妊娠35週目!胎児の体重、大きさは?

妊娠35週は妊娠9ヶ月の最後の週です。このころは胎児の体重がグンと増える時期。ママのおなかの大きさもマックスに近づくころです。とはいえ、個人差があるのも事実! エコー・超音波検査で胎児体重を知る方法や、この頃の正常値、大きい・小さいの心配まで、産婦人科医、林聡先生(東京都、東京マザーズクリニック院長)にうかがってみました。

監修者プロフィール

林 聡(はやし さとし)
東京マザーズクリニック(東京都世田谷区)院長

「お母さんだけでなく、胎児も患者」をモットーに、専門性の高い最新の産科医療で、安心安全の妊娠・出産・育児をサポート。1992年広島大学医学部卒、同大学院修了。県立広島病院産科婦人科副部長、フィラデルフィアこども病院・ペンシルバニア胎児診断・胎児治療センター留学を経て、国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科医員、医長。2012年東京マザーズクリニック院長に就任。

胎児の体重は、急カーブで増える

妊娠34週6日。推定体重は2271g。鼻のすぐ先に胎盤が迫っています。大きくなった胎児には子宮の中が狭くなってきました。

妊娠期間中で、胎児の体重は最も増えるころ

1日に増える胎児の体重は、妊娠14~15週で約5g、妊娠20 週で約10gですが、妊娠32~34週には、約30~35gとグンと増えます。妊娠34~36週ころは1週間で200gくらい増え、その後の増加率は妊娠週数とともにゆるやかになり、妊娠41~42週以降は減少するといわれています。妊娠35週ころは、いちばん体重が増える時期といっていでしょう。

このころの体重は、胎児発育曲線でわかります

妊娠週数に応じた胎児の推定体重を知りたいときは、母子健康手帳に載っている胎児発育曲線をみましょう。

妊娠35週は1800gから2700gの間くらい。ずいぶん幅があります。胎児の体重は個人差がとても大きいことがわかりますね。また、定期健診の超音波検査で推定体重が出た場合には、この表に書き入れていきます。正常で生まれる赤ちゃんの約95.4%は上下二本の曲線の間に入ります。書き入れることで、胎児の発育の状態がわかりやすくなるでしょう。なお、胎児発育曲線は男の子と女の子、胎児がひとりの場合とふたご(双胎)のとき、あるいは一人目と二人目など、条件がいろいろ違っても使えます。

“小さい大きい”心配は、医師に相談を

胎児の体重は、超音波検査で推定します

胎児の体重が気になるときは、かかりつけ医に超音波検査で調べてもらうといいでしょう。超音波検査で、BPD(児頭大横径)、FL(大腿骨長)、AC(腹部周囲長)またはAPTD(腹部前後径)、TTD(腹部横径)をそれぞれ測り、EFW(胎児の推定体重)の計算式に当てはめます。

計算式は以下の2つ。病院によって採用している計算式は違いますが、どちらも同じ結果が出ますから安心してください。

EFW (g) = 1.07 × BPD (cm)3 + 3.42 × APTD (cm) × TTD (cm) × FL (cm)

EFW (g) = 1.07 × BPD (cm)3 + 0.30 × AC (cm)2 × FL (cm)

ちなみに、EFWは、「estimated fetal weight」の略です。

胎児の体重には、大きな個人差がある

胎児の体重には大きな個人差があります。両親からもらう体質が影響して、もともと小柄な子、大柄な子がいます。正期産(妊娠37週0日~41週6日の間)で生まれた赤ちゃんの体重は2,500gから3,999gまでが正常です。新生児でもこんなに大きな幅があるのですから、胎児期にも個人差が大きいのは当然なのです。

超音波で測る体重にはプラスマイナス10%くらいの誤差が出ることも知っておいてください。この誤差は妊娠週数のいつでも共通です。体重が重くなると誤差が大きくなるわけではありません。

なお、胎児の頭が骨盤の中に入っていて、超音波が届かないなどでBPD(児頭大横径)が正確に測れないときには、推定体重の計算をあきらめ、次回の超音波検査で再チャレンジすることもあります。

ときにはトラブルがある場合も

小さすぎる、大きすぎる原因は?

小さすぎるときは

胎児が小さすぎる場合は、「胎児発育不全(FGR)」と診断されます。しかし、胎児発育不全と診断されても、約70%はとくに原因はありません。もともと小柄な体質なのです。しかし、なかには母体の妊娠高血圧症候群や糖尿病、腎臓病、感染症、重症の喘息、喫煙などが原因のことがあります。胎児の先天性心疾患などが原因になっていることもあります。また、胎盤や臍帯、羊水などの異常が原因のこともあります。それぞれの原因に応じて胎児を守る対策をたてます。

大きすぎるときは

原因として最も多いのが母体の糖尿病、またはその体質があるケースです。母体は高血糖になりやすく、ブドウ糖が胎盤を通して胎児に移行します。胎児は血糖を調節するためにインスリンというホルモンをたくさん分泌するようになり、その結果、胎児の体重が増えます。糖尿病またはその体質が原因の場合には、母体にインシュリン療法を行うこともあります。また、赤ちゃんが大きすぎると難産になりやすいため、帝王切開を含めて対策をたてます。

Dr.林「トラブルを早期発見する胎児ドック」

一般的に、超音波検査の頻度は、妊娠とわかり予定日が決まり、安定期にはいるころ(妊娠14〜16週ごろ)までは1~2週ごとに1回。安定期に入ってからは4週前後ごとに1回。妊娠24週ごろからは2~3週間ごとに1回。36週以降は1週ごとに1回。それぞれ妊婦健診のときに行われることが多いでしょう。

ここで行われている超音波検査は、「体重発育」と「心拍」の確認程度で、その内容は限定的です。しかし、本来、超音波検査で得られる情報はとても多く、胎盤や臍帯、羊水量などをしっかりと精査すれば、胎児異常や胎児発育不全(FGR)などの早期発見につなげることができます。しかし、これには高度な技術と時間が必要なため、通常の妊婦健診内で行うことは、なかなか難しいのです。

海外では、日本のように妊婦健診のたびに超音波検査を行うというようなことは、ありません。超音波検査は妊娠期間中に1~2回、胎児異常などをしっかり発見するために行われるだけであとは行いません。日本の妊婦健診での超音波検査は、世界的に見れば特殊と言えるでしょう。

日本でも、胎児の異常、病気を早期発見するためのしっかりとした超音波検査のあり方が求められるようになってきました。「胎児ドック」「胎児スクリーニング検査」などの名称で、妊娠期間中に1~2回しっかりと行い、あとの超音波検査では「胎児発育」と「心拍」の確認程度のみ、としているところも増えてきています。

update : 2020.01.14

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