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妊娠初期の超音波検査

子宮の中をリアルタイムに観察できる超音波検査は別名、産婦人科の聴診器! 今や妊婦健診に欠かせない検査ツールです。妊婦には、おなかの中で息づく小さな命と出会えるうれしい時間!ですが、超音波検査はあくまでも「検査」です。胎児と胎児付属物(卵膜、胎盤、臍帯、羊水)を観察することで、胎児が順調に育っているか、トラブルはないか調べることができます。この検査でいったいどんなことがわかるのか、「妊娠初期」「妊娠中期・後期」と2回に分けて勉強します。3回目では「日本の超音波検査の実情」について触れます。お楽しみに!

監修

篠塚憲男(しのづかのりお)先生

胎児医学研究所代表

http://www.shinozuka.com/

医学博士.超音波専門医. 超音波指導医 産婦人科専門医。

浜松医科大学卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室 、コーネル大学留学、帝京大学産婦人科学教室講師などを経て、現職。胎児の体重を推定する計算式を開発した、超音波診断の第一人者。瀬戸病院で、「超音波外来」を担当。

取材協力

瀬戸病院

昭和24年開業。埼玉県所沢市で長く信頼されている病院。産科・婦人科・内科・小児科・麻酔科がある。産科では、経験豊富な医師・助産師のみならず、麻酔科医を常勤させるなど、安全安心のお産をめざす。入院中の食事やアロママッサージなど快適な分娩ライフも評判。LDRも2室ある。篠塚憲男先生の「超音波外来」は、月曜日と木曜日。

超音波検査・妊娠初期

超音波断層撮影装置という医療機器を使って子宮のなかを観察する検査。エコー検査ともいう。プローブという検査器具を腟内に挿入する「経腟(けいちつ)超音波検査」と、おなかの表面に当てる「経腹(けいふく)超音波検査」がある。妊娠初期は経腟で検査することが多い。検査で得られる情報はモニター画面に映像として表出されるので、検査結果はその場で説明される。

検査時期 初診時(妊娠5〜6週頃)・妊娠9〜11週頃
検査方法 経腟超音波は内診台で、経腹超音波は内診台または診察用ベッドで受ける。経膣超音波は、検査用ゼリーを塗ったプローブにカバーをかけて腟内に挿入する。経腹超音波は下腹部に検査用ゼリーを塗ってからプローブを当てる。痛みはない。
検査内容 正常妊娠の確認、妊娠週数と分娩予定日、胎芽・胎児数(ひとり・多胎)、胎芽心拍、胎児発育、胎盤や臍帯の位置……などを調べる。
検査結果 検査結果は、検査中または検査直後に、口頭で説明されることが多い。
母子健康手帳への
記入例
検査結果をひとまとめに記載する項目はないが、写真をもらったら、母子健康手帳に添付しておくといい。
  • 病院によって、医師が行う場合と超音波技師が行う場合がある。経腟超音波は体腔内スキャンに当たるので医師が行う。
  • 超音波検査の実施回数は、妊娠経過や病院の方針によって異なるが、通常、妊娠の全期間で5回程度。
  • 費用は母子健康手帳公布後の妊婦健診受診票で公費負担になることもあるが、内容や回数によっては自己負担のこともある。
  • 胎児の映った写真を渡されることがある。写真に妊娠週数、胎児の大きさなどが記載されている場合もある。

もっと知りたい妊娠初期の超音波検査! Q&A

超音波検査は、どういう検査ですか?

超音波断層撮影装置を使って、外からは絶対に見ることのできない「子宮の中の胎児」を観察できる画期的な検査方法です。装置につないだプローブという器具で体の中に超音波を送ると、プローブは体の中の臓器から跳ね返って来た超音波を受け取ります。その反射波の波形の強さなどをもとに情報が映像化されて、モニター画面に映し出されます。縦、横、斜めなどいろいろな角度で体の断面を撮影することで、子宮の内部を細かく観察することができます。

超音波断層撮影装置

経腟(けいちつ)超音波は、どういうものなのか教えてください。

超音波を送受信できる細いプローブ(直径約2cm)を腟内に挿入します。子宮のすぐ近くまでプローブが届くので、まだ小さい胎嚢(たいのう)や胎芽※(たいが)を映し出すことができます。ただ、経膣超音波の観察範囲は狭いので、使うのは胎児がまだ小さい妊娠11〜12週頃までです。それ以降は、おなかの上から当てる経腹超音波を使うことが多くなります。

経腟超音波は、もともとは日本の産婦人科医が最初に研究・開発を始めた方法です。日本では早い時期に広く普及したため、初診はこの経腟超音波で行われることが一般的になっています。日本の妊婦は、世界中のどこの国の妊婦よりも早い時期に超音波検査を受け、胎児と対面することができます。またこれによって、妊娠週数が正確にわかるので、分娩予定日も正確に知ることができます。

  • 母体に宿った新しい生命体である「赤ちゃん」は、医学的には妊娠9週までは「胎芽(embryo)」、妊娠10週以降は「胎児(fetus)」と呼ばれる。

これが経膣用のプローブ。直径約2cm

超音波検査で、最初に見えるのは何ですか?

胎嚢(胎芽が入っている袋)が最初に見えます。胎嚢は、受精卵が子宮内膜に着床するとできてくる袋で、超音波検査では妊娠4〜5週から見えるようになります。月経周期がキッチリ28日の規則的な人なら、「あれ、生理が遅れている?」と気づいたころです。胎嚢の中の胎芽が見えるようになるのは、妊娠5〜6週から。胎嚢の存在が確認できると、物理的な「妊娠の成立」で、それが子宮の中にあれば、「正常妊娠」とされ、子宮外妊娠の心配はほぼなくなります。胎嚢は妊娠週数が進むにしたがって大きくなるので、その大きさを測って(GSと表記)妊娠週数を測定することもできます。

胎嚢が見えた!(5週3日)

大きさ約10cmの胎嚢。小さい輪は卵黄嚢(らんおうのう)。胎芽はまだ見えない。卵黄嚢は「受精卵からできた卵の黄身」が入っている袋。胎盤ができるまで胎児を育てる栄養が詰まったお弁当箱! 胎嚢を囲んでいるのが将来胎盤になる絨毛。

はっきりわからないので、1週間後に来るようにいわれました。なぜですか?

最近は、ほとんどの人が妊娠検査薬で調べてから産婦人科を受診します。検査薬は妊娠すると出てくるhCGというホルモンに反応するのですが、日本の検査薬は非常に感度が高く正確なので、産婦人科では検査薬で陽性なら、病院でhCGを測る尿検査を省略して、超音波検査を行うことが多いのです。ただ、超音波では子宮内にまだ胎嚢が見えず、正常妊娠と診断できないこともあります。理由は次のような場合で、ほとんどは1〜2週間後に再度、超音波検査を受けるように勧められます。

  • 受診が早すぎる場合
    検査薬では排卵日(受精)から約2週間で陽性になります。月経が28日周期の人なら、妊娠4週に入ったばかり。この時期には超音波検査をしても胎嚢が見えないことがある。
  • 化学的流産の場合
    ケミカルアボーションといって、精子と卵子が出会い受精は成立して、受精卵が子宮内膜に着床しかけたけれど流れ落ちてしまう現象。つかの間とはいえ着床するので、hCGが出て検査薬に反応して陽性になる。そのぐらい市販の妊娠検査薬の感度は高いが、受精卵は育っていないので、超音波検査では胎嚢は見えない。ホルモンの検査上(化学的)には妊娠反応があるが、超音波などの物理的な方法で証明ができないまま終わってしまうものをいう。1週間後の受診を待つ間に月経がくることもある。

普段の月経にはこの化学的流産が多く含まれています。「月経が少し遅れてきた…」という時にはその可能性もあります。なお、化学的流産は医学的な流産ではありません。流産したと悲観しないでください。

胎芽が見えた!(6週3日)

この頃の胎芽は小さい羊膜の中にいるのでは丸いお団子みたいに映る。となりの卵黄嚢も丸いので、羊膜・胎芽と卵黄嚢は間違えやすい…。胎嚢を囲んでいるのが将来胎盤になる絨毛。

胎芽・胎児の心拍ってどうやってみるのですか?

早ければ妊娠6週頃から心拍を確認できるようになりますが、超音波装置の通常画面でみてわかります。必要があれば、時間表示できる機能を使って波形として記録することができます。心拍の血流速度を波形にする「パルスドプラ」、血流の方向を赤や青の色で表す「カラードプラ」でみることもあります。しかし、これらは比較的強度のある超音波なので、妊娠初期には安全性の観点から不必要に照射しないようにしています。

超音波ではなく、「ドッドッドッ」という心臓弁の信号(心拍数)を聴き取るだけのドプラ装置もあります。妊娠12週以降、妊婦のお腹の上から聴取可能になります。これは、分娩監視装置(胎児心拍記録装置・心拍モニターなどとも呼ばれる)と同様の方法が使われており、超音波断層装置のパルスドプラ、カラードプラなどとは、装置の仕組みや目的、みているものが違います。

心拍数は1分間に171(7週3日)

正常値は妊娠週数で変わる。左が胎嚢の中の胎芽。中央の「・ ・」のラインで心臓を観察。右は心拍の波形。

心拍の確認ができれば、流産の可能性は低くなるのでしょうか?

妊娠初期の流産率は15%程度といわれていますが、妊娠の8週のレベル、頭臀長(CRL)では15mmまで到達し、正常な心拍数が確認できれば、それ以降の流産率は数%とされています。

妊娠週数・予定日はどうやって計算しているのですか?

妊娠週数は通常、最終月経初日を0週0日として数えます。0〜6日で1週です。でも、最終月経を覚えていない人もいます。月経不順で排卵日がわからない人もいて、最終月経を基準にした妊娠週数は不正確になりがちです。しかし、妊娠12週頃までの胎児の大きさには個人差・人種差がないとされているため、超音波検査で調べると、ほぼ正確な妊娠週数がわかるのです。妊娠9週前後にCRL(頭殿長/頭からお尻まで=座高の長さ)を、妊娠12〜13週にはBPD(児頭大横径/胎児の頭の横幅)を測ります。この2回の計測をおこなうのが最も信頼性が高いとされています。ですから、妊娠初期に最終月経で設定された予定日は、妊娠9週〜12週ぐらいまでの間に、超音波検査の結果をもとに修正されることがあるのです。正確な妊娠週数と分娩予定日の設定によって、胎児発達曲線などと照らし合わせることができるので、ちゃんと成長しているかどうかがわかるのです。

CRLは2.24cm(9週1日)

+……+がCRL(座高)。胎児は逆さの横向き姿勢。手や足も見える。

BPDは2.22cm(12週5日)

BPDは胎児の頭の横幅。2.22cmは標準。脳の中央に縦に右脳と左脳を仕切るミッドラインがあり、左右均等に脳室ができているのが映っている。

双子の膜性診断って何ですか?

双子(ふたご)ちゃん(医学的には双胎(そうたい))の場合、膜性診断がとても重要です。膜性診断は、一卵性とか二卵性という診断とは違います。胎児を包んでいる「膜」は、外側の絨毛膜(じゅうもうまく)と内側の羊膜(ようまく)の2枚でできていますが、これがどんな状態かで、リスクが違うのです。

双子がそれぞれに絨毛膜と羊膜を持っていれば、ひとりずつ個室にいるようなもの。絨毛膜は胎盤になる膜ですから、ひとりずつ自分の胎盤を持てるので、比較的トラブルが少ないのです。こういう双子を「二絨毛膜二羊膜双胎(DDまたは2D)」といいます。

羊膜は1枚ずつあるけれど、絨毛膜は共有しているのは「一絨毛膜二羊膜双胎(MD)」。1つの胎盤を分け合うことになるので、2人の成長に差が出てしまうことがあります。絨毛膜と羊膜が1枚しかないのが、「一絨毛膜一羊膜双胎(MM)」で、この中で一番リスクが高い双子です。

DDとMDは、卵黄嚢が2つあり、MMは卵黄嚢が1つ。絨毛膜と羊膜は妊娠週数が進むと重なってきて見えにくくなるので、卵黄嚢が見える妊娠初期のできるだけ早い時期に膜性診断をして、リスクに対応できるようにしておきます。膜性診断は妊娠7週頃からできます。

それぞれに個室あり!(8週/DD双胎)

DDの双子ちゃん。同じ家(子宮)に住みつつ、二重の壁(絨毛膜と羊膜)で仕切られた個室をそれぞれ持っている。二卵性双胎の全部と一卵性双胎の一部がDDになる。

膜性診断の図

妊娠初期は、ほかにどんな成長を確認できるのですか?

妊娠したばかりの胎児はまだお団子のような丸い形をしています。やがて、頭と胴体の区別がつくようになり、さらに四肢(手や足)が形づくられていきます。超音波検査では、妊娠8週頃から、胎児の体が順調に形づくられているかどうかを観察できるようになります。また、胸部や腹部にある内臓や脳の基本的な形ができている様子などもわかるようになります。頭の骨や背骨、手や足の骨も少しずつ発達して、モニター画面に白く映るようになります。骨がはっきり映るようになる妊娠13週頃からは、BPD(児頭大横径)、FL(大腿骨長)のほか、APTD(腹部前後径)、TTD(腹部横径)を測って、胎児の体重を推定することもできるようになります。ちなみに、妊娠12週頃の胎児の体重はおよそ230グラム! まだちっちゃいですね。

さらに、卵膜、胎盤(たいばん)、臍帯(さいたい)、羊水などの胎児付属物も観察できるようになります。これらは胎児の発育に大切な役割を果たしています。たとえば、血流をカラー表示できるカラードプラで臍帯を観察すると、臍帯を流れる2本の臍動脈と1本の臍静脈の血液の流れがわかります。このように、超音波検査では、胎児の発育だけでなく、胎児付属物の構造や働きなども知ることができるのです。

臍帯の血流が見える(12週3日)

胎児のおなかから生えている臍帯の根っこ(将来のおへそ)、臍帯の動脈や静脈などが映っている。カラードプラでは血流の方向に色がつく。モニター画面に上方に向かう血液は赤、下方へ流れる血液は青で表示。

胎児はあぐら姿勢が好み(13週3日)

腕を見てあげて! 肩、上腕、下腕、手がしっかり。両方の足は曲げて組んでいる。胎児はあぐら姿勢が好み? 狭い子宮の中に体全体を上手に収める工夫? 顔はうつむき加減であごを首につけているのが、この頃の特徴。

もらった超音波写真に目盛りと記号が記入されています。意味を教えてください。

写真の端にある目盛りは、ひと目盛りが1cmを示しています。妊娠5週など早い時期には、ひと目盛りの幅はとても広く、妊娠週数が進むとだんだんに狭くなります。冒頭に紹介した5週3日の胎嚢の写真を見てください。ひと目盛りは幅広いですね。わずか1cmの小さな胎嚢を大きく撮影するための工夫です。その他、妊娠週数、計測記号と数値などが表記されていることが多いでしょう。以下に記号の意味を説明しますが、病院によって記載内容は多少違います。また、それぞれ、計測法や計測を行う断面(画像の出し方)も細かく規定されています。

超音波検査記号一覧

○w×d wは妊娠週数、dは日。例:5w3dは妊娠5週3日のこと。
GS
(胎嚢/たいのう)
妊娠と同時にできる胎児を包む袋。
CRL
(頭殿長/とうでんちょう)
頭からお尻までの長さ。座高のこと。
BPD
(児頭大横径/じとうだいおうけい)
計測値のうち、最も再現性が高い基準断面の頭蓋骨外側から内側まで長さ。
FL
(大腿骨長/だいたいこっちょう)
大腿骨はふとももの骨のこと。大腿骨長は骨化(こっか)している部分の長さ。
APTD
(腹部前後径/ふくぶぜんごけい)
躯幹の長軸に垂直な断面で計測する 腹部の前後(腹壁から背骨の外側まで)の長さ。
TTD
(腹部横径/ふくぶおうけい)
腹部の左右(APTDと直角になる線)の長さ。
AC
(腹部周囲長/ふくぶしゅういちょう)
腹囲のこと。腹部の外側に近似楕円を設定した時の周囲長。
EFW
(胎児推定体重)
BPD、FL、APTD、TTDで計算するのが篠塚式。この式を修正した日本超音波医学会・日本産科婦人科学界の標準方式(BPD、FL、ACをあてはめる方法)もあるが、結果に違いはない。
AFI
(羊水量)
羊水のポケットの深さを測って羊水量を測る。上下左右の四カ所のポケットをはかり足し算する計測法が一般的。
GA
(妊娠週数)
通常は妊娠初期にCRLの計測などによって設定された妊娠週数を用いる。

update : 2010.08.04

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