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生後7ヶ月の赤ちゃんの成長、産後7ヶ月のママの状態は?

生後7ヶ月。人見知りは、なぜするの? おもちゃでテーブルをがんがん叩くのは? 離乳食のこと、アレルギーのこと、赤ちゃんの心配のタネは尽きません。ママは、自分の生理のこと、セックスのこと、便秘のことなども気がかりです。この時期の赤ちゃんの発達のこと、お世話のしかた、ママの体と心のことも、知っておきましょう。

「生後7ヶ月の赤ちゃんの成長の様子・お世話」監修

宮野孝一(みやのたかかず)先生
みやのこどもクリニック院長

青森県出身。昭和55年弘前大学医学部小児科教室に入局。同大助手講師。 秋田赤十字病院、盛岡赤十字病院、三沢市立三沢病院小児科科長、青森市民病院小児科部長、平成6年墨田区賛育会病院、江戸川区池下クリニック副院長後、平成10年、クリニックを開業。医学博士、小児科学会認定専門医、 日本アレルギー学会認定医、昭和大学医学部兼任講師、日本小児科学会、日本小児アレルギー学会、日本アレルギー学会、日本小児血液学会、日本小児内分秘学会、日本小児保健学会、日本新生児学会に所属。「わかりやすい説明」がモットー。

「産後7ヶ月のママの状態」監修

藤本薫(ふじもと・かおる)先生
看護学博士

臨床助産師9年を経て、(前)横浜市立大学看護短期大学部助手、(前)東邦大学医学部看護学科講師、北里大学看護学部講師、東京医科大学医学部看護学科准教授を経て、2018年4月より文京学院大学保健医療技術学部教授。専門は、母性看護学、ウィメンズヘルス看護学、助産学。「周産期ケアマニュアル」「女性のライフサイクルとナーシング」「看護学生のための実習記録の書き方」の部分執筆、「Women’s Health and Wellness Across the Lifespan」の部分翻訳など担当する。認定産後ケアリスト(産後ケア協会)のテキスト作成や養成講座にも携わる。

生後7ヶ月の赤ちゃんの成長の様子

生後7ヶ月 身長・体重のめやす

■男の子/身長65.0~73.6cm 体重6.7~9.9kg

■女の子/身長63.1~71.9cm 体重6.3~9.4kg

  • 厚生労働省/平成22年乳幼児身体発育調査報告書より

母子健康手帳に1ヶ月ごとに身長や体重を記入している場合、先月とあまり変わらない…と気がつくママもいるでしょう。とくに体重は1ヶ月で300~400gぐらいしか増えないこともあります。でも、少しずつでも増えているようなら心配はありません。

人見知りが始まる

ちょっとでいいから誰かに抱っこを代わってほしい……と赤ちゃんを預けたとたんに、ギャン泣き…! 今までは大丈夫だったのにどうして…!? そんな様子が、この時期から見られるようになります。

赤ちゃんの知恵が発達してくると、いつもそばにいるママや家族と他の人との違いがわかってきます。ママやパパなど身近な人の顔を見るとにっこり笑ったり、「アーアー」とか「マー」など、うれしそうな声をあげますが、見慣れない人が来るとじっと見つめたり、何となく表情が固くなります。これが「人見知り」の始まりです。

人見知りが激しくなると、それまで平気でよその人に抱かれていたのに、抱こうとすると、嫌がってママの体にしがみついたり、離れて住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんに会うとワンワン大声で泣き出したりして、ママを困らせたりします。

ときには、パパに人見知りをする子も……。「ママじゃなきゃ、イヤ!!」とはっきり意思表示する赤ちゃんも少なくありません。

ママへの強い愛着を示すのは、赤ちゃんの心に情緒が発達してきた証拠。また、社会性が芽生えてきて、自分と自分以外の人、いつもそばにいる人や見慣れた家族とそれ以外の人の違いがわかるようになってきたのです。

同じように、初めての場所に行くと、なぜかウワーン!!と大泣きしてしまう様子も見られるようになります。これも、赤ちゃんの情緒の芽生え。いつもの慣れた場所、大好きなおうちが、赤ちゃんの中にしっかりと構築されてきた証拠です。

手の使い方がうまくなってくる

目で見て興味を引かれた物には、何でも手を伸ばすようになります。だんだん手をうまく使うことができるようになって、おもちゃを手につかんでテーブルを叩いたりして遊ぶようになります。両手にそれぞれ違う物を握ったり、右手に持っている物を左手に持ち替えたりすることもできるようになってきます。でも、まだまだうまくいかないこともあって、落としたおもちゃを自分で取れないとかんしゃくを起こす赤ちゃんも。根気よくつきあってあげましょう。

また、この時期、ほとんどの赤ちゃんは一人ですわることができるようになります。手の動きが上手になったこととあわせて、一人でおすわりをしておもちゃをつかんだり、落としたり、またつかんだりという具合に、しばらくの間はすわりながら遊んでいられるようになってきます。

生後7ヶ月の赤ちゃんのお世話

離乳食はそろそろ舌でつぶせる柔らかさに

離乳食の基本は、赤ちゃんの様子を見ながら「食べ物の形」を変えていくこと。大体の目安は、開始から2ヶ月ぐらいは、飲み込めるトロトロのスープ状の柔らかさ、その後2ヶ月ぐらいは舌でつぶせる柔らかさ、その後3ヶ月ぐらいは歯ぐきでつぶせる柔らかさ、というように進めていきます。

トロトロのものを、口を閉じてゴックンと上手に飲み込めるようになったら、舌でつぶせる柔らかさと形に進めてもいいでしょう。このころの食べ物の固さは、ベタベタのペースト状から豆腐のように形はあるけれど舌でつぶせるくらいの固さに変わります。

たとえば主食の場合、トロトロのスープ状のおかゆから、お米粒が見える全がゆに。またくたくたに煮込んだうどんやミルクでパンを煮るパンがゆなど。

タンパク質は成長期の赤ちゃんに大切な栄養素です。卵の他に豆腐、乳製品、魚、肉などを適宜使っていきましょう。野菜や果物も加えていきます。

すべてに薄味を心がけますが、昆布やかつお節などの出汁を使い、油脂類や砂糖、味噌、醤油なども少量使って、多彩な味付けを工夫しましょう。

2回食に進んでも、時間はこだわりすぎずに

1回食をきちんと食べられるようになったら、2回食へステップアップしてみましょう。

しかし、1日2回の離乳食を作って食べさせるのは、けっこう大変! 夕飯のときにパートナーがいるなら「朝・夕」の2回でも、人手もあって助かりますが、いないときは「朝・昼」の2回食が、ママにとってはストレスのないやり方かもしれません。

離乳食はなるべく決まった時間に与えるのが理想ですが、その日の状態で臨機応変に、柔軟に変えても大丈夫! お昼に外出の予定がある場合、お外で離乳食をあげてみるのもおすすめ。ママと赤ちゃんの気分が変わって、いつもは食べないものをなぜかよく食べてくれた、ということもあるでしょう。

アレルギーが心配なときは?

両親がアレルギー体質の場合、食物アレルギーを起こしやすい食品の種類や献立に加える時期などについては、小児科医とよく相談しましょう。ただし食べさせる前から、採血をしてアレルギー耐性を調べておく必要はありません。

なぜなら、血液検査をすると、多くの場合「アレルギーあり」の結果が出てしまうからです。しかし実際は、血液検査で「アレルギーあり」と出ても、問題なく食べられる場合のほうが多いのです。また、小さい頃に検査したときは「アレルギーあり」と出たのに、しばらく経って同じ検査をしたら、違う結果が出るということもよくあります。

ひと昔前までは、アレルギーを起こしやすい食品は徹底的に除去するのが主流でした。しかしここ数年は、早いうちから少しずつ食べさせて体を慣れさせるなど、アレルギー対策も変化してきています。すべての食べ物に言えることですが、まずはごく少量を、朝か昼の食事で試してみて、赤ちゃんの様子をよく観察してください。ただし、アレルギーと診断されている場合は、くれぐれも独断で行わず、主治医と相談しながら進めましょう。

動きやすい服装を心がけて

寝返りをしたり、おすわりして遊んだり、赤ちゃんは一層活発になりますから、洋服は動きやすいものを選びましょう。また、赤ちゃんは汗をいっぱいかきます。ママより1枚少なめをめやすに、できるだけ薄着に(冬でも室内は暖房で暖かいので同様に)。素材は通気性、吸湿性のよい綿素材がいいでしょう。

ベストやカーディガンなどを重ね着すると、着せたり脱がせたりが簡単です。また、室内では冬でも靴下をはかせず、裸足で過ごしましょう。7~8ヶ月になると、ハイハイを始める赤ちゃんもいますが、裸足のほうがすべりにくくて、やりやすいのです。

B型ベビーカーが使えるようになる

赤ちゃんがおすわりできるようになると、コンパクトなB型ベビーカーが使えるようになります。ベビーカーを購入していなかった人は、この時期からなら安価なB型がおすすめ。かさばるA型からB型に買い替える人もいます。

すわる姿勢になると、これまでと違う景色が楽しめるようになります。ベビーカーが苦手だった赤ちゃんも、楽しんで乗れるようになるかもしれません。

ベビーカーは、寝てばかりだったころより、だんだん体重が増えてきて抱っこが大変になってくるころや、歩きはじめてからのほうが活躍シーンが多いのです。自分で歩きたい! でも、すぐに疲れてしまう……。そんなとき、コンパクトに持ち運べるB型ベビーカーがあると、親子ともに安心してお出かけができます。

産後7ヶ月のママの状態

生理が再開するママが増える

母乳育児のママは、ホルモンの関係で生理(月経)の再開は遅くなることが多いようです。完全母乳のママの中には、1歳を過ぎても生理がこないという人もいますが、多くの場合は産後7~8ヶ月たつと再開します。生理中は赤ちゃんのお風呂が大変になります。タンポンを使ったり、パートナーがいる時間にお風呂をお願いするなど、工夫も必要になってきます。

産後、生理が再開するのは、妊娠中は中断していた排卵のためのホルモンが再び働きはじめた証拠です。ただし、産後はじょじょにホルモンが働きはじめるため、最初から排卵を伴う正常な生理がきちんきちんと繰り返されるとは限りません。なかには無排卵のこともあって、周期が不規則だったり、少量ずつの出血が続いたりすることがあります。

こうしたときも、基礎体温表をつけていると、排卵のある生理なのか、無排卵なのかがわかります。育児中のママが毎朝、基礎体温を測るのは大変ですが、産後の体調をチェックしたい場合には2~3ヶ月間、基礎体温を測ってみてください。

なお、少量出血はほとんどが無排卵月経による症状ですが、ときには子宮腟部びらん、ポリープ、子宮頸ガンなどの可能性もあります。気になる時は、早めに産婦人科で診察を受けると安心です。

ママに触れないパートナーの場合

産後しばらくたっているのに、パートナーがセックスを求めてこない――。やさしい人の場合、「疲れているだろう」「その気になれないだろう」と、遠慮して求めないこともあるようです。あるいは、何回かママが拒絶していると、どうせ拒絶されるだろうと、誘わなくなっていることもあります。

度々セックスを拒否していると、心因性のED(勃起不全)になってしまうことも。ママはどうしても赤ちゃんのほうばかりを向きがちですが、夫婦の重要な絆であるセックスのことも大切に考えてみましょう。ママのほうから積極的に雰囲気を演出する気遣いも大切です。

便秘は早めに解消しよう

赤ちゃんの世話に追われると、ゆっくりトイレに入る時間もなくなります。とくに母乳のママは水分がとられるせいで、便が固くなり、便秘になりがちです。便秘は痔の最大の原因! 妊娠中から痔のあったママや出産をきっかけに痔になったママは、とくに早めに便秘を解消するようにしましょう。

便秘解消には、食物繊維を多く含む食品を食べる、朝食後など一定の時間にトイレタイムを作って排便のリズムを一定にする、便意を感じたらすぐにトイレに行くなどが大切ですが、忙しいママには難しいかも。でも、市販の食物繊維の機能食品を利用したり、朝起きたらすぐに、冷たい水や牛乳を飲むなどはできそうですね。便秘や痔がつらいときは、早めに薬を処方してもらうことも大切。お産した産婦人科に相談するといいでしょう。

便秘におすすめのエクササイズは、「ガスケアプローチ」。トイレに足台(ヨガブロックなど)をひとつ用意し、便座に腰掛けたら足をのせます。背中と太ももが90度以内になるようにするのです。こうすることで、肛門と直腸の位置がまっすぐになり、いきむことなく便がスムースに出やすくなります。力まずに「あー!」と声を出しながら排便をすると、骨盤底筋群への負担を減らし、尿もれなどの予防にもなります。

update : 2020.05.22

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