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妊婦は葬式に出てはいけない?妊婦中のタブーや戒めその2

「妊娠中に○○すると赤ちゃんが○○になる」といった言い伝えはずいぶんたくさんありますね。前回はそのうちの、あざや口唇・口蓋裂にまつわる迷信を“解明”しましたが、ほかにも、思わず首をかしげたくなるものから、何となく根拠がありそうなものまで、まだまだいろいろあります。「へーえ、こんな言い伝えは初耳」というものもあるかもしれません。今回も、医学的な根拠については、大鷹美子先生にうかがいました。

この記事の監修

大鷹美子(おおたかよしこ)先生

東京生まれ。東京大学医学部保健学科卒業。東京大学医学部医学科卒業。日赤医療センター、NTT東日本関東病院などを経て、東京都保健医療公社豊島病院産婦人科部長。専門は周産期学。出生前診断のカウンセリングにも取り組む。『どうしたの?産後ママのからだ相談室』(赤ちゃんとママ社)、『高齢出産』(主婦の友社)など著書多数。一児の母。

※2020年現在、大久保病院(新宿区)副院長。

お葬式や焼き場、お墓に行くな、と言われる
そのわけは?

妊娠中、不幸にして親しい人が亡くなり、お葬式に出席しなければならないこともあるでしょう。そんなとき、周りの人から次のようなことを言われたことはありませんか?

  • 妊婦は葬式に出てはいけない。もし出るならおなかに鏡を入れておけ
  • 妊婦は焼き場で骨を拾ってはいけない
  • 妊娠中は墓に詣でてはいけない

昔の人は妊婦が忌みごとに出席するのを厳しく戒めていたようです。死者を葬る儀式や、それにまつわる場所は、古くから穢(けが)れたものとされてきました。今でもお葬式から帰ると、玄関先で塩をまいて体を清める風習がありますね。

疫病などによる死者が多かった昔は、うっかり葬式に出て妊婦が感染することもあったでしょうから、「葬式に出るな」というのは、そのような危険を避けるための方便だったとも考えられます。

また、昔の人たちは「死」そのものに対する恐れも、今よりはるかに強いものがあったでしょう。「おなかに鏡を入れて葬式に出席すればだいじょうぶ」という迷信は各地にあるようです。その理由は、「死者の霊魂が寂しがっておなかの赤ちゃんを道連れにしようとするが、おなかに鏡を入れておけばそれを跳ね返してくれる」からだそうです。

まるでオカルトまがいのこうした話を信じる人は、現代ではさすがにいないでしょう。ただ、妊婦から、お葬式や法事などに出席してもよいかと聞かれることは、大鷹先生もよくあるそうです。もちろん、迷信を気にしてではなく、「体に負担がかかっておなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼすのでは?」という現実的な心配からです。

「親族としてお葬式に出るとなると、1日がかりになりますから、当然、体に負担がかかるし、大勢の中にいれば気疲れもするでしょう。それでも、義理があるので出ないわけにはいかないというのなら、しっかり自己管理するしかありません。具合が悪くなったら早めに帰るとか、疲れたら、断ってちょっと横になるなど、無理をしないように」。

遠くのお葬式や墓参りなら、日帰りはやめて1泊するなど、ゆったりとスケジュールを組みましょう。これは冠婚葬祭だけでなく、妊娠中の小旅行などにも言えることです。

妊婦が何かをまたぐことはタブー視された

ところで、みなさんはふだんからお行儀がよいほうですか? 妊娠中のタブー、戒めには「○○をまたぐと異常のある子が生まれる」という言い伝えがとても多いのです。

  • 妊婦が炭をまたぐと黒子が生まれる
  • 箒(ほうき)をまたぐとお産が重い
  • 卯の花をまたぐと流産する
  • 馬の手綱をまたぐと子どもが12ヶ月腹にいる

ロシアには「そりの梶棒をまたぐとオチンチンの大きな子が生まれるのでまたいではいけない」という言い伝えもあるそうです。

何かを「またぐ」行為が、なぜこれほどタブー視されたのでしょうか。「女だてらに行儀が悪い」ということもあるのでしょうが、それだけではなさそうです。箒にしても、馬の手綱にしても、それを使って仕事をしている人にとっては、いわば神聖な商売道具。そのような大切なものをまたぐとバチが当たるという意味もあったのかもしれません。

「それに、ものをまたいで、万一つまずいて転んだりしたら、妊婦さんの場合はリスクが大きいですね。『またぐな』にはそんな意味が込められているのかもしれませんよ」と大鷹先生。

幸い、炭も箒も卯の花も馬の手綱も、どれも今ではあまり身近なものではありませんから、妊婦がこれらをまたぐこともなさそうです。でも、何かをまたぐときは、くれぐれも転ばないように気をつけてくださいね。

逆子や臍帯巻絡(さいたいけんらく)に
まつわる言い伝えと医学的理由

胎児が逆子になったり、へその緒が巻きついたり、といったことにも、言い伝えがありました。

  • マキを逆さにくべると逆子が生まれる
  • 転ぶとへその緒が胎児の首に巻きつく

もちろん、これらも全く根拠のない迷信です。前回も述べたように、医学が発達していない昔は、原因のわからない出来事については、人々は何か理由をこじつけて説明しようとしたようです。それにしても、「マキを逆さにくべたから逆子になった」「転んだからへその緒が首に巻きついた」というのは、とても単純でわかりやすい発想ですね。

逆子になる原因はさまざまです。「胎児がまだ小さいうちは、羊水の中で自由に動いています。そのとき、たまたまお尻が下になったままで週数が進むと、頭が骨盤にはまるのと同じように、お尻がすっぽりと骨盤にはまった格好で固定されてしまい、逆子になることがあります」と大鷹先生。

また、へその緒が胎盤の上部に付いていて、そのへその緒が胎児の首に巻きついていたりすると、胎児は頭を下にすることができないので逆子に。子宮筋腫や前置胎盤があって頭が下がりにくいときも逆子になることがあります。

「逆子はそれほど多いものではありませんが、今では帝王切開すれば無事に出産できるので心配いりません。逆子の場合のお産を、経膣分娩と帝王切開とで比べると、仮死や脳性マヒなどになる率が、帝王切開のほうが低いという統計も出ています。」(大鷹先生)

へその緒が胎児の首に巻きつくことを「臍帯巻絡(さいたいけんらく)」と言います。実は胎児の4~5人に1人は、へその緒が首や手足に巻きついているそうですから、それほど心配することでもなさそうです。

「胎児はおなかの中で自由に動くので、へその緒が巻きついてしまうことはよくあるんです。たいていの場合は、そのままで普通に出産できます。ただし、巻いている部分が圧迫されて血流が途絶えるようなら、途中で帝王切開に切り替えます。お産のときに胎児の心拍をモニタリングしていれば判断できるので、心配いりません」と大鷹先生。

逆子も、臍帯巻絡も、昔はなすすべもなく死産になることがあったでしょう。それを思うと、今は医学の恩恵を受けられて幸せですね。

妊婦を気遣うための言い伝えも

  • 妊婦が写真を撮ると生まれた子が早死にする
  • 生まれる前に産着を縫うな

「写真を撮ると魂を吸い取られる」など、写真にまつわる迷信は多いですね。これもその1つ。

「今は外国でも日本でも、セレブの人たちがマタニティ・ヌードを堂々と公開したり、雑誌の表紙になったりしていますから、だいじょうぶ。第一、こんなことを言っていたら、妊娠中は写真を撮れないことになってしまいます」と大鷹先生。

確かにその通りです。セレブでなくても、妊娠中の大きなおなかの写真は、記念に残しておきたくなるものです。

「生まれる前に産着を縫うな」という言い伝えも、聞いたことのある人が多いでしょう。大鷹先生もご自身の出産前に、似たような体験をされたそうです。

「子どもが生まれる前に、夫がベビーベッドを組み立てようとしたんです。そうしたら、『生まれる前に早々と準備するものじゃない』と義母に言われたそうです。あまり気分を盛り上げすぎると、万一何かあったときの失望もまた大きくなるものです。そうした気遣いから生まれた言い伝えなのだと思います」(大鷹先生)

出産前のお母さんへの気遣いといえば、こんなことも。

「医学が進歩したとはいえ、やはり生まれるまでは何が起きるかわかりません。また、予定日を何日か過ぎてもなかなか産まれず、ご本人やご家族がやきもきしていることも珍しくありません。ですから、こちらから『生まれた?』と聞かないのも思いやりです。無事生まれたという連絡をもらって初めて『おめでとう』と言えばいいんです」(大鷹先生)。

迷信とは関係ありませんが、こういうこともちょっとした心遣いですね。

 

update : 2011.03.02

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