【医師監修】ネントレはいつから始める?基本のやり方と泣き止まない時の対処法も解説
「ネントレ」という言葉、ご存じでしょうか。ネントレには、赤ちゃんがひとりで眠りにつくための練習「ねんねトレーニング」「寝かしつけトレーニング」という意味があります。育児手法のひとつとして、近年、広く知られるようになりました。いつから始められるのか、どのように進めればいいのか、ネントレについてご紹介します。
監修者プロフィール
今西洋介先生
一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事
小児科医・新生児科医。日本小児科学会専門医/日本周産期・新生児医学会新生児専門医。医学博士(公衆衛生学)。一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事。小児公衆衛生学者。富山大学医学部卒業後、都市部や地方のNICU(新生児集中治療室)で新生児医療に従事。「ふらいと先生」の名で、小児医療や育児に関する啓発を行い、社会問題解決に取り組む。現在は米国在住。3姉妹の父。 主な著書に『新生児科医・小児科医ふらいと先生の子育て「これってほんと?」答えます』(西東社、監修)、『小児科医「ふらいと先生」が教える みんなで守る子ども性被害』(集英社インターナショナル)ほか多数。
この記事で知ることができるのは?
- ネントレとは、ママやパパが授乳や抱っこをしたりあやしたりしなくても、夜、布団に置いた赤ちゃんが、ひとりで眠れるようになるまでの練習であることを解説しています。
- ネントレのスタート時期は、一般的には生後4〜6ヶ月頃が適期とされていますが、赤ちゃんの個性や発育状況、ママやパパの生活スタイルを踏まえて取り組むことが大切であると説明しています。
- ネントレをスムーズに進めるためのポイントは、昼間の過ごし方やお昼寝のタイミング、お昼寝時間の見直し、夜の睡眠に適した環境の部屋づくりであることを解説しています。
- ネントレで赤ちゃんが泣いたときの対処法は、そばで様子を見ること、特に問題がなさそうであればトントンしたり声をかけたりすることで、すぐに抱き上げたりしないようにしましょうと説明しています。
- ネントレが脳の発育に悪影響があるのではないかという不安の声については、最近の研究報告から総合的に判断すると、適切に取り組めば悪い影響はないと考えられることを伝えています。
- ネントレに対する不安を持つママ・パパに向けて、ネントレがうまくいかないときのアドバイス、先輩ママの体験談等もご紹介しています。
ネントレ(ねんねトレーニング)とは?
「セルフねんね」ができるようになるための練習がネントレです。
ネントレとは、ママやパパが抱っこや授乳などで手を貸さなくても、赤ちゃんひとりで、自然に眠りにつくための練習のこと。「添い寝をしないと眠ってくれない」「寝かしつけに時間がかかる」など、赤ちゃんが寝るまでの働きかけに疲れを感じているママやパパにとっては、助けになるでしょう。
眠りは、赤ちゃんの心身の発育に欠かせないことはもちろん、ママやパパの疲労回復にとっても大切です。ネントレで、家族みんなが心地よい眠りにつけたらステキですね。ただし、無理に取り組むものではないことも、心に留めておいてください。
例えば、お昼寝の時間が長すぎたり、赤ちゃんにとって神経がたかぶるような出来事があったり、運動量が足りなくてエネルギーが余っていたりと、昼間の過ごし方によって、夜になってもスムーズに寝つけないことがあります。
部屋が明るかったり騒がしかったりしても、眠りにはつきにくいものです。ネントレを始めようと思ったら、昼間の過ごし方、部屋の環境も見直してみてくださいね。
ネントレとあわせて知っておきたい「夜泣き」について、以下のページで詳しくご紹介しています。
「夜泣きの原因と特徴とは?向き合い方や知っておきたい注意点も解説」を詳しく見る
「ネントレはいつから始める?」
生後4〜6ヶ月頃から慎重に開始を検討しましょう
ネントレを始める時期に決まりはありませんが、生後4ヶ月ごろはネントレに向けてのウォーミングアップに適した時期。一般的には、6ヶ月ごろまでにスタートします。
生後数ヶ月は、本格的なネントレではなく、安全な睡眠環境、昼夜のメリハリ、寝る前のルーティンづくりを意識しましょう。赤ちゃんが泣いたら速やかに応答し、授乳・おむつ・体調不良などを確認し、必要なケアを行ってあげましょう。生まれてから4ヶ月目頃までは、赤ちゃんは、数時間おきに「目覚める」「眠る」というサイクルで過ごしますが、生後4ヶ月ごろになるとリズムが少しずつ整ってきます。本格的なネントレは、発育状況や夜間授乳の必要性を踏まえ、生後4〜6ヶ月以降に慎重に検討しましょう。毎日の記録をとっておくと、ネントレ開始のタイミングがつかみやすくなります。
生後5~6ヶ月頃になると、赤ちゃんの睡眠サイクルができてきます。6~8時間くらいは連続して眠るようになり、夜間の授乳回数も減ってくるので、赤ちゃんにとってもママにとってもスタートしやすい時期です。
ただし、赤ちゃんの性格や発育状況には個人差があります。家庭によってライフスタイルも違いますから、赤ちゃん、ママやパパの負担にならないように、無理のないタイミングで始めましょう。
少なくとも生後6ヶ月までは同じ部屋で寝かせるようにしましょう
ネントレを始めるときに心がけたいのは、いきなり赤ちゃんひとりだけで別の部屋に寝かせるのではなく、生後4ヶ月まではママやパパも同じ部屋で寝ることです。ただし、親の布団やベッドとは別の、乳幼児用寝具に寝かせるほうがよいでしょう。
ひとりで眠れるようになった赤ちゃんでも、お腹が空いた、おむつが不快、体調が悪くなったなどの理由で目覚めてしまうことがあります。
そんなとき、ママやパパがそばにいれば赤ちゃんは安心ですし、ママやパパもすぐに対処できます。ゴールを急がず、1歩ずつ進めましょう。
ネントレの基本のやり方
ネントレの取り組み方や進め方に、「こうしなければならない」というルールはありません。海外では、生後すぐから赤ちゃんを別室で寝かせる風習がありましたが、日本は添い寝文化の国。住宅事情も考慮し、無理なく進めていきましょう。
【ネントレの手順】
- 寝室の環境を整える
- 決めた時間に寝室にいく
- 眠ったことを確認して部屋を出る
- タイミングを決めて様子を確認する
- 布団に入れたら抱っこはしない
- 寝室の環境を整える
まずは、寝室の環境を整えることから始めましょう。チェックしたいポイントは、室温と湿度・音・光です。
赤ちゃんが眠るときに適切な室温は、一般的には20〜25℃くらいとされています。湿度は50〜60%程度。夏は、室温・湿度どちらも高くなり、寝苦しくなりがちです。寝具も考慮し、調整するといいでしょう。
音は、眠りを妨げるような騒がしい音が聞こえないかどうかを確認します。
光は、電気を消すことはもちろんですが、電子機器の小さなランプなどにもご注意ください。暗闇の中では、思いのほか強い光を放っていることがあり、脳を刺激してしまいます。 - 決めた時間に寝室にいく
部屋の環境が整ったら、赤ちゃんの睡眠リズムや家庭のライフサイクルに合わせて、赤ちゃんが寝る時間を決めましょう。決めた時間になったら、寝室に連れていきます。
気をつけたいのは、日によって時間をずらしたりしないこと。ママやパパの都合もあって当然ですが、同じ時間に寝るようにすることで、少しずつ赤ちゃんの体は「寝る時間」を覚えていきます。
寝る時間が決まっていれば、昼間の過ごし方やお昼寝時間も調節しやすくなるでしょう。
赤ちゃんがぐずり始めたときは、「寝る時間だよ」と優しく声をかけ、一緒に寝室にいく準備を始めることがコツです。
- 眠ったことを確認して部屋を出る
最初のうちは、赤ちゃんが布団に入ったらすぐに部屋を出るのではなく、眠りにつくまでそばにいてあげましょう。まだ眠っていないのに部屋を出ようとすると、赤ちゃんが不安になるかもしれません。
そばで子守唄を歌う、お話をするなど、赤ちゃんの気持ちが落ち着き、眠りに入りやすい儀式のようなことを決めておくと効果的です。赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ距離をとり、眠りについたことが確認できたら、そっと部屋を出ましょう。もちろん、部屋を出て少しの間、赤ちゃんの様子を見守ることもあり。そのほうが、ママやパパも安心ですよね。
- タイミングを決めて様子を確認する
赤ちゃんを置いて部屋を出たら、1時間おき、2時間おきなど、時間を決めて様子を確認しましょう。
赤ちゃんが泣いたりぐずったりすることもありますが、すぐに部屋に行くのではなく、決めたタイミングまで待ってみてください。自然と泣き止むことも多いものです。
泣き止まなかったら部屋に入り、トントンしたり、声をかけたりして赤ちゃんを落ち着かせます。
赤ちゃんに泣かれると、ママやパパはつらい気持ちになることもあります。特に低月齢の赤ちゃんは、不快感や体調の変化を泣くことで知らせているため、まずはすぐに様子を見てあげましょう。空腹ではないか、おむつが汚れていないか、暑すぎたり寒すぎたりしないか、発熱や体調不良のサインがないかを確認することが大切です。特に、泣き方がいつもと違う、顔色が悪い、呼吸が苦しそう、ぐったりしているなどの様子がある場合は、早めに受診しましょう。
一方で、空腹やおむつ、室温、体調などに問題がなさそうで、安全な環境で寝かせている場合は、すぐに抱き上げず、短時間だけ様子を見る方法もあります。赤ちゃんの様子を確認しながら、無理のない範囲で対応していきましょう。 - 布団に入れたら抱っこはしない
ネントレをスタートしたら「布団に置いたら抱っこはしない」が基本です。
前項でもお伝えしたように、赤ちゃんに泣かれるとママやパパがつらくなってしまい、つい抱っこしたくなります。そんなときは、ネントレの目的を思い出し、抱かずに様子を見守ることに徹しましょう。
泣いている理由が空腹やおむつの汚れ、体調不良ということも、もちろんあります。そこはしっかり見極めたいところですが、泣かれると根負けして抱っこしてしまうという場合は、いったんネントレをストップし、もう少し先に再スタートするという道も検討してみてくださいね。
ネントレで泣き止まないときの対処法
ネントレをスタートして赤ちゃんが泣いたら、トントンしたり声をかけたりして落ち着かせ、抱っこはしないことが基本とお伝えしました。とはいえ、どうしても泣き止まないこともあるでしょう。そのときは、以下を意識してみてください。
ママやパパが気持ちを落ち着ける
赤ちゃんは、これまでとの状況の違いを敏感に察知し、泣いたりぐずったりして不安を訴えることがあります。
だからこそ大切なのは、ママやパパが気持ちを落ち着けて対処すること。赤ちゃんが泣いても焦らずに、まずはそばでそっと見守るようにしましょう。
それでも泣き止まなければ、泣いている理由を探してみます。汗をかいていれば室温が高すぎるのかもしれませんし、おむつが汚れていて不快なのかもしれません。その場合は、必要なケアをしてあげてください。
状況や環境を見直す
新しいことを始めると、赤ちゃんが不安になってご機嫌が悪くなることもあるでしょうし、お昼寝をしすぎて眠れないということもあるでしょう。あまりにも泣き止まないときは、再度、昼間の過ごし方や寝室の環境を見直してみてください。
お昼寝時間が影響しているようであれば、お昼寝をするタイミングや時間を調整します。部屋が暑すぎる、寒すぎるというときは、エアコンで室温調整したり、寝具を変えたりなど、工夫してみましょう。
ネントレに関するよくある質問
ネントレはお昼寝でもできますか?
お昼寝のネントレもできます。お昼寝は赤ちゃんの発育にとっても欠かせない時間です。
ただ、お昼寝の時間が長くなりすぎたり、夕方の時間帯にかかったりすると、夜の睡眠に影響する可能性があります。午後のお昼寝の時間帯を決める、早めに起こすなどの工夫をしながら取り組んでみましょう。部屋は、ふだん生活するくらいの明るさ、音がしても大丈夫です。
ネントレは夜泣きに効果がありますか?
ネントレは、夜泣きにも効果があると報告されています。
ネントレが目指すのは、ママやパパの働きかけがなくても、赤ちゃんがひとりで眠れるようになることです。夜泣きをしても、すぐに抱っこしたり声をかけたりせずに、まずは様子を見るようにしましょう。睡眠のリズムを赤ちゃんが身につけるようになれば、夜泣きもおさまります。
ネントレは脳に悪影響がありますか?
赤ちゃんの睡眠に関する研究結果や報告を見るかぎりでは、脳への悪影響はないと考えられます。
睡眠が脳の発達に欠かせないものであることは事実なので、ネントレも適切に取り組めば、問題ないといえるでしょう。むしろ、寝かしつけるママやパパのストレスや負担が減る、生活リズムができるといったメリットのほうが注目されています。
ネントレに関するみんなの体験談
茨城県:みるく
背中スイッチが作動してしまい、抱っこで寝ててベッドへ寝かそうと身体から離すと泣く、という習慣になってしまいました。旦那がやってくれる日もありましたが、泣いてしまい、結局私が寝かしつけるという毎日でした。そのときは腕枕したり、私は上半身起きたまま抱っこで寝る日もありました。そんな毎日が続き、子どもが大きくなったら私は腕枕や抱っこしたまま寝るなんて耐えることができないと思い、ネンネトレーニングを始めました。最初は1時間泣き続け、泣き疲れて寝てくれた感じです。こっちのメンタルはズタボロでした。何度か挫けて抱っこで寝かしつけもしました。でも心を鬼にして我慢すると、1日に1回でも15分で寝てくれる日が続いて、希望がみえました。安定するまでには1ヶ月くらいかかりましたが、泣き続けるのも10分くらいだったので、耐えることができました。今では泣くことなく一人で寝ることができます。私の心にも余裕ができました。
茨城県:ぶーちゃん
SNSでねんトレについて調べて、いつもより30分早くお布団に行くようにしました!
まとめ
- ネントレとは、ママやパパがいなくても、赤ちゃんがひとりで眠れるようになるための練習です。
- ネントレのコツは、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこせず、そっと見守ることです。
- ネントレを始める時期に決まりはありませんが、一般的には睡眠のリズムが整ってくる生後4ヶ月から6ヶ月頃が適期とされています。
- ネントレを始めることに決めたら、昼間の過ごし方、お昼寝の時間を見直し、寝室の環境も整えましょう。
release : 2026.07.07
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