離乳食はいつから?離乳食の進め方を初期・中期・後期・完了期についてそれぞれ解説!
離乳食は、赤ちゃんの体や運動機能、お口の発達など、全身の発達に合わせて食べ物のかたさや量、1日の回数を徐々にステップアップします。無理をせず、赤ちゃんのペースに合わせて進めましょう。
監修者プロフィール
川口由美子先生
一般社団法人母子栄養協会
一般社団法人母子栄養協会代表理事。管理栄養士。女子栄養大学 生涯学習講師、AllAbout 「離乳食」「幼児食」ガイド。離乳食や幼児食のアドバイザーとしてママやパパはもちろん、栄養士、保育士などのプロに対する講習会や講座で活躍中。『脳とからだが育つママとパパのためのフリージング離乳食』、『フリージング幼児食-1週間分作りおき!」』、『子どもの身長ぐんぐんメソッド」など著書多数。
木本茂成先生
神奈川歯科大学 歯学部小児歯科学講座教授、神奈川歯科大学附属病院 小児歯科 診療科長
日本小児歯科学会理事長、日本歯科医学会常任理事、日本歯科専門医機構業務執行理事などを歴任し、子どもの歯をはじめとする口腔の健康のための研究、治療に携わる。『子どものお口 どう育つの?』『子どものう蝕治療とリスクマネジメント』など著書多数。
離乳食を始めるタイミングは?
離乳食をいつから始めるかの目安は「生後5、6ヶ月頃」。生後6ヶ月頃になると、母乳だけでは不足する栄養素があるため、遅くとも生後6ヶ月までには始められるとよいでしょう。早産の赤ちゃんについては修正月齢でカウントしてOKです。
母乳やミルクのように赤ちゃんを寝かせたように抱っこするのではなく、腰を座らせるようにして、座っているような状態で食べるので、体の成長の目安としては、首や腰がすわっていて、支えがあればおすわりができるようになっていること、スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなること。また、ママやパパが食べているものに興味を示すようになっていることも、離乳食スタートのサインです。
離乳食を始めるサインが出ない場合はどうする?
子どもの成長の速度には個人差があります。けれど、生後5、6ヶ月を過ぎても上記のような離乳食を始めるサインを赤ちゃんが見せず、おすわりができない、スプーンを嫌がる、食べ物に興味を示さない場合は、かかりつけの小児科や、保健師に相談してみましょう。その時には母乳やミルクをどのくらい飲んでいるか、一日のスケジュールを伝えられるように準備しておくと相談しやすいかもしれませんね。
離乳食の進め方
離乳食のスタートから完了までは、約1年間かけてゆっくり進めていきます。ここでご紹介した月齢はあくまで目安です。赤ちゃんの食欲や成長・発達の状況に応じて前後しても大丈夫です。お子さまが大きくなっているか、元気でいるかに注目していきましょう。
離乳食の進め方の目安
離乳食は、赤ちゃんの発達に合わせて離乳の開始から完了まで徐々に進んでいきます。下記の「初期」「中期」「後期」「完了期」の各段階はあくまで目安として分けられているだけで、「生後6ヶ月だから初期」とか、「生後7ヶ月になったから今日から中期」などと線引きして階段のように急に変えるわけではなく、坂道のように徐々に進めていくものです。成長が早ければ6ヶ月でも中期とされる食材を始めても大丈夫ですし、7ヶ月でも食欲に応じて3回食にしても大丈夫です。お子さまのそのときの食欲や成長・発達の状況に応じて、量などは調整すればよいのです。
成長とは、体の大きさや運動機能だけでなく、口の使い方や、かみ方、飲み込み方も含まれます。離乳期は歯がはえ始める時期でもあります。段階を踏んで舌や歯ぐき、歯を使ってちゃんと食べ物をすりつぶしてから飲み込んでいるか確認しながら進めましょう。この時期に正しくかむ力を育むことが、丸呑みしないなど大人になったときの食習慣や健康にも影響するのです。
成長に従い、食べられるものも少しずつ増えていきます。味付けは、素材を生かした薄味が基本。舌でつぶしているか、ちゃんとかんでいるかなど、口の動きや食べ具合をよく見ながら、ステップアップしていきましょう。
また、後期ごろから手づかみ食べをしたがりますが、これは成長段階で必要な大事なこと。食べ物の固さや触感を体験したり、食事への関心や意欲を高めることなので、少しくらい汚れても好きにさせてあげましょう。やがて大人の真似をしてスプーンなどを使って食べられるようになるので大丈夫です。
離乳食を食べさせる際のポイント
離乳食を進めるときの一番のポイントは、食事の場が楽しいと思わせること。いくら成長にあった離乳食を作っても、ママやパパが怖い顔や疲れた顔で与えようとしたら、赤ちゃんは怖がって食べたい気持ちになりませんよね。笑顔で楽しそうに、お口にスプーンを運んであげたいですね。大人も一緒に自分の食事をしながら、食べるのは楽しいことだと見せてあげるのもよいでしょう。
お口にスプーンを入れたとき、最初は舌で押し出してくるかもしれません。スプーンを嫌がったら、無理矢理押し込まずに唇にそっと食べ物をのせて、自分で飲み込むのを待ちましょう。食べさせるペースは赤ちゃんに合わせて、ゆったりとした気持ちで構えましょう。
離乳食の進め方、食べさせ方のよくある悩みと解決策についてはこちら>>
離乳食の量がよくわからなかったら
離乳食のレシピ本などには、その時期に適切な食材の分量が示されています。なので、その通りに作って、それを赤ちゃんが食べきらなかったり、足りなさそうにしていたりすると不安に感じるママやパパもいます。けれど大人と同じで、赤ちゃんも食欲があるときとないときがあります。1回の食事や1日の食べ方で一喜一憂する必要はありません。
それでも心配なときは、母子健康手帳にある成長曲線で、子どもの体重の変化を確認してみましょう。体格も大人と同じで個人差がありますので、平均値にこだわるのではなく、わが子の体重を日々はかってみて、その増え方が成長曲線のカーブに沿っていれば大丈夫です。
離乳食がなかなか進まないときは
ママやパパがいろいろ試してみてもなかなか離乳食が進まなかったり、上手にかんだり飲み込めない場合、保健師や保健センターの管理栄養士に相談してみましょう。
近年、高齢者のように、上手に食べたり飲み込んだりできなかったり、発音がはっきりしない子どもが増えているそう。これはお口の機能が十分に発達していない「口腔機能発達不全症」と呼ばれる症状。放置すると成長してから健康上にさまざまな問題を引き起こす原因になると考えられています。2020年からは「口腔機能発達不全症」と診断されると、離乳完了期前の子どもでも、保険診療で歯科医院において離乳食の進め方の指導や管理が受けられるようになりました。
離乳食について歯科医に相談するのは意外かもしれませんが、お口や歯の発達と食事は切り離せない関係にあるのですね。
監修/一般社団法人母子栄養協会 川口由美子先生/神奈川歯科大学 歯学部小児歯科学講座教授 木本茂成先生
update : 2023.03.01
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