つわりは、早いといつ始まる？

一般的な市販の妊娠検査薬は、月経予定日の１週間後から使えます。尿中に検査に充分な量のｈＣＧが出て、正確な判定ができるのが、このころなのです。しかし、ｈＣＧはそれより前から分泌されています。早期に使える妊娠検査薬というものも出てきていますが、手軽に入手できなかったり、精度の問題もあり、まだ使いづらいようです。

検査薬の前に、つわりで妊娠がわかったという人もいます。月経予定日のころに、突然みかんを山のように食べた。炊飯器から出る湯気に突然、吐き気を感じてもしや、と思った、という人も。

突然の吐き気や食べづわりなど、つわりで妊娠と気がつく人は案外に多いのかも知れません。

妊娠を知らせる兆候は、月経が遅れる、基礎体温の高温相が18日以上続く、乳房が張るなどです。でも、仕事や上の子の世話で忙しい人は月経周期をきちんと覚えていない人もいて、月経の遅れが目安になりにくいこともあります。こんなときは眠くてたまらない、突然むかむかした、通勤電車の中で吐き気がした、風邪をひいていないのに熱っぽい、など、いつもと違う症状をきっかけに妊娠と気づくかもしれません。

どんなに忙しくても、月経周期は記録しましょう。熱っぽいからと市販の風邪薬を飲むなど、胎児への影響が心配になるようなことは避けたいもの。それにはきちんと月経周期を把握して早く妊娠に気がつくことが大切です。

つわりの終わる時期は個人差がありますが、開始時期には大きな個人差はなく、平均すると妊娠５週、早いと妊娠４週、遅くても妊娠６週に始まります。

もし、妊娠９週以降にそれまでなかったつわり症状が始まった場合や、重いつわり症状が治療されず、発熱、頭痛、神経症状が出た場合には、つわりではなく何か別の病気が隠れていたり、妊娠悪阻の怖い合併症であるウェルニッケ脳症が起こっていることがあります。神経症状とは眼球運動障害、運動障害、意識障害などです。めったにありませんが、遅すぎるつわりの始まりは医学的に要注意、すぐに診察を受けると覚えておいてください。大切なのは、そうなる前に受診することです。