初めての内診は不安。内診では何をするの?痛みはない?
初めての診察のなかでも、特に気がかりなのが内診。妊婦さんなら誰でも必ず受けることだとわかっていても、デリケートなことなので不安になるのは当然のこと。何のために、どんなことを医師がしているのかがわかればそんな不安も少しはラクになるはずです。
監修者プロフィール
井上裕子先生
井上レディースクリニック 理事長・院長
医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本乳癌学会認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、母体保護法指定医師。
診療のかたわら、思春期から更年期の様々な女性に対しての講演活動、また、雑誌などに、出演、監修、執筆するなど多方面で活躍。
著書に「産婦人科の診療室から」(小学館)、「元気になるこころとからだ」(池田書店)、「赤ちゃんとお母さんのための妊娠中のごはん」(池田書店)など。
現在は、リボーンレディースクリニック 理事長、NPO法人マザーシップ 代表を兼務。
内診ってどんなところでするの?
内診をするには、「内診台」と呼ばれる専用の診察台に座って、脚を開いた状態で診察を受けます。内診台に座ることに最初は抵抗を感じてしまうかもしれませんが、「おなかの赤ちゃんを見てもらうんだ」と思って体の力を抜くことがポイントです。
写真・画像提供:井上レディスクリニック
内診台ってどんなもの?
内診台はリクライニングチェアに、両脚を乗せる支えがついたような専用台です。
所定の位置に足を乗せて座ると、背もたれが下がるとともに、脚の部分が上がっていくタイプや、座った姿勢からスイッチで自動的にイスが医師のいる方向にゆっくりと回転し、診察を受ける姿勢が自然とできあがるしくみのものなど、さまざまなタイプがあります。
内診台に座る際は、下着を脱いで座ることになります。
緊張しそうになったら「深呼吸」。
体の力を抜いて準備していれば、意外とあっという間に診察は終わりますよ!
これが内診台。大きなイス状の診察台です。
診察しやすいように姿勢が変わるしくみになっています。(この内診台の場合は、背もたれが後ろに下がり、脚の位置が上がるタイプ)
診察の様子がこちらから見えないように配慮し、カーテンなどで仕切られている産院も多いです。(医師側から見た様子)
上の写真の反対側(診察を受ける自分側)。カーテンで仕切られていると、医師と顔を合わせずに診察を受けられますね。
内診ってどんなふうにするの?
内診は通常、医師が直接体の内部に触れて診察することを指しますが、医師が直接触れるだけでなく、超音波診断装置の経膣プローブを使って子宮や卵巣など腹腔内の臓器を診察したり、膣内部の粘液や細胞を検査のために採取することもあります。
内診はどう進むの?
初診の内診では、主に以下のことが行われます。
医師の指による内診
医師が膣内に2本の指を入れて、もう片方の手をおなかにあてて、子宮の位置や形、かたさ、卵巣の腫れなどを診断します。またおりものの状態なども調べます。子宮や卵巣、膣に異常がないかを直接確かめる、とても重要な診察です。
※この検査の代わりに、腹式プローブによる超音波検査を行う場合もあります。
膣鏡による視診
膣の中を観察するために、膣鏡(クスコ)という器具を挿入し、膣や子宮頸管に異常がないか診察します。
内診時にほかにどんなことが行われるの?
医師が直接触れる内診以外に、膣式プローブや膣鏡(クスコ)を使った診察も行われます。
経膣プローブによる超音波検査
初診時の超音波検査は膣に棒状の超音波を発信する経膣プローブと呼ばれる装置を挿入して、子宮の内部や卵巣の様子をモニターで見る診察が行われることがあります。これによって胎児の状態や心音なども確認できます。
膣や子宮頸管の分泌物や細胞の採取
人間ドッグの婦人科検診で経験がある人もいると思いますが、長い綿棒やブラシのようなものを膣内部に入れて、分泌物や細胞を採取し、子宮頸ガンやクラミジア、B群溶連菌などの検査をします。
いずれも感染によるものなので、母体と赤ちゃんを守るために感染していないかを調べる大切な検査です。
いずれの検査も、全身の力を抜いてラクにしていれば、痛みを感じることなく進みます。けれど、内診によって微量の出血をするケースもありますので、備えとして生理用ナプキンを持参するとよいですね。
監修/井上レディースクリニック院長 井上裕子先生
update : 2022.07.27
- お気に入り機能はブラウザのcookieを使用しています。ご利用の際はcookieを有効にしてください。
また、iPhone、iPadのSafariにおいては「プライベートブラウズ」 機能をオフにしていただく必要があります - cookieをクリアすると、登録したお気に入りもクリアされます。