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妊娠中にお寿司が食べたい!注意したいネタと食べて良いネタ

妊娠してから体重管理の毎日で、たまにはお寿司が食べたいと思っているママは多いのですが、生の魚介類には食中毒などの心配があるといいます。どのようなリスクがあるのでしょうか?おなかの赤ちゃんにも影響があるの?食べていいネタや注意しなければならないネタは何か?昭和大学江東豊洲病院の管理栄養士・鴨志田恭子先生に詳しくお話をうかがいました。

監修者プロフィール

鴨志田恭子先生
昭和大学江東豊洲病院
栄養科 管理栄養士 係長

1980年昭和大学病院栄養科に就職。昭和大学藤が丘病院などを経て、2014年開院の昭和大学江東豊洲病院にて現職。日本糖尿病療養指導士認定。日本病態栄養認定管理栄養士。

妊娠中にお寿司を食べるとよくない理由

妊娠中にお寿司を絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、好きなネタを好きなだけ食べていいというわけではありません。「お寿司の食材には生の魚介類が使われることが多く、その中には有害物質が含まれていたり食中毒を引き起こす寄生虫などが生息していたりする場合があります。万が一、そのような食材をママが食べてしまうと、おなかの赤ちゃんに害が及ぶ恐れがあるので注意が必要です」と、鴨志田先生。

有害物質を摂取する危険がある

食物連鎖の上位に位置するマグロやカジキなどの大型の肉食魚、そしてクジラやイルカなどの海洋哺乳類には自然界にある水銀を体内に多く蓄積しているものがいます。水銀は有害な物質で、特にメチル水銀を人が大量に摂取してしまうと中枢神経に障害を起こします。

50年以上前に、化学工場から大量に流れたメチル水銀が水俣湾の魚介類に蓄積し、それを大量に食べた人が神経を冒された「水俣病」が発生しました。このときのメチル水銀の摂取量は、現在の食生活の100倍近い量でした。これは極めて特殊なもので、普段食べている魚から摂取される量ではそのようなことは絶対に起こりません。

私たちが食事から摂取している水銀は体にたまり続けるのではなく、少しずつ便や尿から排出され、2ヶ月ほどで半量になります。しかし、妊娠中にママが食べ物に含まれた水銀を摂取すると、胎盤を通して胎児にも水銀が運ばれることになります。胎児には水銀を体外に出す機能が備わっていないため、生まれた後の赤ちゃんの発育に影響を及ぼす可能性があるといわれています。胎児への影響については“音を聞いたときの反応が1/1000秒ほど遅れる”といった程度のものという報告があり、将来の社会生活に支障があるような重篤なものではないとしていますが、将来の不安要素を排除するには、有害物質をできる限り摂取しないほうが安心です。

細菌による食中毒の危険

生の魚介類には、リステリアノロウイルス腸炎ビブリオアニサキスといった食中毒を引き起こす細菌が潜んでいる可能性があります。リステリア菌については厚生労働省で胎盤からの胎児への感染の影響が指摘されています。

お寿司は“塩・糖・脂”が多い食事

「お寿司は “塩分・糖分・脂肪” が多い食事です。まず酢飯には塩と砂糖を使います。握り寿司の場合、シャリの上にのるネタの種類にもよりますが、トロやサーモンなどのネタには脂が多く含まれています。そして、しょうゆをつけて食べるので、ここでも塩分をとることになります。また、箸休めに食べるガリも酢と砂糖と塩で作りますから、たくさん食べれば糖分も塩分も多くとることになります。さらに、お寿司を食べた後はどうしても喉が渇きます。そこでお茶や水をたくさん飲むと、むくみやすくなってしまいます」と、鴨志田先生。妊娠中の塩分摂取量は1日7g、妊娠高血圧症候群の兆候がある場合は6g未満が目安なので、量を考えずに食べると一食で越えてしまう可能性があります。

お寿司だけでは野菜を多く食べることができない

「毎日の食事にはできるだけ多くの野菜を取り入れることが大切です。野菜を食べることで、ビタミン類や食物繊維をとることができるのですが、残念ながらお寿司だけでは十分な野菜摂取ができません。魚介類に含まれるたんぱく質以外の栄養バランスが悪い食事です」(鴨志田先生)。

炭水化物の摂取量が過剰になりがちになる

大人用茶碗の一杯のごはんの量は約140g。それに対して、一般的な回転寿司で提供されるお寿司一貫のシャリの量は約20gといわれており、例えばお寿司一人前10貫を食べた場合シャリの量は200gにもなります。量を意識しないでパクパク食べていると、炭水化物の摂取量が過剰になってしまうので注意しましょう。

妊娠中のお寿司は怖い!食あたりの症状について

「生の魚介類による食あたりや食中毒などの症状は嘔吐や下痢になることが多く、妊娠中は下痢によって子宮収縮が起こる可能性があります。また、水分をとっても嘔吐を繰り返すうちに脱水症状を引き起こす場合もあるので、下痢や嘔吐があるときはすぐに受診してください」(鴨志田先生)。

リステリアによる食中毒の症状

生のイカにはリステリアという菌が生息している場合があります。妊娠中は健康な成人と比較して、リステリア菌に感染しやすくなります。初期症状はインフルエンザのような症状を起こすことが多く、38~39℃の発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出た後、重くなることが多く、妊婦の場合は流産や早産および死産の原因にもなります。

ノロウイルスによる食中毒の症状

生の二枚貝がノロウイルスに汚染されている場合があります。ノロウイルスの潜伏期間は、およそ24~48時間です。症状には激しい腹痛や嘔吐、下痢、寒気、発熱などがあります。特徴は吐き気が突発的に襲ってくることです。感染力が強く付着した汚物などを処理するうちに看病してくれる家族などにも感染を拡大させてしまう可能性があります。

腸炎ビブリオによる食中毒の症状

生の魚介類やその加工品、調理する過程で、"手"や"まな板・包丁"を介して「二次汚染された食品」が原因で発症します。腸炎ビブリオの潜伏期間は、およそ8~24時間です。腸炎ビブリオの症状には下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱です。塩分を好み塩分3%前後で急激に増殖します。

アニサキスによる食中毒の症状

アニサキスの幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生し、魚の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動します。これらの魚を生や不十分な冷凍または不十分な加熱の状態で食べることで、アニサキス症を発症します。 食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐の症状の場合と、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛を引き起こす場合があります。

「妊娠中に食中毒になると、おなかに赤ちゃんがいるので飲める薬は限られてしまいます。また、BMI(肥満度を評価する値)が18以下の痩せ型で、血液検査をしたときのアルブミン(主に肝臓で作られるたんぱく質)の値が非常に低い妊婦さんの場合は、もともと栄養状態が悪いため普通の妊婦さんと比較して回復力が低いといえます。低体重の妊婦さんは特に食中毒には十分に注意が必要です」(鴨志田先生)。

妊娠中のお寿司で食べていいネタ!

「外食する場合は生の魚介類のネタは避け、茹でたエビ、タコ、イカ、カニがおすすめです。納豆やカッパ巻き、かんぴょう巻き、玉子巻き、ツナの缶詰を使ったツナマヨも食べられます。生の魚介類は加えずに、茹でた魚介類とレンコンやシイタケなどの野菜が入ったちらし寿司の素を混ぜて、錦糸卵をのせたちらし寿司であれば、自宅で簡単に作れるのでおすすめです。ただし、ちらし寿司の素にも食塩・糖分が多く入っています。食べる量には十分注意してください」。

摂取量に注意が必要なネタ

ウナギやアナゴには、動物性のビタミンA(レチノール) が多く含まれています。妊娠中に動物性ビタミンAが不足すると胎児に障害や奇形を引き起こすことがあるとされていますが、過剰に摂取しても胎児に奇形や先天性異常を引き起こすリスクが高まるといわれています。動物性ビタミンAは、不足しても過剰になっても、ママや赤ちゃんの健康に影響することがあるので適量を心がけましょう。時々、寿司のネタとして火を通したウナギやアナゴを一皿食べる程度であれば問題はないでしょう。

妊娠中のお寿司で食べてはいけないネタ!

水銀を多く含む魚介類

魚介類の中には自然界に存在するメチル水銀が多く含まれているものがあります。以下がその魚介類です。

マグロ類

マグロにはたくさんの種類がありますが、すべてのマグロに水銀が含まれているわけではありません。注意が必要なのは、クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチ(メバチマグロ)、メカジキ、マカジキ

サメ類

ヨシキリザメ

深海魚類など

キンメダイ、クロムツ、ユメカサゴ
深度200m以上の海に生息する魚類を深海魚といい、その中には深海と浅海を行き来する魚類も多く生息しています。比較的に浅い場所でも、水銀濃度がやや高い場合があります。

鯨類

バンドウイルカ、コビレゴンドウ、マッコウクジラ、ツチクジラ、イシイルカ

貝類

エッチュウバイガイ

厚生労働省は、一部の魚介類に含まれる水銀濃度が胎児に与える影響を懸念して、妊娠中および妊娠の可能性がある女性に対して、「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」という指針を下記のように公表しています。

妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂食量(筋肉)の目安

摂食量(筋肉)の目安 魚介類
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで
(1週間当たり10g程度)
バンドウイルカ
1回約80gとして妊婦は2週間に1回まで
(1週間当たり40g程度)
コビレゴンドウ
1回約80gとして妊婦は週に1回まで
(1週間当たり80g程度)
キンメダイ
メカジキ
クロマグロ
メバチ(メバチマグロ)
エッチュウバイガイ
ツチクジラ
マッコウクジラ
1回約80gとして妊婦は週に2回まで
(1週間当たり160g程度)
キダイ
マカジキ
ユメカサゴ
ミナミマグロ
ヨシキリザメ
イシイルカ
クロムツ

(参考1)
マグロの中でも、キハダ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)、ツナ缶は通常の摂食で差し支えありませんので、バランス良く摂食して下さい。
(参考2)
魚介類の消費形態ごとの一般的な重量は次のとおりです。
寿司、刺身 一貫又は一切れ当たり 15g程度
刺身 一人前当たり 80g程度
切り身 一切れ当たり 80g程度
(厚生労働省の資料より抜粋)

メチル水銀が多く含まれる魚介類は2つのグループに分かれています。厚生労働省では、上記の摂取量を厳守することが大切であり、水銀を多く含む魚介類を多量に偏って食べることは避けるべきとしながら、魚介の持つ栄養のメリットを生かした食生活をおくることを推進しています。

食中毒を引き起こす可能性がある生の魚介類

食中毒を引き起こす可能性の高いものは生食はやめましょう。特に下記のものは注意してください。

生カキなどの二枚貝

生カキなどの二枚貝は、毎日大量の海水を吸ってろ過しながら、その中に含まれるプランクトンをこしとって食べています。海にはノロウイルスが浮遊しているので、カキなどの二枚貝はウイルスを体に溜め込みやすくノロウイルスに汚染している可能性があります。妊娠していなくても生で食べると食中毒になりやすいといわれる食材なので、妊娠中は絶対に生では食べないでください。ノロウイルスを持つ可能性がある二枚貝はカキの他に、アサリ、ハマグリ、タイラギ、アカガイ、シジミなども知られています。

生のイカ

生のイカにはリステリア菌という細菌が生息していることがあります。また、アニサキスという寄生虫が生のイカに潜んでいることもあり、食べると食中毒を引き起こします。妊娠中はお寿司や刺身などの生のイカは食べるのは控え、中心部まできちんと加熱調理されたものを食べましょう。

生のサケ(サーモン)・カツオ・アジ・サバ・サンマ・イワシ

生のイカと同様にアニサキスが潜んでいる可能性が高いので食べるのは控えましょう。

スモークサーモン

リステレア菌は生魚だけでなくスモークサーモンなどの感染例も報告されています。スモークされていてもリステリア菌が死滅していないことがあるので食べるのは控えましょう。

塩分が多いネタ

いくらなどの魚卵や漬物を使った、たくわん巻きなどは塩分が多く含まれるので控えましょう。妊娠高血圧症候群やその可能性がある場合は特に注意が必要です。

炙りネタ

生の魚介類を炙ったネタは、中心部まで火が通っていないため食中毒の心配があるので控えましょう。

妊娠中にお寿司を食べるときに
注意しなければならないこと

これまで妊娠中にお寿司を食べるリスクについて説明しましたが、それでもお寿司が食べたいという妊婦さんへ、食べる際の注意点をご紹介します。

信頼できるお店を選ぶ

お寿司を外で食べる場合は、信頼できる清潔感のあるお店を選びましょう。回転寿司を利用する際は、新しく注文した新鮮なお寿司を食べるようにしましょう。

水銀値が高い魚は食べる量に気をつける

メチル水銀を多く含む大型の魚は1週間の上限量を超えて食べないように注意しましょう。

生の魚介類は避け加熱したネタを選ぶ

生の魚介類はたとえどんなに鮮度のよいものを選んだとしても、食中毒の危険が絶対ないとはいえないので、生の魚介類は避け妊娠中は加熱したネタを選びましょう。

「お寿司はカロリーや塩分が高いものが多く栄養バランスが偏りがちになります。外食した翌日はカロリーや塩分を控え、不足した栄養素を補うように心がけてください」(鴨志田先生)。

妊娠中にお寿司を食べる場合は、量や選ぶネタに注意が必要です。自然界には食物連鎖により大型の魚には有害なメチル水銀を多く含むものがいます。厚生労働省では妊婦さんに対して胎児への影響を懸念し、一部の魚介類の摂取量を制限しています。また、生の魚介類には、リステリア、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、アニサキスといった食中毒を引き起こす細菌が潜んでいる可能性があります。特にリステリア菌については、厚生労働省で胎盤からの胎児への感染の影響が指摘されています。お寿司は塩分、糖分、ネタによっては脂肪が多く、十分な野菜摂取ができないなどのデメリットもあります。外食する際は信頼できるお店を選び、妊娠中は生の魚介類のネタは控え、茹でたネタなどを選んで食べましょう。

監修/昭和大学江東豊洲病院 鴨志田恭子先生

update : 2018.07.05

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