妊娠したらおっぱいはどう変わる?乳首のお手入れ方法は?
妊娠すると、バストにも変化が出てきます。赤ちゃんための「おっぱい」の準備が始まるのですね。おっぱいは赤ちゃんために欠かせないとても大切な器官だと、妊婦さんが感じるきっかけにもなります。
出産後の母乳授乳のことも考慮して、妊娠中からおっぱい、特に乳頭・乳輪部のお手入れを始めましょう!
監修者プロフィール
井上裕子先生
井上レディースクリニック 理事長・院長
医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本乳癌学会認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、母体保護法指定医師。
診療のかたわら、思春期から更年期の様々な女性に対しての講演活動、また、雑誌などに、出演、監修、執筆するなど多方面で活躍。
著書に「産婦人科の診療室から」(小学館)、「元気になるこころとからだ」(池田書店)、「赤ちゃんとお母さんのための妊娠中のごはん」(池田書店)など。
現在は、リボーンレディースクリニック 理事長、NPO法人マザーシップ 代表を兼務。
おっぱいの変化はいつごろから?
妊娠の徴候として、乳頭が敏感になる人もいます。
また妊娠とともに乳頭や乳輪の色が濃くなることも。妊娠中は母乳が出るわけではないのに乳房が大きくなりますね。気になるおっぱいまわりの変化を見てみましょう。
妊娠初期の変化
乳頭や乳輪の変化が、妊娠の徴候として現れるケースも少なくありません。ということは、妊娠してすぐに変化が始まるデリケートな部位でもあるということ。
妊娠の徴候としてみられる乳頭・乳輪の変化は以下のようなことです。
敏感になる
乳頭が下着や衣服に触れるだけで違和感を覚えたり、チクチク感じることがあります。乳腺が発達し始めることによるようです。
色が濃くなる
妊娠によるホルモンバランスの変化で、メラニン色素が増加し、乳頭や乳輪が黒ずんだように濃くなってきます。
※この時期(妊娠15週以内)までに、乳ガンの超音波検査も必ず済ませましょう!
妊娠中期から後期の変化
乳房が大きくなることで、おなか同様に妊娠線ができることがありますので、乳房も保湿クリームなどでスキンケアしておくとよいですね。
乳房が大きくなる
乳頭が下着や衣服に触れるだけで違和感を覚えたり、チクチク感じることがあります。乳腺が発達し始めることによるようです。
乳汁が出ることがある
乳腺の発達により、乳頭に刺激が加わることで、少量の乳汁(乳白色の分泌物)が出ることもあります。
妊娠線ができることも
妊娠線は、表面の皮膚の伸びにその下の真皮や皮下組織の伸びがついていけずに裂けてしまってできます。お腹だけでなく、妊娠後期におっぱいが急に大きくなることで、バストまわりも妊娠線ができやすい場所。乾燥すると妊娠線ができやすくなるので、お腹と同様にローションやクリームでおっぱいの保湿も忘れずに。
おっぱい(乳頭)のお手入れは?
おっぱいから出る母乳は、赤ちゃんにとっては 最高の栄養源となります。出産後、スムーズに母乳授乳を始めるためにも妊娠中に乳頭や乳輪のお手入れが大切です。
お手入れはなぜ大切?
出産後、ママのおっぱいは自然に母乳で張ってきますが、母乳の出方には個人差があります。出方の違いの理由に、乳頭の形の違い、乳腺(乳管)の開通具合があげられます。
乳頭の形は人ぞれぞれ。ただ、赤ちゃんにとっては吸いやすい形と、そうでない形があるようです。乳頭が陥没していたり、扁平だと、赤ちゃんが吸いにくいようです。
乳腺や乳口の状態
乳腺や乳口がつまっていることで、母乳の通りが悪く、出にくいことがあるようです。
乳頭・乳輪のお手入れ
赤ちゃんが吸いやすく、母乳が出やすいおっぱいの状態にしておくために、安定期に入る妊娠中期(20週ごろ)から乳頭や乳輪部のマッサージをしましょう。また、陥没や扁平の乳首の矯正のための器具もあります。
- ※ただし妊娠中の体はデリケート。乳頭のマッサージは乳汁を絞り出す働きをするホルモンであるオキシトシンの分泌を促します。このオキシトシンは子宮を収縮させる作用もあります。マッサージの刺激がおなかの張りを促す場合もあるので、マッサージや器具を使う前に、医師や助産師さんの指導を必ず受けましょう。
- ※医師から切迫早産の治療と指導をされている方は、乳頭のお手入れは妊娠10ヶ月の36週目以降にしましょう。
乳頭のマッサージ
乳頭や乳輪のマッサージは、入浴後に行うと肌が柔らかく効果的です。
片手で乳房をささえ、反対側の指で乳輪部からつまんで、左右に少しずつもみます。
乳輪部がやわらかくなったら乳頭の方に押し出すようにほぐします。
乳頭をつまんで軽く引っ張ります。
- ※乳頭・乳輪マッサージを始める前に、手や乳房は清潔にしておきましょう。
また、乳頭を刺激するとおなかが張ってくることがあるので、その場合はすぐに中止してください。
妊娠中のおっぱいを守るインナーは?
妊娠前のバスト用には、バストがきれいに見えるためのブラジャーをしていた人も多いと思いますが、妊娠中はボディメイクより乳腺の発達が優先です!
妊娠中のブラジャーは?
妊娠中は、乳頭が過敏になったり、サイズが急に大きくなったりするため、普段のブラジャーではなくマタニティ用に作られたインナーを着けるとラクで安心です。
マタニティ用インナーの特徴は?
変化するバストサイズに合わせられるよう、段階調節が普通のブラジャーよりも幅広くできたり、バストを締め付けない素材や構造に工夫があります。
また妊娠中から産後の授乳期まで使えるもの(授乳がしやすいように前部が開くタイプ)もあります。
また、ブラジャーよりも圧迫感が少ないハーフトップと呼ばれるインナーもあります。
マタニティ用インナーに切り替える時期は?
体型の変化が外からわかるようになった時期、つまり妊娠中期に入ったころが替えどきです。ただ、体型に変化が出る前のつわりがつらいときに、締め付けが強いブラジャーをしていることで胃や胸に圧迫感を覚えることがあるので、その場合は早めに切り替え、体型の変化に合わせて少しずつ買い足してもよいでしょう。
妊娠中の乳房ケアはブレスト・アウェアネス(自分の乳房をチェックしたり意識したりする生活習慣)の第一歩でもあります。自分の乳房のタイプを知り、見て、触れて、将来ママになり授乳するためだけでなく、乳がんのセルフチェックにもつなげていきましょう。
監修/井上レディースクリニック院長 井上裕子先生
はじめてのおむつ交換もあんしんの「おしりガイド」をご存じですか?
ムーニーは、赤ちゃんのおしりを置く場所がひと目で確認できる「おしりガイド」で、ママもパパも誰でも正しく簡単におむつ替えができます。
update : 2022.06.14
- お気に入り機能はブラウザのcookieを使用しています。ご利用の際はcookieを有効にしてください。
また、iPhone、iPadのSafariにおいては「プライベートブラウズ」 機能をオフにしていただく必要があります - cookieをクリアすると、登録したお気に入りもクリアされます。