つわりは、いったいいつまで続くの?

「少し不快だけれどつらくはない」「かなりつらい」など、つわりの症状は個人差が大きいもの。つらい度数が高い人ほど、いつまで続くのか、いつ終わるのか、知りたくなりますね。経験者のなかには「頭ではじきに終わるとわかっていてもずっと続くのでは…と不安になりました」と話す人もいます。そんな不安の解消法を含めて、産婦人科医、島岡昌幸先生(京都市・島岡医院)にうかがってみました。

監修者プロフィール

島岡昌幸
島岡医院(京都市南区)院長。

「母と子がハッピーになってほしい」と願い、専門の周産期医療はもとより、育児や子どもの皮膚のことなど、日夜勉強を重ねている。母と子が集い学び楽しむ「親育ち、子育ち」の場も多数企画。1970年関西医科大学医学部卒業。同大学附属病院産科主任、大阪府済生会泉尾病院産婦人科医長、奈良東生駒病院初代院長を経て、1983年、島岡医院院長。

つわりのピークは、妊娠8~10週

つわりにはホルモンが関係している

つわりは妊娠に伴う生理的な変化がさまざまに重なって起こります。とくに妊娠初期にはホルモン環境が急激に変化します。なかでも、つわりにはhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、エストロゲン(卵胞ホルモン)が影響しているといわれています。

これらのホルモンが妊娠中にどう変化するか、グラフを見てみましょう。

妊娠中のホルモンの変化

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

hCGは妊娠によって急激に分泌されてくるホルモン。上記のグラフでも、妊娠5週ころから急カーブで増え、妊娠10週ころにピークになっているのがわかります。その後は急激に減り続け、15,6週を過ぎ20週になるころには、落ち着いています。

このhCGの分泌量は、つわりの始まり、ピーク、終わる時期とぴったり当てはまっています! つわりの陰にhCGあり! hCGがつわりと深く関係しているといわれる、ゆえんです。また、hCGには、プロゲステロンやエストロゲンの分泌量を増やす作用もあります。

プロゲステロン

プロゲステロンは妊娠初期に妊娠を維持する大切な働きをしていますが、腸の動きを抑える作用もあるため、おなかが張る、ガスがたまる、便秘になるなどの困った症状を誘います。

エストロゲン

妊娠していないときにも、エストロゲン剤を使うと吐き気や嘔吐を誘うことがあります。妊娠するとエストロゲンの分泌量は増えるため、吐き気や嘔吐といったつわり症状を誘う原因になるといわれています。

長くても妊娠16週ころには終わる

文献からも経験からも16週でスッキリ!

つわりは、ほとんどの人が経験する重大事! 定期健診ではつわりに関係する訴えも多く、産婦人科医の教科書には必ず載っているテーマ。多くの研究論文も発表されています。そこには「長くても妊娠16週には終わる」の文字が!

つわりで悩まされている最中は「果てしなく続きそう」「終わりなんてないのでは?」と不安になりますが、その日が来るのを信じましょう。

つわりの終わりは胎盤完成と一致!

胎盤ができあがるのは、だいたい妊娠14~16週です。つわりが終わる妊娠16週には胎盤も完成して、マタニティスポーツなどの教室への参加が許可されます。つわりも終わって心身ともにスッキリ軽快、体を動かすとさらに爽やか、気持ちも前向きになります。エンジョイ!マタニティライフの始まりです。

なかには標準通りにいかない人も

終わったはずがぶり返す!?

産婦人科には、つわり経験者の女性スタッフも多く勤務しています。取材した島岡医院の医療スタッフのなかにはなんと、一度は終わったと思ったつわりがぶり返したという人が! 「ほとんど食べられなかったのですが、妊娠13週ころに食欲が回復。カレーライスが食べたい!となって食べたのですが、そうしたら全部吐いてしまいました。いったん終わったつわりがぶり返したのですね」。でも、妊娠16週には終わったそうです。

こんな具合に教科書通り、標準通りにはいかないこともあります。つわりって、本当に人それぞれなのですね。

Dr.島岡「不安なときは遠慮せず受診を」

ほとんどの妊婦さんは、妊娠12~13週にはおさまります。16週まで続くと長いな~という感じ。それ以上の人はあまりいませんが、どんなに長引いても妊娠20週までです。

つわり症状には心理的なストレスも関係していて、いつ終わるかわからない不安感が症状を強めることも事実です。私の経験では、結構強い嘔吐を繰り返す人も、ほとんどは妊娠12~16週には終わります。信用していただくほかありませんが、症状が強い、長引くときはもちろんのこと、ちょっときついな~と思ったら「つわりなんかで病院に行っていいの?」などと遠慮せずに、診察を受けてください。点滴などの治療で、ぐんとラクになることも多いのですから。

参考文献

日産婦誌50巻6号「産科合併症とその対策-妊娠悪阻にまつわる諸問題」

「病気が見える 産科」(メディックメディア)

取材協力:島岡医院(京都市南区)スタッフの皆様、NPO法人チャイルドトラスト

 

update : 2017.04.23

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