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子宮の位置と隣の臓器との窮屈な関係

おなかの赤ちゃんが大きくなるにつれ、ママはおしっこが近くなったり、くしゃみでおしっこがチョロッともれてしまったりすることがあります。そうかと思えば、「3日も4日もうんちが出ない」「痔になってしまった」といった症状に悩まされることも…。こうした症状は、妊娠中には仕方のないことなのでしょうか?
ここでは、妊婦を悩ませるこうした症状の原因を探ります。膀胱や腸といった子宮周辺の臓器のことを知って、悩みの対処方法を学びましょう!

監修者プロフィール

小川博康先生
小川クリニック院長

日本医科大学卒。同大学産婦人科学教室、私学共済下谷病院、恩賜財団母子愛育会愛育病院、横浜赤十字病院副部長などを経て、現職。子宮内胎児交換輸血、一絨毛膜双胎一児死亡例の選択的胎内手術など、世界で一例しか成功していない症例の主治医。優しくも、ときに厳しく本音で語るドクターとして信頼は厚い。主な著書に、『安産をめざすママ&パパへ 妊娠・出産カレンダー』『「安全神話」の過信が招く妊娠・出産の“落とし穴”』(ともに幻冬舎)。監修の『増補改訂版 てるてる天使の妊娠出産百科ハッピーマタニティ』(学研プラス)は、大人気のロングセラー。

頻尿、尿もれの原因は、膀胱の変形

妊娠前と妊娠中のおなかの中を見てみましょう。膀胱は子宮のすぐ隣にあります。妊娠するとどんどん大きくなっていく子宮におされて、膀胱は細長く扁平になっていきます。伸びも悪くなって、ためられる尿の量も少なくなります。だから、1日に何度も何度もトイレに行きたくなるのです。

妊娠した子宮の影響で、尿管(腎臓から膀胱に続く管)も、広がっています。もともと男性に比べて弱い尿道近くの筋肉(尿道括約筋)も、さらに弱くなって、しまりがなくなっています。妊娠中に増えるエストロゲンなどのホルモンの影響なのです。

くしゃみやせきをしただけで、尿もれが起こるのは、妊娠中はある程度しかたないことなのです。

尿もれは、体を守る防御反応

とはいっても、ちょくちょくトイレに立つのは面倒だし、ふとした拍子におしっこをもらしてしまうのは、情けない・・・・・・。

でも、もし妊娠中に、頻尿にも尿もれにもならなかったら、どうなるでしょう?

膀胱は、相変わらず子宮に圧迫されていますから、たまった尿が、ふとした拍子に外に出ないで、腎臓に逆流してしまいます。妊娠中は膀胱に残った尿に雑菌が繁殖して膀胱炎になりやすいので、逆流したときにその雑菌まで腎臓に入り込むと、腎盂炎を起こしかねません。

また、分娩のときに尿が膀胱にたまったままになっていると、赤ちゃんが出てくるときに圧迫されて、膀胱や尿道がダメージを受けてしまうこともあるのです。

こう考えると、頻尿も尿もれも、そんなに嫌うべき症状ではなくなるのではないでしょうか? どちらも、妊娠中の体を守るために必要な防御反応なのですから。それに子宮の中にいるのは、愛しい赤ちゃん。その赤ちゃんが大きくなっている証拠なのですから、あまり神経質に病的に考えすぎないようにしましょう。

まめにトイレに行って、おしっこをためない。おしっこしたいという感覚も鈍くなっているので、はっきりとした尿意がなくても、定期的にトイレに行く習慣をつける。だからといって、腹圧をかけて無理にいきんでおしっこを出したりすると、後々の尿もれの回復に影響します。生理用ナプキンをあてることが多いようですが、これだと股間に尿の湿り気が残ります。尿吸収専用のパッドをつけて備えることで乗り切っていきましょう。

腸や肛門も圧迫されて、便秘や痔に

妊娠中のおなかの中を見れば、膀胱だけでなく、腸も圧迫されているのがわかります。縮こまった腸は働きが鈍くなり、血流も悪くなります。水分の代謝も変わるので、便が硬くなって出にくくなるのです。さらに、硬い便は痔も悪化させてしまいます。妊娠中は、肛門周辺にも、むくみがあるので、なおさら痔になりやすいのです。

妊娠中に起こりがちな痔の正体は、じつは痔核と呼ばれる、血管(静脈)がこぶのようになったものがメインです。妊婦の多くが、この痔核に悩まされています。

妊娠中の血流量は、出産時の出血に備えて、妊娠前の1.4倍にも増えています。骨盤内の血管も増えて拡大して太くなっています。糸のように細かった血管は、楊枝(ようじ)くらいの太さになり、楊枝ほどの血管はお箸の太さに、お箸の太さの血管は指1本分くらいの太さに変化しています。肛門付近には、とくに網の目のように血管が張り巡らされているので、これらの血管が膨らんで、痔核になりやすいのです。

妊娠中は、食物繊維が豊富な食べ物や乳酸菌をとるように心がけて、便秘しないようにすること。朝、起きたら、一杯のドリンクを飲む、朝食をきちんととる、などして排便の習慣をつけるようにしましょう。また、長い時間歩いたり、立ちっぱなし、座りっぱなしなどを避けて、日常生活の中で、骨盤内の血流を促しましょう。これが、便秘と痔を予防する、いちばんの方法です。

胃、心臓や肺までも変形している

大きくなった子宮に圧迫されているのは、膀胱や腸だけではありません。胃やその上にある心臓、肺までも押し上げています。

妊娠前に、縦長に配置されていた胃は、持ち上げられて横位置に近くなります。そのため、胃液の流れが悪くなって、ぜん動もうまくいかなくなります。むかむかしたり、食欲が沸かなかったりするのは、このせいもあったのです。げっぷとともに、吐くような感じになるのは、胃が横になっているために、胃の中の空気がスムーズに出てこられないからです。

子宮は、さらに横隔膜全体を押し上げ、心臓や肺のカタチまで扁平にします。そのために、心臓はときに頻脈や不整脈を起こし、肺活量も小さくなります。妊娠中はちょっと動いただけなのに、ドキドキしたり、ハアハアしてしまう理由は、ここにあったのです。

産後はどうなる?

赤ちゃんが子宮を飛び出し、子宮がもとに戻れば、頻尿や尿もれ、便秘や痔は、たいてい元に戻っていきます。胃もすっきり、心臓や肺も元の大きさに戻ります。

ただし、妊娠中に症状を悪化させないことが大事です。便秘などは習慣化するものですし、痔を悪化させれば、産後も尾をひいてしまいます。

出産時には、赤ちゃんを出すために、尿道や肛門、腟まわりの骨盤底筋群と呼ばれる組織が、どうしてもダメージを受けます。そのダメージがひどいと、産後の尿もれや脱肛などの原因になります。

骨盤底筋のダメージは、お産のときに分娩の流れをスムーズに進めることで減らすことができます。産褥期はできるだけ養生し、産後3週間以降を目安に骨盤底筋群を強化する体操で、しっかり回復をはかることも、たいせつです。

update : 2020.06.22

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