妊娠16週。妊婦と胎児の様子が知りたい
妊娠16週から妊娠5ヶ月に入ります。妊娠中期の最初の1週間でもありますね。心配ごとの多い妊娠初期を無事クリアしてホッとするころ。これからは、おなかもふくらみはじめ、外見も“にんぷ”らしくなっていきます。このころの妊婦の様子、胎児の様子について、産婦人科医、林聡先生(東京都、東京マザーズクリニック院長)にうかがいました。
監修者プロフィール
林 聡(はやし さとし)先生
東京マザーズクリニック(東京都世田谷区)院長
「お母さんだけでなく、胎児も患者」をモットーに、専門性の高い最新の産科医療で、安心安全の妊娠・出産・育児をサポート。1992年広島大学医学部卒、同大学院修了。県立広島病院産科婦人科副部長、フィラデルフィアこども病院・ペンシルバニア胎児診断・胎児治療センター留学を経て、国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科医員、医長。2012年東京マザーズクリニック院長に就任。
おなかのふくらみが目立ち始めます
下腹部が少しふくらんできます
妊娠16週になると、子宮の大きさは大人の頭くらいになり、おなかのふくらみが目立ちはじめます。でも、まだ子宮の上端の子宮底(しきゅうてい)というところが恥骨から少し出たくらいなので、下腹がちょっとふくらんできたかな?くらいでしょう。
外見のおなかのふくらみは体型によって少し違います。やせている人や小柄な人のほうが目立ちやすく、太り気味の人や大柄な人は目立ちにくいでしょう。
恥骨の上をさわってみるとふくらみが実感できます
子宮はおなかの一番下、腰骨に近い奥にあるので、妊娠12~13週ころまでは触ってもわかりません。妊娠16週になると、子宮の上端、子宮底が恥骨の上に出てきて触るとわかるようになります。下腹部の恥骨の上を触ってみましょう。大きくなった子宮とともに、おなかの中で胎児が育っていると実感できます。やさしくふくらみを触りながら、胎児に呼びかけてあげてもいいですね!
乳腺が発達してきます
乳腺が張って痛くなることも
乳腺は母乳を作るところです。妊娠16週ころからエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けて、乳腺が発達してきます。出産後の授乳への準備が始まるのですね。痛みを感じることもあります。
ブラジャーは乳房に合ったサイズに
ブラジャーは乳房の変化に応じてサイズを替えましょう。ブラジャーで乳房の下半分をきちんと支え、体幹に直角になるように保つと、産後も含めて形の崩れを防ぐことができます。
身長が伸びて動きも活発に
超音波モニターからはみ出す大きさに
妊娠16週の胎児の身長は20cmくらい、体重は150gくらいです。ただし、身長はあくまでも推定です。だって子宮の中の胎児は立ち姿勢ができませんから。体重も推定ですが、定期健診のエコー・超音波検査写真に「EFW(推定胎児体重)」として記載されています。確かめてみるといいでしょう。
動きは、すごく活発になります
大きくなった胎児は超音波モニターからはみ出して、全身が映りきらなくなります。上半身、下半身というように映るようになります。腕や脚の筋肉も発達して、胎児の動きはとてもダイナミックになります。
超音波モニターでは、腕を曲げ、指先を口元にもっていく仕草などが映ることもあります。脚をけるキッキングや体を回転させるローリングなど、胎児は羊水の中で自由に活発に動いています。この動きが胎児の筋肉を発達させます。
でも、ママが胎動として、おなかの壁越しに胎児の動きを感じるのはもう少し先のこと。経産婦で妊娠17週、初産婦は妊娠19~20週ころでしょう。
体を構成するパーツのすべてが出来ました
妊娠16週になると、胎児の体は大きいパーツ、小さいパーツを含めて、すべての形が出来上がります。このあとは新しくできるものはありません。もちろん、まだ発育の途中なので、大きさが変わったり、位置が移ったりします。たとえば、この頃の肝臓はおなかの大部分を占有していますが、徐々に右側に移動します。顔の下側についていた外耳が上に移動し、顔の横にあった目が鼻の横に移動して、眼球は前を向くようになります。
取材協力:東京マザーズクリニック(東京都世田谷区)
update : 2020.01.14
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