胎動はいつから?種類や意味は?
おなかがぽこぽこするような気がするけど、これがもしかして胎動?胎動はいつから感じることができるのか、おなかのどのあたりで感じるかについて、産婦人科医の日向先生に話を伺いました。胎動の種類や胎動が弱いと感じたときの対処法も頭に入れておきましょう。実際に妊婦さんがはじめて胎動を感じたときの体験談も参考にしてみてくださいね。
監修者プロフィール
日向 悠先生
2013年東京慈恵会医科大学卒業。同年4月より東京慈恵会医科大学附属病院にて初期臨床研修医として勤務。2015年東京慈恵会医科大学産科婦人科学講座入局。同大学附属第三病院、成育医療研究センターなどの勤務を経て、2018年現在町田市民病院勤務。
胎動はいつから感じる?
妊娠16週目以降から感じることができるように
胎動は、妊娠16~22週ごろに感じる方が多いようです。いつから胎動を感じられるようになるかは、お母さんの体形や感じ方によって異なります。例えば、痩せている方は皮下脂肪が少ない分、胎動を感じやすい傾向にあります。反対に、皮下脂肪が多いと胎動を感じにくかったり、仕事をしているとおなかに意識を向ける時間が少なかったりと胎動を感じにくいこともあります。いつから感じ始めるかは目安なので、個人差が大きいことを頭に入れておきましょう。
感じ方は個人差があるので焦らずに
最初の胎動の感じ方は、赤ちゃんの大きさがまだ小さいので、腸が動いているのかなと思う程度かもしれません。また、初産婦さんは胎動の実感が分かりにくいため、経産婦さんの方が早く胎動に気付きやすい傾向にあります。いつから感じることができるかは個人差があるものだと理解し、焦らずに待ちましょう。
胎動を感じる位置ってどこ?
おへその下あたりに注意を向けて
胎動を最初に感じる位置は、おへその下あたりの下腹部です。妊娠20~23週ごろになると、子宮底(子宮の一番上の部分)がちょうどおへその高さほどになります。子宮があるおへそより下の部分で、赤ちゃんの手足の動きを感じることができるようになるでしょう。はじめは、ニョロニョロと何かが動くような感覚を感じる程度かもしれません。
妊娠後期はおなか全体で胎動を感じるように
妊娠24~27週になると子宮底はへその上まで上がり、胎動を感じる面積も大きくなっていきます。妊娠28週以降になると、子宮が大きくなり、おなか全体で胎動を感じるようになってきます。胎動が気になって夜も眠れないと訴える方が増えるのもこの時期です。胎動をより感じやすい時間帯は、横になっておなかに意識を集中させている夜であることを覚えておきましょう。
胎動の種類と意味は?
激しい場合と弱い場合の違いって?
胎動は、赤ちゃんの状態を示す大切な指標です。妊婦健診でも、妊娠中期以降は妊婦さんにまず胎動の有無を確認します。超音波検査では、赤ちゃんの様子を見ながら、手足が動いているか、胴体が回転・運動しているかなどの胎動を確認します。胎動の種類は下記の動きが挙げられます。
手足の曲げ伸ばし
赤ちゃんが腕や脚の曲げ伸ばし運動をすると、胎動を感じることがあります。肘をぐーんと伸ばしたり、膝を曲げて身体を縮めたりする動きをしています。胎動の様子から、実際に動いている赤ちゃんの様子を思い浮かべるとかわいらしく感じられますね。
手のひらの開閉
赤ちゃんは手のひらをグー、パーと、開いたり閉じたりしています。妊娠後期に入り子宮が大きくなると、皮下脂肪が薄いお母さんは、おなかの外から赤ちゃんの手足のかたちを感じることもあるかもしれません。
身体の回旋・回転
妊娠中期は子宮内のスペースにまだ余裕があるため、赤ちゃんは身体を上下にぐるりと回転したり、ごろんと向きを変えて回旋をしたりしています。妊娠後期に入ると子宮のスペースが狭くなるため、赤ちゃんの上下の回転の動きは減り、左右に回る回旋の動きが多くなります。
しゃっくりをしたとき
妊娠20週ごろから、赤ちゃんはしゃっくりをするようになります。赤ちゃんの横隔膜が動くので、小さな振動をお母さんも感じるかもしれません。
胎動が少ないと危険?
頻度が示す意味とは?
1時間以上胎動を感じない場合は注意が必要
赤ちゃんは、30~60分のサイクルで睡眠と覚醒を繰り返しています。1時間以上胎動を感じない場合は、赤ちゃんに異常がある可能性があるので注意が必要です。1時間以上胎動を感じないときは、おなかの上から手でポンポンと赤ちゃんを刺激し起こして、胎動の有無を確認しましょう。
「胎動が半日ないので心配になった」と病院に来る妊婦さんもいますが、もう少し早く連絡をしてほしいこともあります。胎動がないと、赤ちゃんに何か起きている可能性もあるからです。例えば、胎児仮死といい赤ちゃんが低酸素状態で苦しんでいる事態も有り得ます。へその緒が赤ちゃんの首に巻き付いてしまっているなどの事態もあるので、早めに病院に連絡をするようにしましょう。
胎動がない場合、赤ちゃんに何か起きていることも
病院に来るのが遅いと、赤ちゃんに障害が残ったり、死産になってしまったりする可能性もあります。妊娠後期の赤ちゃんの死亡の多くは原因が不明であることが多いです。しかし、早く受診ができれば緊急帝王切開を行うことで助かるケースもあるので、異常を感じたらすぐに受診をしましょう。胎動がなく、さらに出血やおなかの張りを伴う場合は、常位胎盤早期剥離の危険性もあります。常位胎盤早期剥離とは、通常は出産直後にはがれる胎盤が、赤ちゃんが子宮内にいる間にはがれて、子宮内で大出血を起こす疾患です。
臨月でも赤ちゃんは動き続けます
臨月に入ると胎動が減るという話もあるようですが、お産が進行し赤ちゃんが骨盤にはまると動きは少し減るものの、出産直前まで赤ちゃんは動き続けています。臨月であっても胎動が減ったと感じたときは、病院に連絡をして赤ちゃんの様子を一度見てもらうようにしましょう。
妊娠中は何があるか分かりません。胎動は赤ちゃんが元気に生きていることを示すサインであり、お母さん自身で赤ちゃんが元気かどうかを確認できる唯一の指標ともいえます。異変を感じたらすぐに病院に連絡をするようにしましょう。
胎動で気持ち悪い?
胎動による身体の変化について
臓器が圧迫され気持ち悪さを感じることも
赤ちゃんが大きくなると、胎動が激しくなるため気持ち悪いと感じる方も多くいます。子宮が大きくなることで、お母さんの胃や肺、腸が圧迫されるからです。元の骨格が小さい方は特につらさを感じることでしょう。臓器の圧迫に加え、さらに胎動を感じると余計に気持ち悪いと感じる方も多いようです。
食事を小分けにするよう心がけて
対策としては、一度にたくさんの量を食べずに、回数を分けてこまめに食事をとることが有効です。また、妊娠中も服用できる吐き気止めもあるので、医師に相談をしみてください。胎動が激しくて眠れない、気持ちが悪いという声も聞きますが、胎動は赤ちゃんの元気さを感じられるサインなので大切にしてくださいね。
胎動の体験談
先輩ママの胎動の感じ方を見てみましょう。いつから胎動を感じるようになったか、どのような感じ方をしているかなど参考にしてみてください。
(ヒロ0173さん)
初産妊婦なのに13週で胎動を感じてしまいました(・▽・;)
ぼんやりソファーに座って、片手で携帯触りながらもう片手をおなかにやってたら
自分の血管とは全く違う不規則なリズムでの「ぽこぽこぽこ……ぽこっ♪」(後略)
(みかりん0226さん)
初めての胎動は、私の場合良く分からなくて5か月の検診の時に医師からもうそろそろ胎動が分かると思うけど、どうかな?と言われたのですが良くわからないと返事したところ医師が、とっても元気に動いてるからあと少しで分かると思うよと言われたのを覚えています。
6か月に入ってすぐに、ぽこっと蹴るのを感じこれが胎動だと実感しました。それ以後、おなかの赤ちゃんに声掛けをしたりキックゲームもしましたよ。主人も初めての時は、「おーすげー」って感動してました。
(玖美華さん)
初めての胎動、感動しますよね!!
私は、おなかがゴロゴロなっているような感じでした。
「ん?もしかして、これが胎動?」と思い
おなかに手をあてて、目をつむって胎動を実感していました♪
(ハナちゃんママ0004さん)
(前略)胎動を感じたのは19週あたりで、腸がうごくようなかんじでしたよ。
小さな泡がはじけるような。。。。最初はほんとうにわからなかったけど、今ではおなかで元気にポコポコいっています(^^)
ダンナさんが手をあててわかるようになったのは最近ですね、ポコポコ動くのとっても感動してくれましたよ☆
けど話す言葉がほかに思いつかないらしく、毎回「お父さんですよ~」と言ってますね笑(後略)
(みどり0089さん)
ぼこぼこというのは、よくありましたが、特に自分が寝ているときがいちばんひどかったです。
寝ていても目が覚めてしまうくらい・・・
あとは、手をグーで押しているという感じがわかるくらい、むにゅ~っと自分のおなかがでっぱったときです。
特に夫が話しかけると、よくなりました。
あとは、自分がリラックスするほど、よく動いていた気がします。
update : 2018.04.20
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