娠と考えられるでしょう。
でも、女性の体はとってもデリケート。普段は正確でも、環境の変化や精神的なストレスやショックなどで月経が遅れたり止まったりすることもあります。そのような要因がなかったかを振り返りながら、以下で紹介する他のサインにも目を向けて見ましょう。
基礎体温の高温期が続く
妊娠を望んでいる人や、体調管理のために基礎体温をつけている人もいらっしゃるかと思います。通常は月経予定日に体温が下がりますが、妊娠すると体温が下がらず高温期が続きます。継続的に基礎体温をつけていて、高温期(排卵日以降の約2週間)と低温期(月経予定日から排卵日までの約2週間)がはっきりわかっている人の場合、通常約2週間のはずの高温期が3週間すぎても続くようなら妊娠の可能性が高いでしょう。
もちろんこの時期に、風邪などの原因で発熱しているようなら話は別です。
妊娠のサイン-2 生理(月経)周期を把握してない人(不安定な人など)
月経周期が不安定な場合、月経が来ない状態で下記の徴候が見られたら、妊娠の可能性を考えて産婦人科に行ってみるか、妊娠検査薬を試してみましょう。
胃や胸がむかむかする(つわり)
早い人だと月経が少し遅れた状態で、胃や胸がむかむかする、いわゆる「つわり」の症状があらわれることがあります。吐き気をもよおしたり、食べ物のにおいが気になるなど、症状は人によって異なります。
乳首が敏感になる
乳首や乳頭が敏感になり、下着や衣服に触れるとチクチク違和感を覚えることがあります。
トイレが近くなる
妊娠すると子宮がそれまでより大きくなるため、膀胱を圧迫しトイレ(尿)が近くなることがあります。また、同じ原因で、便秘になることもあります。
肌荒れ
妊娠によるホルモンバランスの変化で、肌が荒れたり、メラニン色素が増えるため、シミ・そばかすが目立ってきたり、乳首が黒ずんだりすることがあります。
熱っぽい
基礎体温の高温期が長く続いているため、「風邪かな?」と熱っぽく感じることがあります。
おりものが増える
ホルモンの影響で膣の分泌物が増えるため、おりものの量が増えます。この場合のおりものは乳白色で粘りがありますが、においは強くありません。
体がだるくなったりイライラする
ホルモン環境の変化により、なんとなく体がだるくてやる気がなくなったり、情緒不安定になってイライラしたり、わけもなく泣きたい気分になったりすることがあります。
妊娠検査薬で確認してみましょう
本当に妊娠したか想像妊娠なのか確実に判定できるのは、産院で検査してもらうこと。でも、これまで産婦人科に行った経験のない人が、確信がない状態で産婦人科へ行くのは勇気がいることですね。妊娠したら誰でも行く場所ですし、専門医の診断が最も確実ですが、その前に手軽に調べられるのが市販の妊娠検査薬です。
妊娠検査薬のしくみ
妊娠すると胎盤のもととなる胎盤絨毛細胞からヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(human Chorionic Gonadotropin;hCG)が尿の中に大量に分泌されるようになります。そのしくみを利用して作られたものです。
妊娠検査薬のタイプ
妊娠検査薬は薬局で入手できます。
いずれも試薬がスティックなどに含まれているもので、尿をかける、あるいは尿をためた容器につけて判定します。 判定の仕方は、色の変化で陽性かどうかわかるもの、デジタル表示ではっきりと「+(陽性)」か「-(陰性)」かがわかるものがあります。
また、多くのタイプが月経予定日の1週間後くらいから判定可能ですが、月経予定日の3〜4日前から使える早期妊娠検査薬というものもあります。
判定が出たら…?
陽性の場合
今の検査薬は性能が高く、ほとんど正確に判断できます。陽性の場合、妊娠している確率が非常に高いので、なるべく早めに産婦人科医の診断を受けましょう。
陰性の場合
検査薬を正しく使えていない場合や、時期が早すぎたフライング検査の場合もありますので、妊娠の徴候が継続している場合は日を改めて試してみるか、産婦人科医の診断を受けましょう。
監修/井上レディースクリニック院長 井上裕子先生
update : 2024.11.28
- お気に入り機能はブラウザのcookieを使用しています。ご利用の際はcookieを有効にしてください。
また、iPhone、iPadのSafariにおいては「プライベートブラウズ」 機能をオフにしていただく必要があります - cookieをクリアすると、登録したお気に入りもクリアされます。