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妊娠中の貧食 体重管理にご用心

健診のたびに体重管理をするよう厳しく言われ、ツライ思いをしているママは多いのではないでしょうか? これまでは、妊娠中の太りすぎは難産を招くなどの理由から、体重増加を抑える考えが基本でした。でも、最新の研究では、「妊娠中にしっかり栄養をとらないと生まれてくる赤ちゃんが成人病になりやすい」という結果が出てきているのです。一体どういうことなのでしょうか?
今回は、最先端の胎児研究に携わる福岡秀興先生に伺った「ママのスリム志向で、赤ちゃんが危ない!」というお話をご紹介します。

監修

福岡秀興先生

兵庫県出身。医学博士。昭和48年東京大学医学部医学科卒。同大学産婦人科学教室助手、米国ワシントン大学医学部薬理学教室等を経て、東京大学大学院助教授。現在は、早稲田大学胎生期エピジェネティック制御研究所教授。産婦人科生殖内分泌学の視点から、妊娠中や思春期の食の問題に取り組む。日本の成人病胎児期発症説研究の第一人者。

行き過ぎた体重管理に警鐘!

妊娠すると、1にも2にも体重管理。健診で「体重増加は7~8キロまで」と、指導されている人も少なくないと思います。

でも実は、今の日本は、世界から、「先進工業国の中では、もっとも妊婦の栄養状態が悪い国」と言われているのです。

妊娠中の食生活がひどくなっていて、赤ちゃんに栄養が充分に届かず、生まれたときの体重がどんどん減ってきています。

2500g以下で生まれる小さな赤ちゃんを「低出生体重児」といいますが、1970年代では全体の5.5%だったのが、1993年には6.7%になり、2004年には9.4%。限りなく10%に近くなってきているのです。

生まれてくる赤ちゃんの10人に1人が未熟児!という状況が、今の日本に起こっています。

厚生労働省も2006年に「妊産婦のための食生活指針」というのを出しましたが、これは妊娠中の食生活があまりにもひどいので、もっとしっかり食べましょう!栄養を摂りましょう!と警鐘を鳴らすために出されたものなんです。

増加する低出生体重児
1990年代から、2500g未満の低出生体重児が増え続けている。もはや10人に1人が低出生体重児となりつつある。

ダイエットが、赤ちゃんの障害を引き起こす

日本では今、先天性の障害「二分脊椎症(にぶんせきついしょう)」の子どもが、増えています。脊椎がうまく発達せず、下肢の神経が麻痺しているなど、さまざまな神経の障害が起こります。

緑黄色野菜などに含まれる葉酸が不足すると、この障害のリスクが高くなるのですが、先進国の中では唯一、日本だけが増加しています。欧米では、パンの原料である小麦粉にあらかじめ葉酸を混ぜたりして、対策をとっています。

和食は野菜中心。だから、日本人はふつうの食生活を送っていれば葉酸は不足しないはず、という思い込みがアダとなっているのです。

食生活が欧米化し、その上にスリム志向、ダイエット志向が重なり、満足な食事をしない女性が増えている今、葉酸はまったく足りていません。2005年版の「食事摂取基準」では、葉酸をサプリメントでとるべきだと提言しているほどなのです。

肥満度を表すものにBMIという指標があり、BMI=18.5未満を「やせ」と言います。20代の女性で「やせ」の人は1993年に17.1%でしたが、2003年には23.4%になり、地域によっては25%を超えているところもあるほどです。

しかも、BMIでは、「普通」や「やせ」なのに、さらに体重を減らそうとしている人たちも大勢います。この傾向は30代より20代、20代より10代、と若い人ほど顕著です。

健康を無視したダイエットが蔓延しています。この状態で妊娠して、胎児の正常な発達が望めるはずがありません。

脊椎の異常が6倍にも!
葉酸不足でリスクが高まる脊椎の障害が6倍にも増加。妊婦の栄養不足は深刻。

やせ型女性が急増中!
この20年間で、BMI18.5未満が、20代女性で14.6%から23.4%へ。今や4人に1人がやせ型! 30代でも7.8%から14.7%へと倍増している。

小さく生まれると、将来成人病になりやすい

成人病を引き起こす素因の70%は、胎児期や新生児期の栄養不足。成人病は生活習慣病と言われますが、じつは、後天的な影響は30%にすぎないという説があります。『成人病胎児期発症説』です。

提唱したのは、イギリスのサウザンプトン大学医学部教授のデイビッド・バーカーさんです。彼の研究グループは、栄養状態の悪いお母さんから生まれた赤ちゃんのその後を追いかけて、健康状態を調べる大々的な調査をしました。すると、小さく生まれた赤ちゃんは、成人後に心筋梗塞を多く発症していたり、心臓病による死亡のリスクが高い、という結果が出てきたのです。

彼は、栄養学のノーベル賞といわれるダノン賞を受賞しています。かつては、だれも見向きもしなかったこの説が、いまは世界的に認められてきています。

低栄養で生き抜くため、胎児の細胞が自殺している!?

小さく生まれるとどうして成人病を発症しやすいのか。そのメカニズムも解明されてきています。

たとえば、2600gで生まれた赤ちゃんは、腎臓のネフロンという細胞数が、3200gで生まれた赤ちゃんより30%も少ないのです。これは細胞が自殺する、「アポトーシス」という現象が子宮の中で起こったせいです。

低栄養だと、胎児はそれでも生きていけるように、自分の細胞を減らしてしまうのです。ネフロンは、血液の老廃物をろ過して、尿を作る細胞です。これが少なければ、当然、成人病も発症しやすくなるわけです。

ネフロンの数は胎児期に決まってしまうので、生まれてからは増えません。そのほかの神経細胞、心臓の細胞、筋肉の細胞なども、生まれたときに数が決まっていて、それ以上増えることはありません。

「小さく生んで大きく育てる」は間違い!

今の日本の赤ちゃんの平均出生体重は約3000g。女の子は3000gを切っています。20年前に比べると、男女ともに200gも減っています。(平成12年厚生労働省「乳幼児身体発育調査」)。

少ない栄養で生きていかれるようにプログラムされて生まれた赤ちゃんが、生後、急にたくさんの栄養を与えられると、当然、肥満になります。

最近は、子どもの高血圧症、糖尿病も増加しています。低体重児の増加と、こうした小児成人病の増加は、見事にリンクしています。

「小さく産んで大きく育てる」という考え方は、間違っているのです。

葉酸と母乳育児が成人病のリスクを減らす

「成人病胎児期発症説」は、遺伝子レベルでも解明が進んでいます。

たとえば、葉酸は二分脊椎症の予防のためだけでなく、胎児のからだをつくっていく上で非常に重要な働きを持っています。

葉酸が十分に足りていると、遺伝子が正しく発現し、将来、成人病になるリスクを減らすことができるという研究結果が出ています。

葉酸は、妊娠初期に限らず、妊娠のすべての時期にわたって、積極的に摂って欲しい栄養素なんです。

そして、もう1つ重要なのが母乳です。生後半年間、母乳育児を続けることができれば、赤ちゃんの成人病になるリスクを減らすことができます。しかも、母乳は、お母さん自身が将来、糖尿病になるリスクも減らします。母子ともに非常によい働きをするんです。

母乳で育てると、ストレスに強い脳が育つというデータもあります。母乳育児のためにも、お母さんは栄養不足ではいけません。

深刻な葉酸不足!
葉酸摂取量の平均値。妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性は、1日400μgが理想。どの世代でも不足している。

妊娠中、10kgの体重増加はOK!

今日から朝昼晩の三食をきちんと食べて、規則正しい生活を送りましょう。

パン食よりもごはん食のほうがいいですね。ごはんのほうが、野菜やその他の副菜がとりやすく、栄養バランスがいいからです。

そして、個人個人の体型に応じて体重を増やしていきましょう。BMIを目安にしてください。やせている人はもちろん、「普通」の人でも、10kgの体重増は必要です。100kgある肥満の人でも最低5kgは増加しなければなりません。

胎児期に低栄養にさらされた赤ちゃんの影響は、その後3世代続くと言われています。お母さんが栄養不足の状態で妊娠し、妊娠中もあまり体重を増やさなかったことが、後々の世代にまで影響するのです。

赤ちゃんの将来を左右するのはお母さんの食事なのです。いつも以上にしっかりバランスよく食べて、適切に体重を増やしていってください。そして、どうぞ健康な赤ちゃんを産んでください。

あなたの肥満度は? BMI指数を知ろう!

妊娠前の体重 kg

身長 cm

 

自分の体格に合わせて、ちゃんと体重増加していこう!

体格 推奨増加量
妊娠中期から末期まで 全期間で
やせ(BMI 18.5未満) 0.3~0.5kg/週 9~12kg
普通(BMI 18.5以上 25.0未満) 0.3~0.5kg/週 7~12kg
肥満(BMI 25.0以上) 個別対応 個別対応

厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」より

update : 2007.06.06

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