予防接種ここが心配Q&A
予防接種は、赤ちゃんを重い病気から守るもの。頭では分かっていても、副反応(予防接種の後に一時的に熱が出るなどの症状)のことや接種間隔のことなど、もろもろ不安は尽きませんね。ここでは、ママやパパが予防接種に対して抱く疑問にQ&A形式でお答えします。
監修者プロフィール
池田裕一先生
昭和大学藤が丘病院小児科診療科長
1995年昭和大学医学部卒業後、同大学藤が丘病院小児科に入局。
1998年~神奈川県立こども医療センター感染免疫腎内科、昭和大学医学部小児科講師、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF ,Children Hospital Oakland,CA, USA)客員研究員等を経て、現在は昭和大学医学部小児科学講座教授、昭和大学藤が丘病院小児科診療科長、昭和大学横浜市北部病院こどもセンター長(小児内科診療科長兼務)。
また、「尿トラブル外来」を担当、HPこどものおねしょとおもらし総合相談室「おしっこトラブルどっとこむ」や講演、執筆、TV出演(NHK)等、子どもの排尿の問題のほか、こどものすいみん総合相談室「すいみんトラブルどっとこむ」で子どもの睡眠問題に取り組んでいます。
予防接種のスケジュールに関するQ&A
せっかく綿密に立てたスケジュールなのに、ちっとも順調に進まないのはよくあること。すべてがマニュアルどおりにいかなくても大丈夫。焦らず着実に受けていってください。
Q.計画通りに予防接種を受けられなかったときは?
生後2ヶ月から始まる予防接種ですが、予定していたときになんらかの事情で受けることができなかった場合でも、定期接種の対象期間内であれば、公費で受けることができます。他のワクチンとの間隔の取り方が心配なときは、かかりつけの小児科でスケジュール全体の見直しの相談をするとよいですね。
ただし、ロタウイルスのように、初回を受ける時期が生後15週を過ぎると受けられなくなるものもあるので、その場合も小児科の先生と相談してみてください。
Q.同時に別のワクチンを接種できるの?
予防接種の種類によっては複数回受けなければならないものも多く、0歳で15回前後受けることになります。それを別々の日に受けることの方が大変。ワクチンの組み合わせによって同時接種することができるので、小児科の先生と相談してどれとどれをいつ一緒に受けられるか確認して、スケジュールを立てるとよいでしょう。
Q.予防接種を受けられる月齢は引っ越しても同じ?
予防接種を受けられる対象年齢は、予防接種法で決められているので、引越し先でも受けられる月齢自体が変わることはありません。ただし、集団接種を行っている自治体では、日時があらかじめ決められています。引越し先の保健所や役所に接種方法を問い合わせてみましょう。また、引っ越し先で予防接種を受ける際には、接種済みのワクチンについて母子健康手帳などを持参して伝えましょう。
Q.当日は何を持っていけばいい?
母子健康手帳と、自治体から送られてきた予防接種の案内を忘れずに。案内には「予診票」がついているので、当日の朝に赤ちゃんの様子を見て、あらかじめ記入をして行きます。接種の前には医師が問診しますので、赤ちゃんの体調など、気になることがあればここで相談しましょう。
Q.新型コロナウイルス対策が不安で予防接種に行きづらいですが…?
医療機関や予防接種を行う会場は、換気や消毒を十分に行うなど、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に努めています。新型コロナウイルスを恐れるあまり、もっと怖い病気から赤ちゃんを守るための予防接種を受けなかったり遅らせることは赤ちゃんのためになりませんね。
赤ちゃんの定期接種は対象の感染症にかかりやすい年齢などをもとに時期を決めているので、決められたタイミングで受けることを心がけてください。どうしても不安な場合は、行く予定の医療機関やかかりつけの小児科の先生に、予防接種を受ける場所がどうなっているか尋ねてみれば、ママやパパの不安が解消できるかもしれません。
赤ちゃんの体と予防接種に関するQ&A
一番の気がかりは、予防接種による赤ちゃんの体調への影響。赤ちゃんの体調や体質など、気になることはあらかじめ医師としっかり相談しておきましょう。
Q.予防接種に副反応があると聞いて心配
ワクチン接種後に体が反応して熱が出たり、皮膚が赤く腫れるなどの症状がでることがあり、これを「副反応」と言います。副反応は病気ではなく、症状も実際の病気に比べれば軽いもの。発生率も決して高くはないので、これを恐れるあまり予防接種を受けないというのは本末転倒です。とはいえ、重い副反応が起きる可能性がゼロというわけではありません。リスクを少しでも減らしたいなら、普段から赤ちゃんを診てもらっている、かかりつけの医師のもとで接種を受けるといいでしょう。
Q.あまり低月齢だと副反応が出やすい?
副反応が出やすい・出にくいということと、赤ちゃんの月齢とは関係がありません。低月齢の赤ちゃんがかかると重くなる可能性のある病気は、対象月齢(年齢)になったらなるべくすぐに受けることが原則です。
Q.予防接種を受けた後に気をつけることは?
予防接種後30分くらいは医療機関でお子さんの様子を観察するか、お医者さんとすぐに連絡をとれるようにしておきましょう。生ワクチンでは4週間、不活化ワクチンでは1週間、副反応がでていないか注意して観察してください。接種した場所は清潔を保つように。入浴はOKですが、接種した部分をこすらないようにしましょう。
また、当日は極度にはげしい運動は避けるようにしましょう。
接種後、接種した場所に異常な反応があったり、体調の変化があった場合は、すぐにお医者さんに相談してください。
Q.BCGの跡がジクジクしました
BCGの針の跡が膿をもつのはよくあることです。接種後2~3週間で赤いポツポツができ、4週間ほどでかさぶたになり、そのかさぶたも3ヶ月ほどで取れてしまいます。この間は清潔に保ち、できるだけ乾燥した状態にしてあげることが大切です。
監修/昭和大学藤が丘病院小児科診療科長 池田裕一先生
update : 2022.01.26
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