産褥体操の効果と目的とは?いつからやるの?
産後1ヶ月前後はできるだけ安静にして体の回復につとめることが大切ですが、適度な運動は、回復を助けてくれるものなのです。産後すぐに行えるのが産褥体操です。産褥体操の目的や効果について知っておきましょう。
監修者プロフィール
井上裕子先生
井上レディースクリニック 理事長・院長
医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本乳癌学会認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、母体保護法指定医師。
診療のかたわら、思春期から更年期の様々な女性に対しての講演活動、また、雑誌などに、出演、監修、執筆するなど多方面で活躍。
著書に「産婦人科の診療室から」(小学館)、「元気になるこころとからだ」(池田書店)、「赤ちゃんとお母さんのための妊娠中のごはん」(池田書店)など。
現在は、リボーンレディースクリニック 理事長、NPO法人マザーシップ 代表を兼務。
産褥(さんじょく)体操とは?
産褥体操とは、産後すぐから始められる、産婦さんの体の回復に役立つ体操のこと。体操と聞くとハードなもののような気がしてしまいますが、産褥体操は寝ながら足先をちょっと動かす程度の軽い動きからスタートして、少しずつ運動量を増やしていく体にやさしい体操で、産院で指導されることが多いです。
産後は、体を休める時期なので、できるだけ安静にしておいたほうが良いのですが、全く動かないのも回復が遅れる原因になるものなのです。布団の中でもできる軽度な運動なのですが、いろいろな効果を期待できます。
★体型をスマートに戻すためのエクササイズとは目的や方法が異なります。体型を戻すためのエクササイズは、体の中が回復してから行うようにしましょう。
産褥体操をするとどんな良いことがあるの?
では、具体的にどのような効果があるのか見てみましょう。
- 悪露の排泄を良くしてくれます。
- 妊娠、出産によって緩んでしまった筋肉を引き締めてくれます。
- お産の疲れを早く回復させてくれます。
- 母乳の分泌を良くする効果も。
- 便秘の予防にもなります。
- 子宮の収縮や骨盤の引き締めを促します。
- 体を動かすことが気分転換になることも。
- 産後の尿もれ予防にもなります。
いつから始めればいいの?
産後、特に問題がなければ、分娩当日から始められます。ただし、分娩の経過やママの体質にもよるので、助産師さんや産院のスタッフと相談しながら進めていきましょう。
産褥体操を行うときの注意点
産褥体操はいろいろな効果があるので、できれば行いたいものですが、絶対にしなければいけないというものではありません。体調が悪いときや、疲れてきたら無理せず中断してくださいね。また、食後すぐや眠いときも避けたほうが良いでしょう。無理して回数を増やす必要もありません。
日々、誰にでもできるエクササイズとしては、姿勢よく歩くこと。出産後は前かがみで赤ちゃんのお世話をすることが多く、たるんだおなかは余計楽な姿勢に慣れてしまいます。背筋をしゃんと伸ばして歩くことから始めることもおすすめです。
少しでも気になることがあったら、すぐに産院に相談してくださいね。
妊娠で腹筋がゆるんだため、腰痛や恥骨痛を感じるママも多いです。軽めの場合は産後に腹帯を使用したり、姿勢をよくする骨盤ベルトなどの使用もおすすめです。
update : 2023.03.01
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