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妊娠中にやったほうがいいこと

「妊娠中にあれをしてはいけない、これをしてはいけない」というタブーは、このシリーズでずいぶんたくさん紹介してきました。でも逆に、「妊娠中にこうするとよい」という言い伝えはないのか不思議に思いませんか?
タブーに比べるとずいぶんと少ないものの、「こうするとよい」という言い伝えも実際にあります。しかも、中には理にかなった部分があるものも。今回も、言い伝えについて、医学的な側面からのお話を大鷹美子先生に伺いました。

監修

大鷹美子(おおたかよしこ)先生

東京生まれ。東京大学医学部保健学科卒業。東京大学医学部医学科卒業。日赤医療センター、NTT東日本関東病院などを経て、東京都保健医療公社豊島病院産婦人科部長。専門は周産期学。出生前診断のカウンセリングにも取り組む。『どうしたの?産後ママのからだ相談室』(赤ちゃんとママ社)、『高齢出産』(主婦の友社)など著書多数。一児の母。

※2020年現在、大久保病院(新宿区)副院長。

『トイレの神様』の言い伝えの由来は?

以前、植村花菜さんの『トイレの神様』という歌が大ヒットして、紅白歌合戦にも出場しましたね。「トイレにはきれいな女神さまが住んでいるから、トイレをきれいにするとべっぴんさんになれる…」とおばあちゃんに教わった女の子が、トイレをピカピカに掃除するという歌です。

「ん? あれは"妊婦"がトイレを掃除する」というのが正しいんじゃなかったっけ?」と思った人も多いはず。そうです。

便所をきれいにするときれいな子が授かる

というのは、そもそも妊婦に対する言い伝えとして古くからよく知られているもの。妊娠・出産にまつわる言い伝えの中でも、断然知名度が高いかも。民俗学などの本によると、トイレ、昔の呼び名で言えば「厠(かわや)」や「雪隠(せっちん)」は、家の中でも特別な場所と見なされていたようです。

厠は、「あの世とこの世の境に当たる空間だった」という説もあるし、そこには「厠神(かわやがみ)という神様が住んでいるという言い伝えは全国各地に残っています。そして、この厠神、つまりトイレの神様は、家の守り神であると同時に、出産の神様でもありました。この神様が女神さまかどうかは不明ですが、「いつも厠をきれいにしていると、きれいな子が生まれる」という言い伝えはここから生まれたのでしょう。

トイレは汚れやすいので、いつも清潔にしておきたいものですが、その一方で、掃除がおっくうな場所でもありますね。ましてや、昔は今のように水洗トイレではありませんから、掃除もさぞかし大変だったことでしょう。おなかの大きな妊婦にとってはなおさらのこと。つい掃除をサボりたくもなったでしょう。でも、「神様のいる神聖な場所だからいつもきれいにしておきなさい。そうすればきれいな赤ちゃんが授かるよ」と言われると、掃除に励まないわけにはいきませんね。

この言い伝えにはそれなりの根拠があるという説もあります。「トイレ掃除は立ったりしゃがんだりするので、妊婦にとっては、ちょうどよい股関節のストレッチになる」というのです。

しかし、大鷹先生によると、「トイレ掃除をすれば安産できるというほどの運動効果はないと思いますよ」とのこと。「ただ、初めての妊娠などでは、周りの人が妊婦を過保護にするあまり、家事をさせなかったりすることがありますね。それでは運動不足になってしまうので、適度に体を動かすという意味では、トイレ掃除をはじめとする家事をこまめにすることはいいことです」。

トイレは私たちの生活に不可欠の大切な場所。ましてや神様が住んでいるとなれば、おろそかにはできませんね。毎日掃除に励んで、トイレをピカピカにすれば、美人やイケメンの赤ちゃんが授かる!?かも。

腹帯は妊婦の"心の安定剤"?

日ごろ、迷信なんて信じないという人でも、妊娠中期に、神社で安産祈願を受けて腹帯をもらって来たという人は多いのではないでしょうか。

妊娠5ヶ月目の戌の日に腹帯を巻くと安産になる

というのは、現代に受け継がれた、妊娠中の数少ない風習の1つかもしれません。腹帯をつける時期は妊娠5ヶ月に入ってからというのが一般的ですが、これはその地方によっても多少開きがあるようで、妊娠3ヶ月から8ヶ月くらいまで、とまちまちのようです。

腹帯には、おなかの赤ちゃんを安定させたり、おなかを温めたりする効果がある--みなさんもそう信じていませんか? でも、実際には医学的根拠はないそうです。

「妊婦さんからはよく、腹帯をしなきゃいけませんか、と質問されます。みなさん気にしていらっしゃるのでしょう。でも、腹帯を巻かないと何かトラブルが起きるということはありません。おなかがあまり出てない人、それに「邪魔だからつけたくない」という人は、無理に巻かなくてもかまいません」と大鷹先生。

ただし、こんな効果があるのも事実。

「おなかが大きくなって前にせり出してくると重くなりますね。そのとき、腹帯を巻いたほうが下から支えてくれるので体のバランスがとりやすいということはあるかもしれません」(大鷹先生)。腹帯の代わりにマタニティ・ガードルをはいても同じ効果があるそうです。

戌の日に巻く習わしがあるのは、多産でお産が軽い犬にあやかろうということのようです。江戸時代には、妊婦のあいだで犬の張子が流行したそうですから、そのころから犬は安産を象徴するマスコットだったのでしょう。

でも、現代では、そこまでこだわる人は少ないでしょう。「本当に戌の日に巻かなきゃいけませんかって聞いてくる人もいますが、もちろん、それにこだわる必要はありません」(大鷹先生)。

腹帯は"妊婦の心の安定剤"として今も守り継がれているようです。

飽食の現代で2人分食べたら、間違いなく肥満

罪のない言い伝えならいいのですが、中には明らかに今の時代にマッチしないものもあります。

妊娠中はおなかの赤ちゃんの分と2人分食べなさい

これも昔からよく言われてきたことですが、この言い伝えは現代においては間違い、ということは、みなさんもご存じですよね?

今の日本は、食べ物が豊富にありますが、人類の歴史は飢えとの戦いでした。ですから、おなかの赤ちゃんが順調に育つためにはせめて妊娠中に栄養をしっかりとらなくてはいけなかった。そこでこうした言い伝えが生まれたのでしょう。貧しい時代に妊婦を守り、健康な赤ちゃんを生んでもらうための知恵だったと考えられます。

しかし、現代では、妊娠したからといってそれほど摂取カロリーを増やす必要はありません。昔と違って、今の日本には、手に届くところに高カロリーの食品がずらり。2人分も食べたら確実に肥満になってしまいます。

妊娠中の標準摂取カロリーは、妊娠初期は妊娠前よりプラス50kcal、中期でプラス250kcal、後期はプラス500kcalです。ちなみに、6枚切り食パン1枚が145kcalですから、プラスするといってもそれほどたいした量ではないのです。

妊娠期・授乳期にプラスするエネルギーのめやす

妊娠期・授乳期 付加するエネルギー
妊娠初期
(16週未満)
+50kcal
妊娠中期
(16~28週未満)
+250kcal
妊娠後期
(28週以上)
+500kcal
授乳期 +450cal

(平成18年 厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」より)

事務職などで静的な活動が中心か、または立ち仕事やスポーツをよくするほうかなど、活動レベルにより異なるが、18~49歳の女性の場合、妊娠前の1日の食事のエネルギー量の基本は、平均2000~2200kcal。上記は、妊娠中・授乳期に、さらにプラスするカロリーのめやす。

しかし、大鷹先生は「妊娠中はおなかも減るので、どうしても余計に食べる傾向にある」といいます。だから、「カロリーをプラスすることはあまり考えないほうがいい」と。

「妊娠するとたいてい活動量は減りますよね。仕事も無理しないようにセーブするでしょうし、電車でも優先席に腰掛けたり、夜も早く寝るようにしたり…。ですから、私は、妊娠したからといって食べる量を増やしちゃダメ、と言ってるんです。一汁三菜のバランスのいい食事を心がけて、ボリュウムは妊娠前と同じくらいでだいじょうぶ、と」。

一方、最近は、「太りたくない」「赤ちゃんは小さく産んで大きく育てたい」と、妊娠中にもダイエットをしたり、極端な食事制限をしてしまう人もいて、問題になっています。こうした妊娠中のママの栄養不足は、赤ちゃんの発育に影響します。

ママから十分な栄養をもらえなかった赤ちゃんは、少ない栄養でも生きていけるように、カロリーを貯め込もうとする遺伝子を発現します。そして生後、「小さく産んだから、大きく育てよう」とすると、栄養過多で、大人になってから糖尿病や心臓病などの成人病(生活習慣病)になるリスクが高くなるというのです。

妊娠中の体重増加のめやす

妊娠前のBMI 肥満度 体重増加のめやす
18.5未満 やせ 9~12kg
18.5~25未満 ふつう 7~12kg
25以上 肥満 個別対応
(5~7kg程度)

(平成18年 厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」より)

BMIは、肥満度を表すとして広く使われている指数。計算方法は、BMI=妊娠前の体重(kg)÷{ 身長(m)×身長(m)}

「成人病胎児期発症説」といわれる学説で、いまや広く世界、日本でも叫ばれるようになりました。

つまり、妊婦のときには太り過ぎるのも、体重増加を抑えすぎるのも、どちらも赤ちゃんにはよくないということ。もともとの母体の体重にもよりますが、標準体重の人であれば7~12kgぐらい増えるのが理想です。痩せ型の人なら、9~12kg増えていいのです。

「1ヶ月に1kg程度の体重増加をめやすにして。そうすれば妊娠10ヶ月で10kg増になります」(大鷹先生)

ふだんは、あまり体重を気にしないという人も、逆にダイエット志向の人も、妊娠中は赤ちゃんのためにも、適正な体重増加を心がけたいですね。

「こうするとよい」という言い伝えが少ないわけ

今回も、いろいろな言い伝え、迷信を調べてみましたが、「妊娠中にこうするとよい」「こうすれば元気な赤ちゃんが生まれる」というものは、意外と少ないことがわかりました。でも、考えてみれば当然のことかもしれません。そもそも妊娠・出産にまつわる言い伝えや迷信は、医学が発達していなかった時代に、妊婦や赤ちゃんに起きた異常やトラブルを、いろいろな理由をこじつけて説明しようとしたものだったのですから。

ということは、無事に元気な赤ちゃんが生まれてきたら、めでたし、めでたし。あえてその理由を考える必要などなかったのでしょうね

 

update : 2011.04.06

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