沐浴(赤ちゃんのお風呂)の準備方法や正しいやり方とは?
生まれて間もない赤ちゃんは抵抗力が弱いので、生後1ヶ月頃までは、大人と一緒のおふろではなくベビーバスで沐浴をさせてあげます。ちょっと不安な新米ママ&パパも、手順とコツを押さえておきましょう。楽しい沐浴タイムをめざしましょう。
監修者プロフィール
難波直子さん
NPO法人育児サポートdouce.理事長 兼代表助産師
助産師歴25年!のベテラン助産師 難波さん。
新型コロナウイルスの影響で対面での両親学級が中止となり、不安を抱えるママやパパに向けて妊娠中に聞いておきたい身体の変化や注意点、またおむつの替え方などを楽しく分かりやすくお届けします。
ムーニーサイトで大好評の「ムーニーちゃん学級」の講師を務めるほか、オリジナル両親学級も開催中です。
2019年第8回厚生労働省 健康寿命を伸ばそうアワード 団体部門 優良賞受賞。
沐浴の準備と方法は?
沐浴は体をきれいにするだけでなく、血液の循環や新陳代謝を高める効果もあります。また楽しいスキンシップとリラックスの時間にもなります。出産前に必要なものの準備をしっかり整え、手順を把握して退院の日からスタートする沐浴に備えましょう。
沐浴にあると役立つアイテム
赤ちゃんを安全に、そして快適に沐浴させてあげられるよう、必要なもの+便利なものをそろえておきましょう。意外と重労働なので、ママやパパの負担を軽減してくれるようなアイテムもチェックしておくといいですね。
ベビーバス
大きめのゆったりタイプ、キッチンや洗面台のシンクにセットして使うタイプ、空気を入れて膨らませて使うタイプなどがあります。排水栓がバスの底にあるタイプだと、そのままお湯を捨てられて、ママやパパの負担を減らせます。商品によってさまざまな工夫があるようです。おうちの中のどこで沐浴させるかによって選ぶとよいでしょう。レンタルでもいろいろなタイプを選べます。
また、ベビーバスにこだわる必要はなく、大きめのたらいや、安全であれば収納ケースの内側を使ってもOK。沐浴は生後1ヶ月健診までなので、それ以降の使い道も検討して準備すると良いですね。
(必要度★★★)
洗面器
お顔を洗うための専用の小さめの洗面器、すすぎ、あがり湯用の洗面器も用意。沐浴の時期のお顔用は、目の感染に考慮してお顔専用に。今まであるものでもOKですが、沐浴卒業後におしりを洗ったりすることに使えるので、赤ちゃん用に用意してもいいですね。(必要度★★★)
湯温計
お湯の適温って案外分かりにくいもの。沐浴で使うお湯は、肘の内側で温度を確認することもできますが、まだ沐浴に不慣れで自信がないときは湯温計が便利です。お風呂用のおもちゃにもなるようなかわいいタイプもありますよ。(必要度★★★)
沐浴布
赤ちゃんの体を覆えるサイズのガーゼやタオル(薄手)。赤ちゃんは裸になってつかまるものがないと怖がって泣いてしまうこともあります。沐浴布があれば赤ちゃんの不安を和らげ、保温の役目にもなります。(必要度★★★)
ソープ・シャンプー
無香料でベビー用の肌にやさしいものを。ソープは固形、液状、泡状のものがあります。泡タイプは出してすぐ使えるので便利です。 (必要度★★★)
ガーゼ
赤ちゃんの体についた石けん分を流すために使います。柔らかいガーゼが適しています。(必要度★★★)
バス用ネット
ベビーバスのふちに引っかけるハンモック状のネット。お湯の中で赤ちゃんを寝かせられるのでそっと支えるだけでOK。沐浴を、パパかママが一人で行うときは、ネットが赤ちゃんを支えてくれるので便利ですね。(必要度★☆☆)
バスタオル
家にあるものでももちろん大丈夫。通常のバスタオルを半分に折って、使います。(必要度★★★)
お風呂上がりのスキンケアグッズ
耳を拭う綿棒や、赤ちゃんのお肌に合った保湿ケア用のローションやオイルなども準備しておきましょう。(必要度★★★)
沐浴の手順
沐浴は体の汚れを落としてお肌を清潔にするだけでなく、赤ちゃんが冷えないように手早く行うこともポイントです。そのために、しっかり準備をして段取りを頭に入れておくとスムーズです。流れを把握しておけば、パパ・ママも慌てず、赤ちゃんもくつろいで沐浴を楽しめますね。
★お風呂上がりの準備
沐浴した後にすぐに体を拭いて着替えさせられるように、赤ちゃんが身につける順にセットした肌着とベビーウェアの上に、おむつ、その上にバスタオルを置いておくとスムーズです。
1)ベビーバスにお湯を張る
適温は38度前後。季節によって少しぬるめ、あたたかめを調節します。大人のお風呂よりぬるめで、パパやママが肘の内側で熱いと感じない程度。不慣れなうちは湯温計でチェックしましょう。ベビーバスの7分目ぐらいまでお湯をためます。顔用とあがり湯用の洗面器にもお湯を準備しておきます。
2)沐浴布にくるんで赤ちゃんをバスへ
羊水の中にいた赤ちゃんは、基本的にはお湯が大好き。でもなかには、裸になったりお湯につけられたりすることを怖がって泣く赤ちゃんも。沐浴布にくるんだりして不安を取り除いてあげましょう。沐浴させるパパやママの肘から赤ちゃんの足、そして体をゆっくりお湯につけてあげます。「気持ちいね」など声をかけながらいれてあげましょう。
3)目・顔を洗う
お顔専用ボウルでガーゼをぬらして目から洗います。目やにもやさしくしっかりと落としましょう。一度、目を拭いたガーゼは、洗うか、別の面を使ってもう一方を拭きます。次に、同じくガーゼをぬらして顔を洗ってあげます。汗や皮脂の汚れなどを落とします。
4)頭を洗う
石けんを泡立て、洗う人の手に泡をつけて赤ちゃんの頭皮を洗います。ゴシゴシこすらないように手のひらを使って軽くくるくると。赤ちゃんの耳に親指と人差し指ですくうように首を支えるようにしましょう。
5)体を洗う
あおむけの状態で首、腕、わき、おなか、手のひら、足を洗います。手のひらを洗うときは、赤ちゃんの小指側からパパやママの親指を滑り込ませると開きやすくなります。もものつけ根やくびれのしわの部分は、特に汗や汚れがたまりやすいのでしわの中もていねいに。1部分洗ったら必ず石けん分をガーゼで落としてください。
その後ゆっくりと体をうつぶせにして背中を洗います。首の後ろから足先まで石けんをつけます。お尻の汚れもよく見ましょう。
6)おしりを洗う
最後に股間も洗います。男の子はしわの部分も丁寧に、女の子は前から後ろに向かって指で洗います。女の子の性器のひだの中に白い脂があることがありますが、無理にとる必要はありません。膣の周辺には石けんはつけないようにしましょう。うんちで汚れやすいおしりは特に丁寧に洗います。
7)あがり湯ですすぐ
赤ちゃんをお湯につけてあげて少し温めてから、洗面器にあらかじめ用意したあがり湯かシャワーを、足先から胸に向かってかけてすすぎます。
※この全行程を5~6分で。長くなると赤ちゃんが疲れるので、手早く入れてあげましょう。
8)バスタオルにのせて体を拭く
予め肌着とおむつの上に重ねて準備しておいたバスタオルの上に赤ちゃんをのせて、タオルで体をくるむようにして水分を取ります。頭皮は優しくこすり、首から下は押し拭きで。皮膚と皮膚が密着しているところ(首周り、脇の下、肘、足の付け根、膝裏、お尻)は水分が残りやすく、かぶれの原因になるので、丁寧に拭きましょう。その後に、赤ちゃん肌用のオイルやローションなどの保湿剤で保湿します。
赤ちゃんの首を支えてバスタオルの上にお座りさせ、頭側からバスタオルをクルクルと巻いて腰まできたら、赤ちゃんを寝かせます。赤ちゃんの腰を持ち上げるとバスタオルが外せます。おむつと衣類を着せましょう。
9)綿棒で鼻と耳の水分を取る
綿棒で鼻と耳の水分を取ります。奥まで入れずに表面の水分を軽く取る程度で大丈夫です。赤ちゃんが嫌がって動くこともあるので、体や手は危険がないようにしっかりおさえます。
沐浴の不安解消Q&A
やり方はわかってもまだまだ不安はいっぱい。そこで新米ママ&パパたち共通の疑問や心配のタネから代表的なものを集めてみました。不安を1つずつ解消していきましょう。
いつ・どのぐらいの時間いれるの?
家庭によって沐浴しやすい時間帯はいろいろ。生活のリズムを作るため、おおよそ決まった時間帯に入れてあげましょう。ただし、授乳の直前や授乳後30分以内は避けてください。赤ちゃんはお湯につかるだけでも体力を消耗するので、長風呂はNG。だいたい5分ぐらいを限度に手早く入れてあげましょう。
毎日沐浴させないとダメ?
新生児は、新陳代謝が活発で、大量の汗や皮脂が分泌し、またおしっこやうんち、母乳やミルクなども付着しています。デリケートな肌にとって汚れは刺激のもとになるので、できれば毎日沐浴させてあげるのが基本ですが、ママやパパがあまりに疲れているときは部分的に拭く、洗うのでも良いのです。
また、赤ちゃんが次のようなときは沐浴はお休みしてください。
- 嘔吐が続くとき
- なんとなく元気がないとき
- いつもより母乳やミルクの飲みが悪いとき
- 体温が平熱よりかなり高いとき
室温は高い方がいい?
なるべく暖かいお部屋で入れてあげるのがベスト。夏など、エアコンで冷えたお部屋だと湯冷めしやすくなるのでお風呂上がりには一時的に空調を止めるなどしましょう。浴室の洗い場で入れるときは、バスタブにお湯をはるなどして、浴室の温度を上げる工夫を。
石けんやシャンプーが目に入ったら?
清潔なお湯とガーゼでよくふきます。たくさん入ったときは小児科医師に相談しましょう。
シャワー付き洗面台でもOK?
洗面台などのシンクで沐浴させられると、ママはかがまなくて済むので腰への負担がかかりにくいというメリットがあります。ただし清潔にしているつもりでも、洗面台はばい菌が繁殖しやすい場所です。事前に必ず排水口や洗面シンクをきれいに消毒してからにしましょう。沐浴に使うなら、シンクに取り付ける沐浴用シートを取り付け、シートも使用前と使用後にしっかり洗浄してください。おしりなどの部分洗いでシャワーを使う場合も、使用後は洗剤をつけて洗ってくださいね。
動画で確認!
「ムーニーちゃん学級」ではこの記事の監修の助産師・難波直子さんが、沐浴の仕方を動画で教えてくれています!是非参考にしてください!
監修/NPO法人育児サポートdouce.理事長 兼助産師 難波直子さん
update : 2022.07.27
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