【医師監修】セルフねんねはいつから始める?月齢・年齢別のやり方とコツ、注意点を解説
赤ちゃんを寝かしつけるとき、けっこう時間がかかると感じているママやパパも多いのではないでしょうか。寝たら家事をしよう、ゆっくりくつろごうと思っていても、なかなか寝てくれないし、そばを離れるとギャン泣き――こんなとき「ひとりで寝てくれたら」と思いますよね。この記事では、その方法「セルフねんね」についてお伝えします!
監修者プロフィール
今西洋介先生
一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事
小児科医・新生児科医。日本小児科学会専門医/日本周産期・新生児医学会新生児専門医。医学博士(公衆衛生学)。一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事。小児公衆衛生学者。富山大学医学部卒業後、都市部や地方のNICU(新生児集中治療室)で新生児医療に従事。「ふらいと先生」の名で、小児医療や育児に関する啓発を行い、社会問題解決に取り組む。現在は米国在住。3姉妹の父。 主な著書に『新生児科医・小児科医ふらいと先生の子育て「これってほんと?」答えます』(西東社、監修)、『小児科医「ふらいと先生」が教える みんなで守る子ども性被害』(集英社インターナショナル)ほか多数。
この記事で知ることができるのは?
- セルフねんねとは、ママやパパが寝かしつけをしなくても、赤ちゃんがひとりで寝られるようになることを意味する言葉で、メリットもあればデメリットもあることを解説しています。
- セルフねんねの練習の取り組み方については、始める時期も含め、各家庭の事情やライフサイクルに合わせることが大切だと説明しています。
- セルフねんね成功までのステップは、「眠るための環境を整えること」「寝入る前に布団に置くこと」「泣いてもすぐに抱っこせずにトントンしたりしてなだめること」であると解説しています。
- セルフねんねの練習をスムーズに進めるためには、赤ちゃんの活動時間(連続して目覚めている時間)を意識して就寝時間を決めること、眠る前のルーティンを決めておくこと、最低でも3日は続けてみることがコツであることを説明しています。
- セルフねんねの練習を始める前にチェックしておきたいことは、赤ちゃんの寝具に窒息などの危険性がないか、部屋の家具や家電製品の配置・配線状況は安全かなど、赤ちゃんが寝る部屋の環境整備であることを説明しています。
- セルフねんねにチャレンジすると決めたときに大切なことは「泣いてもすぐに抱っこしない」など家族で共通認識を持つことだと解説しています。
セルフねんねとは?
セルフねんねとは、「自分で」を意味する「セルフ」と、「寝る」の幼児語「ねんね」を組み合わせた言葉で、大人が寝かしつけなくても、赤ちゃん自らが眠れるようになることをいいます。例えば、夜、ママが抱っこをしたり添い寝をしたりせずに赤ちゃんひとりで眠りにつけるのが「セルフねんねができるようになった」という状態です。
セルフねんねは必要?メリットとデメリット
赤ちゃんがひとりで眠りにつくセルフねんねには、ママやパパの寝かしつけの負担が減るというメリットがある一方で、デメリットも指摘されています。
・メリット
赤ちゃんを寝かしつける必要がなければ、ママやパパにとっては自分の時間が増えます。洗濯物を気にしながら赤ちゃんが眠るまでそばにいる、観たいドラマがあってもがまんするといったストレスも減り、気持ちに余裕ができることは大きなメリットといえるでしょう。
「おむつ替え」「ミルクや食事」「入浴」など、育児には大人の手が必要なことがいくつもありますが、「寝かしつけ」がなくなれば育児の負担も少し軽くなりますね。
・デメリット
眠るときにそばにいてくれたママやパパがいなくなることは、赤ちゃんにとっては大きな変化です。不安に感じ、そばを離れようとすると泣き出すことも少なくありません。
赤ちゃんに泣かれると、やはりつらいものですよね。この点は、セルフねんねのデメリットといえるでしょう。
また、寝具や周囲の環境によっては事故につながるリスクもあります。窒息につながるおそれのある柔らかい布団や毛布、事故につながる可能性のある家電コードや倒れやすい家具などがないか、事前に確認しておくことが大切です。
セルフねんねはいつから?始める時期の目安
メリットとデメリットを理解したうえで「セルフねんねに取り組もう」と思ったとき、時期はいつごろが適切なのでしょうか。
結論からいうと、セルフねんねの練習を始める時期に決まりはありません。赤ちゃんの様子と、わが家の事情で「チャレンジしてみようかな」と思ったときが、始めどきと考えればいいでしょう。
ただしセルフねんねは、無理強いするものではないし、必ずできなければならないというものでもありません。寝かしつけを苦に思わず、赤ちゃんと一緒にいる時間を大切にしたい場合は、その気持ちを尊重してくださいね。
ちなみに、「セルフねんねができること=夜通し眠れること」ではないので、その点は気をつけて。セルフねんねができる赤ちゃんでも、月齢によっては夜中の授乳が必要です。
セルフねんねの基本のやり方
セルフねんねの具体的な進め方は赤ちゃんの月齢によって違いますが、基本のステップは同じです。
・ステップ1
赤ちゃんが安心して眠れる環境づくりからスタートです。
月齢の低い赤ちゃんは、ママやパパの抱っこ、授乳で寝かしつけてもかまいません。眠りにつく前の安らぎを赤ちゃんに感じてもらいましょう。部屋の電気を消し、静かに過ごすこともポイントです。
・ステップ2
赤ちゃんが寝入りそうな様子が見られたら、布団に置きます。置いたら体を優しくトントンするなどして、ママやパパとの触れ合いが感じられるようにするといいでしょう。
泣いてもすぐに抱き上げず、ひとまずトントンしながら様子を見ることが大切です。こうして、赤ちゃんは、自ら気持ちを落ち着け眠りにつく力を身につけていきます。
・ステップ3
赤ちゃんの様子を見ながら、体に触れる回数や時間を減らしていきましょう。
ただし、激しく泣いたりしたときには、抱っこして安心させることも必要です。赤ちゃんのペースで無理なく進めてくださいね。
【月齢・年齢別】セルフねんねのやり方とコツ
セルフねんねに取り組むときは、基本ステップにプラスして、赤ちゃんの月齢や年齢の特徴も踏まえることが成功に向けてのコツになります。赤ちゃんの活動時間(連続して起きていられる時間)に合わせて進めていきましょう。
生後3ヶ月まで
新生児〜生後3ヶ月頃は、睡眠サイクルがまだ安定しにくいため、本格的なセルフねんねや睡眠トレーニングを行わない方がよいでしょう。寝かしつけの工夫としては、生後4ヶ月以降を目安に、「眠そうだけれど起きている状態で寝床に置く」方法が紹介されることがあります。
また、おくるみを使用する場合は、必ず仰向けに寝かせ、締めつけすぎないよう注意が必要です。寝返りしそうな様子が見られた時点で使用を中止しましょう。
生後4ヶ月~生後5ヶ月
・赤ちゃんの活動時間の目安:1時間30分
生活のリズムができてくる時期です。就寝時間を決め、ねんねまでの流れのルーティン化を意識してみましょう。
難しく考えず、「授乳→おむつ交換→パジャマに着替え→寝床に置く→部屋を暗くする」というざっくりした流れで大丈夫です。
コツは、赤ちゃんが目覚めて1時間から1時間30分くらいのタイミングで、布団に置いてみること。ただし、赤ちゃんにも知恵がついてきて、寝床に置いたり部屋を暗くしたりすると、泣き出してしまうことがあります。
でも、ちょっとだけがまん。すぐに抱っこはしないで、優しく声をかけてみましょう。それでも泣き止まなければトントンしながら寝かしつけるようにしてみましょう。
生後6ヶ月~生後8ヶ月
・赤ちゃんの活動時間の目安:2時間〜2時間30分
昼間の活動時間が長くなり、就寝時間も設定しやすくなります。時間になったら、寝る準備へと誘いましょう。
このときに意識したいのが、あくび、目をこするなど、赤ちゃんから「眠い」というサインが出る前に準備を始めること。セルフねんねでは「眠くなったから寝る」ではなく「時間になったら、ひとりで寝る」という習慣を身につけることが大切だからです。
歯みがき、おむつ交換、パジャマの着替えなど必要なことをすませたら、寝室に向かいます。「部屋を暗くする→布団に置く→子守唄を聴かせる」など、寝室での流れもルーティンにしておくと、赤ちゃんも「寝る時間になった」ことが理解しやすくなるでしょう。
生後9ヶ月~1歳2ヶ月
・赤ちゃんの活動時間の目安:2時間半〜4時間
活動時間を目安に就寝時間を決め、歯みがき、おむつ替え、パジャマへの着替えなど寝る前の準備をすませたら、寝室に向かいます。寝室に入ったら「部屋を暗くする→寝床に置く→子守唄」など赤ちゃんが眠りにつきやすいルーティンを決めておき、毎日同じように実践することがコツです。
気をつけたいのは、眠りにつく前の儀式として、抱っこ、添い乳、手をつなぐなど、ママやパパがその場にいることを前提にしないこと。ぬいぐるみなど、代わりになるものを持たせてあげると、赤ちゃんの安心感につながりそうです。分離不安を訴えるころなので、日中は一緒に過ごす時間をたっぷりとることも心がけるといいでしょう。
1歳3ヶ月~1歳半
・赤ちゃんの活動時間の目安:4〜6時間
昼夜の区別がつくようになり、生まれたばかりのころよりも生活のリズムができてきます。ママやパパの言葉も理解できるようになるので「ねんねの準備だよ」と声をかけ、おふろ、歯みがき、夜用のおむつを履いてパジャマに着替えるなど、わが家のルーティンをひとつひとつこなしていきましょう。
時計など、子どもが視覚的に時間の把握ができるアイテムを活用することもおすすめです。ぬいぐるみやブランケットなどを持たせてあげると、安心感につながります。
もし夜中に頻繁に目を覚ますことが続く場合は、日中の過ごし方を見直してみましょう。お昼寝は大切な時間ですが、長くなりすぎると夜の睡眠に影響が出るのでご注意ください。
生後3ヶ月頃までのおくるみの使い方については、以下のページで詳しくご紹介しています。
【医師監修】おくるみの巻き方を月齢別に解説!新生児を上手に寝かしつけよう」を詳しく見る
セルフねんねでスムーズに寝かしつけるポイント
セルフねんねを目指して練習を始めても、激しく泣かれたりすると、ママやパパのほうが根負けしてしまいがち。スムーズにセルフねんねを身につけるためには、どうしたらいいのでしょうか。5つのポイントをお伝えします。
すぐにあきらめない
まずは、すぐにあきらめないことです。寝る時間、就寝までのルーティンを決めたら、最低でも3日は同じ方法を続けてみましょう。
セルフねんねは、ママやパパだけでなく、赤ちゃんにとっても初めての取り組み。慣れるための時間が必要です。少しずつ変化していきますから、焦らずに赤ちゃんの様子を見守ってあげましょう。
すぐに方法を変えてしまうと、赤ちゃんも混乱してしまいます。「一度決めたら、まずは3日やってみる」を目標に、取り組んでみてください。
家族の理解を得る
セルフねんねに取り組む前に、パパや同居している家族にも意義や方法を伝え、理解を得ておきましょう。そうでないと、「赤ちゃんが泣いたとき、ママはトントンしながら見守っているのに、パパやばあばはすぐに抱っこしてしまう」ということになりかねません。
赤ちゃんにとって「泣いたら抱っこしてもらえる」が習慣づいてしまうと、セルフねんねが遠のいてしまいます。家族間でしっかり共通認識を持つことが、成功に向けてのカギです。
昼間はたっぷり活動する
セルフねんねのチャレンジをスムーズに進めるためには、「昼間にいっぱい遊んで、夜になったら寝る」という生活パターンを身につけることが必要不可欠です。体を動かして疲れれば、夜、自然に眠くなるという体のリズムも整っていくでしょう。
昼間は活動する時間、夜は眠る時間ということが赤ちゃんにも理解できるように、1日のスケジュールを組んでみてくださいね。体が疲れれば自然と眠くなり、自ら布団に入るようになることも期待できます。
セルフねんねと夜間の授乳は別と考える
冒頭でもお伝えしましたが、「セルフねんねができること=夜通し眠れるようになること」ではありません。セルフねんねができるようになった赤ちゃんでも、月齢によっては夜中の授乳が必要不可欠です。
夜間に授乳するタイミングや時間は赤ちゃんによって違うので、わが子の様子に合わせて夜間授乳の時間を決めておくと、睡眠のリズムを妨げにくくなるでしょう。お腹がすいて泣くことと、眠れなくて泣くことを混同しないことがポイントです。
うまくいかない日もあると割り切る
セルフねんねのトレーニングを始めても、うまくいかないことはあるものです。昨日はスムーズだったのに、今日は激しく泣いてしまったということもあります。
「一生懸命やっているのに、どうして?」とイライラすることもあるかもしれませんが、子どもの成長は一進一退。うまくいかないからといって、その状況が永遠に続くわけではないのです。
自分を責めたりせずに「うまくいかない日もある」と言い聞かせましょう。肩の力を抜いて取り組んでくださいね。
セルフねんねで昼寝してもらうためには?
お昼寝のセルフねんねも、基本的には夜と同じです。
お昼寝の時間を決め、活動から寝るまでのリズムをつくるために、オルゴールを流す、布団を用意するなどのルーティンを設定するといいでしょう。
決めた時間をずらさないようにすれば、赤ちゃんの体内リズムが整っていきます。
寝かしつけるときは、抱っこはせずに、赤ちゃん一人で布団に入るようにします。不安そうなら、トントンしたり、気持ちが落ち着くぬいぐるみなどを持たせたりしてみましょう。
セルフねんねの練習をするときの注意点
セルフねんねの練習を始めるときは、事故防止のために注意したいことがいくつかあります。
ひとつは、寝かせるときに使う毛布や布団です。赤ちゃんの鼻や口に密着するような素材、作りにはなっていませんか? 寝ている間に赤ちゃんが動き、顔にかかったりすることもあるので注意が必要です。
家具や家電の位置もチェックしましょう。布団の近くに、倒れやすい家具や家電は置いていないでしょうか。空気清浄機や加湿器など、家電製品のコードにも要注意です。赤ちゃんが目覚めて動いたときに、引っかかる危険性があります。
SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを下げるため、赤ちゃんは毎回仰向けで寝かせましょう。ベビーベッド内には枕やぬいぐるみ、柔らかい布団などを置かず、硬めで平らな寝具で安全な睡眠環境を整えることが大切です。
たっちができる赤ちゃんの場合は、テーブルなど赤ちゃんの手の届く範囲に物が置いていないかも、しっかり確認してくださいね。
セルフねんねに関するみんなの体験談
岩手県:えびまる
我が家はベビーベッドで寝かせていますが、できるだけ毎日同じ時間に暗い寝室へ連れていき、ベッドに置いて寝るまで待つスタイルです。以前は抱っこでゆらゆらして寝かせて置くスタイルでしたが、徐々にゆらゆらして寝る寸前で置く、ゆらゆらして置く、そのまま置くという感じで、ベッドでひとりで寝られるよう練習しました。はじめの頃は泣いてなかなか寝ませんが、そのまま抱かずにトントンしてやりすごしました。今ではベッドに置くと数分ゴロゴロして一人で寝ます。
三重県:ゆい
抱っこ紐を使って寝かしつけ、そのままあまり体勢が変わらないように布団に置きます。月齢が大きくなってきてからは、電気を消してベビーベッドに寝かせておくと、ゴロゴロ転がりながら自分で寝てくれるようになりました。いつまでも抱っこで寝かしつけをしているより、一度関わらずに寝かせてみると案外一人で寝られるようになるものなのかなーと思いました。
新潟県:新潟県/うき
一生一人で寝られない子はいない、そのうち上手に寝られるようになる!と割り切りました(笑)。3歳の上の子はそれで割り切り、寝ることが不得意ではあるものの、今ではしっかり寝てくれます。5ヶ月の下の子は産まれた時から一人で寝てくれるのでびっくり。同じ親でも個人差ってかなりあるなと感じました。
兵庫県:りん
いろいろ試しても寝ないことにこちらがイライラしてしまうので逆効果。結局はもう諦めてしまうのが1番でした。寝室に危ないものは一切置かず、布団のみ。コンセントカバー、ベランダの窓枠にもガードを付けるなど、自分が先に寝てしまっても安全な場所にしておくことで、自分の睡眠を確保して体力回復することが大事と思うようにしました。私がイライラしなくなったことと、遊ぶ相手がいないことで、知らない間に勝手に寝るようになりました。
まとめ
- セルフねんねとは、ママやパパが寝かしつけなくても、赤ちゃんが自力で寝られるようになることです。
- セルフねんねを始める時期には、特に決まりはありません。
- セルフねんねに取り組む場合は、月齢や年齢、赤ちゃんの個性、ママやパパの気持ちも大切にして、焦らずに進めていきましょう。
- 寝るまでの行動をルーティンにすると取り組みやすくなります。
- 「うまくいかないこともある」と割り切って臨むことも大切です。
release : 2026.07.07
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