妊娠後期(妊娠28週~40週)の過ごし方とは?症状や気をつけたほうがいいことを解説

妊娠28週から妊娠8ヶ月、妊娠後期に入りました。胎児は、眉毛やまつ毛、爪など細部までも完成形に近づき、呼吸に似た運動をしたり、ウンチを作ったり、各臓器の働き方を練習しています。急ピッチで仕上げに入った胎児のエネルギー源は、母体からもらうブドウ糖。そのため、急に甘い物が欲しくなったりするでしょう。でも、食べ過ぎ、急激な体重増加に気をつけましょう。この時期のママの過ごし方、お産の準備などについて、島岡昌幸先生にアドバイスいただきました。
監修者プロフィール
島岡昌幸先生
島岡医院(京都市南区)院長
「母と子がハッピーになってほしい」と願い、専門の周産期医療はもとより、育児や子どもの皮膚のことなど、日夜勉強を重ねている。母と子が集い学び楽しむ「親育ち、子育ち」の場も多数企画。1970年関西医科大学医学部卒業。同大学附属病院産科主任、大阪府済生会泉尾病院産婦人科医長、奈良東生駒病院初代院長を経て、1983年、島岡医院院長。
妊娠後期はいつから?
妊娠28週から40週までが妊娠後期。妊娠8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月です。おなかはますます大きく、前にせり出してきます。おなかの赤ちゃんは、骨格、筋肉、内臓、脳など全ての機能が充実。髪も爪も眉毛やまつ毛も、伸びてきます。足のつりや腰痛などで、しんどいことが増えると思いますが、自分をいたわりながら、赤ちゃんを待ちましょう。
妊娠後期(妊娠28週~31週)の胎児の様子
妊娠28週:エコー写真は、もうすっかり赤ちゃん!
妊娠28週0日の胎児の大きさ/推定体重853g~1473g(*)
妊娠28週5日の3Dのエコー写真です。まぶたを閉じて眠っているのでしょうか。鼻筋が通り、口元もふっくらしてきて、もうすっかり赤ちゃん。目はだれ似? 鼻は? 口元はどっち? そんなことも気になって、会いたさが募ります。
妊娠28週:主な臓器の形や働きがほぼ整う
妊娠28週くらいになると、胎児の心臓の働きがほぼ整います。超音波検査でも、右心房、右心室、左心房、左心室、の4つの部屋に分かれているのをはっきりと見ることができます。
胎児の肺はまだ休眠中ですが、横隔膜(おうかくまく)が動いて、呼吸に似た「呼吸様運動」をしているのもわかります。
肺の仕事は、酸素と二酸化炭素を交換することですが、肺そのものは自分の力で空気を吸い込んだり吐き出したりできません。その役目は、肋骨の間の筋肉と横隔膜が担当します。ですから、超音波検査で横隔膜が動いているのが見えると、赤ちゃんは誕生に備えて呼吸の準備運動をしている!とわかるのです。
こうして、胎児の体を構成するさまざまな臓器が完成形に近づき、働き方を練習しています。
ぴくぴく小刻みな胎動は、しゃっくり?
「ぴくぴくっ」という小さな動きを連続して感じることがあります。ちょっと心配になりますね。でもこれは、横隔膜が痙攣したことでおこる「しゃっくり」のようなもの。妊婦のテキストには、胎動の種類として「しゃっくり」と明記していることもあります。心配しないで大丈夫です。
妊娠29週:ウンチも少し作られ始める
妊娠29週0日の胎児の大きさ/推定体重972g~1653g(*)
胃や腸などの消化器官の働きがほぼ完成に近づき、うんちがほんの少しだけ、作られ始めます。このうんちは生まれたあとに排泄されます。緑色がかった黒いうんちで、「胎便」と呼ばれています。
うんちのもとは、胎児が飲みこんだ羊水に含まれる小さな固形物です。胎脂や抜けたうぶ毛、剥がれた皮膚のカケラなど。消化管からの分泌液や胆汁などと混ざって少しずつたまっていきます。
赤ちゃんは誕生までウンチしないの?
羊水の中でウンチをしてしまうと、羊水が汚れてしまうので、胎児は誕生まではウンチを押し出す肛門括約筋をキュッと閉じています。しかし、酸素不足などで苦しくなると、ウンチをもらしてしまうことがあります。
妊娠30週:頭を下にした姿勢に落ち着くころ
妊娠30週0日の胎児の大きさ/推定体重1098g~1842g(*)
妊娠28週ごろまでの胎児は、羊水の中でクルクル回転しています。頭を上にしたり(骨盤位)、頭を下にしたり(頭位)…。それが妊娠30週ころには、ほとんどが頭を下にした「頭位」の姿勢に落ち着きます。
胎児が頭位になるワケは?
体が大きくなった胎児にとって、子宮はかなり狭くて窮屈になってきました。体の中で一番大きくて重いのが頭なので、ゆとりのある骨盤の中に収める頭位の姿勢が、自然で楽なのでしょう。それに生まれるときは、固い丸い頭蓋骨を先頭にして下りてくるのがベスト! 胎児にとって、頭位はとても合理的な姿勢なのです。
妊娠31週:胎児の体重は直線的に増加
妊娠31週0日の胎児の大きさ/推定体重1231g~2039g(*)
このころから胎児の体重は、直線的に増えていきます。皮下脂肪もついて、少しふっくらしてきます。ただ、顔にはほとんど脂肪がなくて、シワっぽい顔つきです。医学用語では「老人様顔貌(がんぼう)」と言われています。
妊娠後期(妊娠28週~31週)ママの状態
母体のエネルギー配分が変わり、甘いものが欲しくなる
妊娠28週からの妊娠後期に入ると、胎児の成長は、ぐんぐん勢いを増していきます。母体の脂肪からつくられるブドウ糖も、優先的に胎児に送られるようになります。母体のエネルギー配分が変わるのです。ママは急に甘い食べ物を欲するようになり、今まで辛党だった人もスイーツが食べたくなることがあるでしょう。
さらに、この時期は、赤ちゃんが骨盤に頭を入れた頭位の位置に落ち着いてくるので、圧迫されていた胃袋にも空きが出てきて、食欲が湧いてきます。妊娠後期に必要なカロリーも、妊娠前のプラス450kcalになります。
でも、甘い誘惑に負けて、食欲にまかせて食べ過ぎないようにしましょう。ケーキやチョコレート、アイスクリームなどは、それだけで必要カロリーのプラス分に達してしまうものもあります。プラス分は栄養バランスのよい食事を適量増やす、という意味です。できるだけいつもの食事、ご飯やおかずなどから摂るようにしましょう。
「この時期に、お母さんの体重が急激に増えると、赤ちゃんにも大きくなるスイッチが入ってしまうと言われています」(島岡先生)
母親が太り過ぎると、産道にも脂肪がついて狭くなります。そこに、お産で大きい赤ちゃんが通ろうとすれば、引っかかって出にくくなったり、肩をケガしたり、心拍が下がったり…。ママの頸管や会陰が切れたり、時間が経っても産まれなくて帝王切開になったり…。母子ともにリスクが高くなるのです。
「母体にとっても赤ちゃんにとっても、太り過ぎていいことはないので、妊娠28週に入ったら、気をつけましょう。そうすると、あとがラクです。日本人の場合、36週に入ったら体重を増やさないことが望ましいと思います」(島岡先生)
「甘いものが食べたい」「もっと食べたい」欲求は、妊娠31週頃には、落ち着いてくることが多いので、それまでなんとかセーブしていきましょう。
むくみやすくなるのは、なぜ?
足のすねの部分を指で押してから放すと、すぐに戻らずにくぼみが残ることがあります。これが「むくみ」で、医学用語では「浮腫(ふしゅ)」と言います。血液中の水分が血管の壁から染み出てきて、皮膚の下にたまった状態です。
妊娠後期、母体は血液中の水分量(血漿/けっしょう)を増やして、血液の循環量を増やします。生理的な水血症(すいけつしょう)といって、ねっとりしがちな血液をサラサラにして血行をよくする、血圧を上げない、などのために大切な体のしくみです。
左側を下にして、横向きで寝てみよう
むくむ理由はわかっても、足がパンパンに張るのは、やっぱりつらい。そんなときは、足の下にクッションなどを置いて、足を高くして寝てみましょう。また、体の左側を下にして横向きに寝てみましょう。大きくなった子宮が下大静脈を圧迫するのを防いで、下半身から心臓へ戻る血液の流れがよくなり、むくみがとれやすくなります。
ときどき、おなかが張るように
「おなかが張る」というのは、痛みがなく、おなかが少し固くなる状態のこと。妊娠後期に入ると1日に何回か、とくに夕方になるとおなかが張ることがあります。働いていたり、立ち仕事が多かったり、上の子の世話に忙しかったりすると、張りやすいでしょう。横になって安静にすると、ほとんどの場合、じきに張りがとれてきます。
こうした張りは心配ありませんが、張りが続くようなときは、すぐに受診が必要な「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」かもしれません。
「常位胎盤早期剥離」のサインは?
常位胎盤早期剥離は、名前の通り、正常な位置にある胎盤が、早い段階で剥がれてしまうトラブルです。胎盤は本来、赤ちゃんが子宮の外に出て産声(うぶごえ)をあげ、役目を終えた段階で剥がれるもの。まだ胎内にいて肺呼吸できないときに剝がれてしまうと、赤ちゃんの命に関わります。多くは妊娠30週以降に起こっています。
次のような症状があったら、急いで受診してください。
おなかの張りが、いつもと違う
- いつもはおなかが張っても横になると元に戻るのに、張りっぱなし
- おなかの張りを「重い」と感じ、それが続く
- 張らないときのおなかは風船にたとえると、空気が抜けてふにゃっとした感じなのに、風船がパンパンに張っているときのように固いと感じる
子宮内の圧が上がり、呼吸が苦しい
- 喉や胸のあたりがつかえるような感じ
- 息苦しい、呼吸が苦しい感じがする
妊娠後期(妊娠28週~31週)のママがしたほうがいいこと
栄養バランスのよい食事を心掛ける
赤ちゃんの体は細胞の数が増えるとともに、細胞そのものが大きくなることで発育していきます。妊娠16週ごろまでは細胞数が増える時期、妊娠17~32週ごろは細胞数が増えるとともに細胞が大きくなる時期、妊娠33週以降、細胞数はほとんど増えず、細胞が大きくなる時期です。
ママが毎日食べる食べ物が赤ちゃんの細胞を作り、摂取する栄養が赤ちゃんの体を作ります。栄養バランスのよい食事はおなかの赤ちゃんへの贈り物です。おなかの赤ちゃんをイメージしながら、できるだけ化学物質を使わない安心安全なものを食べるようにしましょう。
好き嫌いのない赤ちゃんにするには?
赤ちゃんの好き嫌いには2種類あります。ひとつは生き物として自分の身を守る好き嫌いです。甘味や旨味を好むのは赤ちゃん共通! 成長に必要な栄養を多く含むと知っているからです。逆に苦味や酸味を嫌うのは、毒を含んだ食べ物や腐敗した食べ物を避ける遺伝子の知恵です。
もうひとつは、ママの食生活の影響です。誕生後の赤ちゃんは、妊娠中にママが食べた食べ物の味を好むという説があります。たとえば、ニンジンジュースを好んで飲んだママの赤ちゃんには、ニンジン嫌いが少ないという研究があるのです。ママが好き嫌いのない赤ちゃんを産みたいと思っているのであれば、ママ自身が、好き嫌いなく食べるといいのかもしれません。
小分け食べで、適正な体重増加
妊娠全期間を通しての体重増加の目安は、妊娠前の体格によって違ってきます。妊娠後期に入ったこの時期に、BMI(体格指数)を計算して、自分の目安を知っておきましょう。
■BMI=妊娠前の体重kg÷(身長m×身長m)
妊娠前の体格 | 体重増加指導量の目安 | |
---|---|---|
低体重 | 18.5未満 | 12~15kg |
普通体重 | 18.5以上25.0未満 | 10~13kg |
肥満(1度) | 25.0以上30.0未満 | 7~10kg |
肥満(2度以上) | 30.0以上 | 個別対応(上限5kgまでが目安) |
出典:厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」より(2021年3月)
2021年の厚生労働省の改定で、体重増加の目安は、だいぶゆるやかになりました。でも、やはり急激な体重増加には、リスクが伴います。体重の増え過ぎが心配なときは、1日の食事量を4回ぐらいに分けて食べてみましょう。朝食、昼食はいつも通りにして、夕食を2回に分けるといいでしょう。眠る前は空腹を抑える程度の少量にします。1回の食事量は増えないように注意しましょう。
早産を予防しよう
赤ちゃんが妊娠37週よりも早く生まれてしまうのが早産です。日本の新生児医療はとても進歩しています。適切な管理を受けると、体重1000gくらいの赤ちゃんも、ほぼ無事に育つようになりました。
早産の赤ちゃんが無事に育つかどうかは、体重と臓器機能の成熟度に左右されます。とくに大切なのが、外界に適応できる肺呼吸の成熟度です。そのためにも、肺機能が整う妊娠34週まではおなかの中にいた方がいいのです。早く生まれて高度な集中医療の助けを借りることになると、赤ちゃんと離れている時間が長くなります。そうした理由から正期産(妊娠37~41週)で生んであげたほうがいいのです。
そのためには、まずは無理をしないこと。心身ともにリラックスを心がけること。妊婦健診はきちんと受けること。「いつもとなにか違う」と感じたら、迷わずに医師の診察を受けること。
とくに、多胎や妊娠高血圧、妊娠糖尿病、子宮頸管無力症、前置胎盤…など、早産リスクのある人は、医師のアドバイスに従って、注意深く、妊娠後期を乗り切っていきましょう。
ただ、これまでは順調でも、なにが起こるかわからないのが、お産です。ですからトラブルの兆候を見逃さないことです。早産のリスクを最小限にするために、できることがあります。それは、「おりものチェック」です。
自分でできる早産予防「おりものチェック」
「早産リスクを減らすためには、おりものを増やさないこと」(島岡先生)。
「トイレや入浴の際に、下着におりもののシミがないか見るクセをつけましょう」。白や黄色、黄緑色など色がついていたり、水っぽかったり、においなどあればもちろんですが、どんなシミでも、いつもと違うと思ったら医師に相談しましょう。
下着についたおりもののシミは、腟内の細菌バランスの状態を表わしています。腟内の細菌バランスが崩れて細菌性腟症になり、細菌が子宮の卵膜に感染すると、早産の引き金になるのです。早産の大半は、この卵膜の炎症(絨毛膜羊膜炎/CAM)が原因ですから、下着のおりもののシミは侮れません。
「妊娠中のセックスもさまざまなリスクがあるので控えたほうがいいでしょう。」(島岡先生)
おりもののほか、次のような症状にも注意しましょう。
□おなかの張りが、なかなか治まらない
□おなかが硬くなってきた
□微熱がある
□脈が少し速い
こうした症状が見られたら、かかりつけ医を受診してください。
早産予防のサプリメントがある!?
腟内の細菌のバランスが崩れて、「細菌性腟症」と診断されたら、どうしたらいいのでしょう?
「最近は効果的なサプリメントが出てきました。プロバイオティクスです」(島岡先生)
プロバイオティクスとは、味噌や納豆、糠漬け、ヨーグルトなどの発酵食品に含まれている乳酸菌やビフィズス菌など、生きた微生物のこと。腸内環境をよくしたり、免疫を高めたり、腟内の環境を整えてくれたり…。これを手軽なサプリメントにしたものがあるのです。
保険が効かないので少し高いのですが、試してみるといいと思います。
後期母親学級に参加しよう
妊娠後期に入ると、ママの体は心臓や腎臓など内臓への負担が大きくなります。腰痛などのマイナートラブルも目立ってきます。そろそろ出産の準備を始めましょう。お産が近づいた兆しや、お産が始まるサイン、進み方についても勉強しておきましょう。
後期母親学級では、妊娠後期のママの体調や起こりやすいトラブル、マイナートラブルへの対処法などについて勉強できます。病院主催なら、陣痛室や分娩室を見学したり、お産直後のママの話を聞ける場合もありますから、積極的に参加しましょう。
立ち会い出産を希望する場合は、注意事項などをもう一度、確認しましょう。病院によっては、両親学級への参加を条件にしているところもあります。
赤ちゃん用品の準備を始めよう
肌着やタオル、おくるみ、おむつ、ベッドやふとんなど、赤ちゃん用品のあれこれを揃えていきましょう。「入院のときに持っていくもの」「退院後すぐに必要なもの」「退院後しばらくたってからでも間に合うもの」など、リストを作りながら準備するといいでしょう。先輩ママから、買うものとリースですむもの、便利だったもの、買ったけど使わなかったものなど、いろいろな話を聞けるといいですね。
「出産入院のための準備用品」は、病院によって多少違います。妊婦健診や母親学級でもらうリストなどを参考に、必要品をそろえ、ひとまとめにしてバッグに入れておくといいでしょう。『妊娠から出産・入院準備に必要なものリスト』もぜひ、参考にしてください。
妊娠後期(妊娠32週~35週)の特徴・気をつけること
妊娠9ヶ月(32~35週)は、体がますます重たくなって、動悸や息切れ、胃もたれ、尿もれ、足のつり…など、しんどくなってきます。骨盤が痛くなったり、ひざや手首に力が入らなくなったりするのは、全身の靭帯が緩みだしているから。お産に備えているのです。赤ちゃんもほぼ完成に近づいて、34週には肺機能も成熟。いつ生まれても外で肺呼吸できる状態になります。
お産に備えて、用意するもの、やっておきたいこと、気をつけたいことなど、最終チェックしていきましょう。
入院の準備
出産予定日は、あくまで予定。いつ、何が起きるかわかりません。妊娠9ヶ月になったら、いつ生まれてもいいように準備しましょう。またお産をサポートしてくれるパートナーや家族とも、情報を共有しておきましょう。
妊娠36週までにやっておいた方がいいことリスト
□入院準備(入院に必要なもの、産後必要なもの)
お産に必要なものをリストアップして用意しましょう。リストは、病院や両親学級でもらう資料、妊娠出産本、ムーニーにも「出産準備リスト」があるので、参考に。病院が「お産セット」を用意してくれるところも多いので、ダブらないように。また、退院後に家で「ママが使うもの」「赤ちゃんに使うもの」…なども、分けて用意しておきましょう。
□ネイルをとる
お産のときには、血中の酸素濃度や脈拍を計るためにパルスメーターを使うことがあります。小さな機器に人指し指を入れて計測します。ネイルをしていると正しい数値が出ないことがあるので、取っておきましょう。長い爪、ネイルストーンなどで凸凹した爪は、赤ちゃんのお世話にも不向きです。
□指輪を外す
妊娠後期はむくみやすい時期。指輪がきつくなって取れなくなることもあるので、外しておくといいでしょう。
□パートナーや家族と情報共有
病院の連絡先、交通手段、夜間出入口などを確認し、家族と共有しておきましょう。パパや実家などから手伝いに来てくれる家族などのために、ゴミ出しの日や回覧板の回し方など、貼り紙にしておくのも、いいですね。
里帰りの準備・移動
里帰り出産をする人は、妊娠34週までに帰りましょう。そうすれば、36週から週1ぺースになる妊婦健診を、里帰り先の病院で受けることができます。医師は妊娠経過を診ることで、リスクを予測してトラブルを最小限にすることができるのです。健診はしっかり受けましょう。
里帰り出産のポイント
里帰りするときは、体への負担をできるだけ少なくするようにしましょう。
□里帰り前に、これまでの病院で健診を受ける。お礼も忘れずに
□これまでの病院で診断書をもらい、里帰り先の病院の初診に持参する
□入院、産後、育児に必要な荷物は宅配便で送り、移動の手荷物は最小限にする
□帰るときは一人ではなく、できるだけ家族などに付き添いしてもらう
□車、電車、飛行機で移動するときは、長時間同じ姿勢を続けないように工夫する
□飛行機を利用する場合、妊娠後期になると医師の診断書や同意書が必要になることがある。航空会社によってルールが異なるので、あらかじめ確認しておく
□飛行機を利用する場合、妊婦である旨を申し出ておくと、優先搭乗などの特典がある
□年末年始、お盆、連休など、渋滞や混雑が予測される時期はずらす
妊娠後期(妊娠36週~40週)の特徴・気をつけること
いろいろあった妊婦生活も満了の妊娠10ヶ月(妊娠36週~40週)。ママは、下がってきた赤ちゃんの頭に押されて、頻尿や便秘、下痢、腰痛、足の付け根が突っ張る…など、相変わらず体調変化に悩ませれているかもしれませんが、いよいよ出産が迫ってきました。
「妊娠36週に入ったら、できるだけ体重は増やさないほうがいいです」と島岡先生。もういつ生まれてもいい時期なのに、ここで体重を増やすと、腟の中にも脂肪が増えて、赤ちゃんが通りづらくなり、難産になりやすい。太って血圧が上がると、むくみや頭痛、めまいなどの症状も出て、からだもつらい…。
正期産は妊娠37週~41週で、この時期の出産がもっともリスクが低いのです。
「太り過ぎてあえてリスクを上げないようにしましょう」(島岡先生)
外出するときの持ち物
いつお産が始まってもおかしくないので、1時間以上かかるような遠出は控えましょう。外出するときは、必ず次のものを持ちましょう。近所の散歩のときもポシェットに入れておくと安心です。
□お財布
□母子健康手帳
□診察券
□携帯電話
臨月(妊娠10ヶ月)の過ごし方について
妊娠37週過ぎたら、もう早産ではありません。ここからはおなかの赤ちゃんに、「いつ生まれてきてもいいよ」と声をかけて、気持ちを切り替えましょう。
「毎日、軽くでもいいから歩くことをおすすめします」と島岡先生。できれば50分くらい。散歩は、ムリなく、効果的にお産に必要な骨盤底筋を鍛えてくれます。
近くの公園、住宅街を歩きましょう。木々の緑、花々から季節を感じることができます。空を見上げ、風を感じながら、ゆったりした気分で、散歩。女性に備わった力を信じて、お産を待ちましょう。
お産の始まり
お産は、いきなり始まるわけではなく、体から少しずついろいろなサインが送られてきて、陣痛が始まります。どんなサインがあるのか知っておけば、落ち着いて対処できます。
おしるし
少し血が混じったおりものが、「おしるし」です。色は、赤色だったり茶褐色だったり。量は下着に少し色が付く程度だったり、ドロッとした粘液状だったり。おしるしからすぐにお産が始まるとは限りません。1週間以上たってから陣痛が始まる人もいるし、陣痛が始まってから、おしるしがある人もいます。
★おしるしについてもっと知りたい方は、こちら
おしるしって?色や量、おしるしがきた時の対処など
前駆陣痛
お産につながる規則的な子宮収縮が「本陣痛」。でも、その前に「前駆陣痛」を経験する人もいます。痛みの間隔が不規則だったり、陣痛かな?と思ったら、すぐに治まってしまったり。お産のリハーサル、予行演習のようなものです。
本陣痛
「おなかの周りや腰が押されるような痛み」「ひどい生理痛のような痛み」「痛みが周期的に来る」…など、感じ方は人それぞれですが、こうした症状が出てきたら、落ち着いて病院に連絡しましょう。激しい痛みや出血多量など、緊急の場合は救急車を呼びます。
★陣痛についてもっと知りたい方は、こちら
陣痛はどのように始まるの?陣痛がおきたらどうすればいい?
陣痛ってどんな痛み?長さや始まり、兆しは?対処法や改善策も
島岡先生「妊娠後期3つのポイント」
「厚生労働省の妊娠中の体重増加の目安がだいぶゆるやかになって、ほっとしている方もいらっしゃるかもしれませんが、カロリーのプラス分は変わっていません。安心して食べ過ぎて太り過ぎることにならないようにしたいところです。
現場で実際に赤ちゃんを取り上げてきた経験からも、妊娠後期はやはり太り過ぎないほうが、お産はうまくいくし、赤ちゃんのため、母体のためにいいのではないかと思います。
これまでお話してきた次の3つのポイントをぜひ念頭に置いて、リスクを減らしながらお産を迎えてください。
□おりものチェック
□1日50分の散歩
□食べ過ぎ・太り過ぎに注意
もうすぐお母さん。赤ちゃんの誕生を、ゆったりした気持ちで待ちましょう。
- 参考:(*)日本超音波医学会「妊娠週数毎の基準値」より
『ギルバート発生生物学』『ラングマン人体発生学』『最新産科学』『新発生学』『病気がみえる<産科>』など
取材協力/島岡医院(京都市南区)スタッフの皆様
はじめてのおむつ交換もあんしんの「おしりガイド」をご存じですか?
ムーニーは、赤ちゃんのおしりを置く場所がひと目で確認できる「おしりガイド」で、ママもパパも誰でも正しく簡単におむつ替えができます。
update : 2025.03.28
release : 2018.04.16
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