産後・産褥期の過ごし方
出産を無事に終え、待ちに待った赤ちゃんとの新生活のスタート!幸せいっぱいの中にも、授乳は?オムツ替えは?寝かしつけは?家事は?と不安に思うことばかり。そこで、体の回復を最優先にしたい産後の過ごし方や赤ちゃんのお世話について、先輩ママたちの声を集めてみました。夫やパートナーの協力、まわりのサポートや育児支援もうまく活用しながら寝不足を乗り越え、ポジティブに子育てを楽しんでいるママが印象的です。
監修者プロフィール
直井亜紀 院長
埼玉県八潮市 さら助産院
愛知県出身。助産師、看護師として大学病院、総合病院勤務後、2009年5月に埼玉県八潮市に「さら助産院」を開業。「いのちの授業」の講師として青少年の育成に貢献したとして、平成29年度 母子保健奨励賞 (母子衛生研究会・母子保健功労顕彰会主催)を受賞。
産後のママはどういう状態?
出産という大仕事を無事に終えて一安心。しかし出産が終わっても、ママの体はすぐに戻るわけではありません。産後はホルモンバランスが乱れたままなので、その影響で心身に様々な症状が現れることも。個人差がありますが、心身ともに元の状態に戻るには時間が必要です。ホルモンバランスは自分の意思でコントロールできるものではないので、体調が悪いと感じたら安静に過ごすことが一番。あせらずに対処していきましょう。
産後のママのメンタルはエベレスト級に不安定!
妊娠中、大量のホルモンを作り出していた胎盤が出産で体外へ出されると、一気にママのホルモンバランスが変化。人によって差はありますが、どのママもホルモンバランスの乱れによって情緒不安定になります。「例えば、月々の生理で感じるストレス指数がビル4階の高さだとしたら、産後のママのストレス指数はなんとエベレストの高さ」と直井先生。普段と比べものにならないほど不安定なメンタルの状態なのです。
さらに体は瀕死の状態
不安定なメンタルに加えて、出産直後の子宮の収縮からなる後陣痛や子宮から胎盤が剥がれたために出血する悪露(おろ)など、お産のダメージで体はボロボロ。「出産という偉業を成し遂げたママは、まさに瀕死の状態です。また、今まで骨盤まわりを支えていた靭帯が出産により伸びきっているので、尿漏れしたり、痔や便秘になったりの産後トラブルがある人も少なくありません」(直井先生)。そんな体の状態で、ママたちは育児という24時間の労働が始まります。
産後のママはどうやって回復していく?
自然分娩、無痛分娩、帝王切開、どんなお産にしろ、ママは体を痛めて新しい命を産み出しています。程度の差はあっても、ママの体は出産によりダメージを受けています。そのダメージが癒えないうちから始まる赤ちゃんとの生活。痛む体を引きずって、ただでさえ大変な赤ちゃんのお世話、さらにホルモンバランスの乱れによる情緒不安定もあるので、気が滅入ってしまうのも当然ですよね。
産後、どのくらいで情緒は戻る?
「産後のママのメンタルが元に戻るのは、個人差が大きく3日から半年ほど。お産の仕方、生活環境、周囲のサポートの濃さなどによって違うので、人と比べずゆっくりと時間をかけて対応していきましょう」(直井先生)。ただでさえエベレスト級の情緒不安定の中、『どうして私は上手くいかないんだろう』『こんなはずではなかった』などと思い詰めると産後うつになることも。出産した女性の10人に1人の割合でなる産後うつは、決して他人事ではない問題です。
ひとりで悩まないで。とにかく話をしよう
心身ともに大きなダメージを受けた状態で、赤ちゃんのお世話に追われる日々。「頑張り屋で真面目な人ほど、育児は手を抜いてはいけないと無理をしてしまうものです。そうして思い詰め、自分自身を追い込んでしまうことも。そういうときの対策でおすすめなのは、とにかく気持ちを言語化してはき出すこと。夫やパートナーに、家族に、友達に、そして私たちのような医療専門職に、誰でもいいんです。辛いこと、悩んでいること、誰かに聞いてもらいましょう」と直井先生。直井先生が院長を務めるさら助産院を訪れるママの中には、産後うつの疑いがある人も。「そのようなママからは、とにかく話を聞くようにしています。自分が何を不安に感じているのか、何が悲しいのか、話をしているうちに気持ちが整理できることもあります。お話しながら涙があふれる方は多いですよ。一生懸命で、張りつめている思いを緩めるには、まず誰かに受け止めてもらうことが大事。一人だけで解決しようとしないでほしい」(直井先生)。話を聞く、それはつまり関心を持つということ。ひとりで悩んで精神的に押しつぶされそうになっているママがひとりじゃないと思えるだけで、心はぐんと軽くなるはずです。
自分の時間を作る
授乳におむつ替え、泣きやまない赤ちゃんを抱っこしてあやしたり散歩に連れ出したりと、赤ちゃんのお世話は大変。ご飯が食べられないまま、家事ができないまま、気がつくと1日が終わっていたということも少なくないはずです。だけどママが本当に大変なのは授乳やおむつ替えなどの行為ではなく、夫やパートナーが帰ってくるまで一人で育児をしていること。「『今日は○時に絶対帰るから、そのあとは二人で育児をしようね』ならそんなにしんどくない。オンとオフが切り替えられるから。でも、ママがしんどいのは、早朝も深夜も24時間、自分がしっかりしなきゃいけないという育児の緊張感がずっと続くからなんです」(直井先生)。だから時には、夫・パートナーや家族、育児支援など周りの人の力を借りて自分の時間を持ちましょう。ほんの少しだけ自分の事だけに集中出来る時間。たった30分、カフェでお茶を飲むのもいいですし、音楽を聴きながら散歩するのもいい。リフレッシュすることは、長く続く育児のためにとても大切な時間です。
産後の過ごし方のポイント
産後の過ごし方:①体の回復が最優先…赤ちゃんのお世話はどうする?
里帰り出産をする・しない、実家のお母さんに来てもらう、夫やパートナーが育児休業で自宅にいるなど、赤ちゃんとの生活をスタートする環境は様々。まずは産褥期=産後の体の回復を最優先にしながら、少ないストレスで赤ちゃんのお世話ができるよう、それぞれに可能な選択肢の中で、より良い環境を選びましょう。
(たけママ0032さん)
生後12日目になった男の子のママです♪私の母が働いているのもあり、退院してすぐに自宅で育児しています。
でも、自宅の方が私とちびの好きなペースで暮らせて楽かも(ノ´∀`*)
家事は旦那に任せっきりです(;^ω^)(後略)
(non0040さん)
産まれて13日、里帰りは1週間ほどで自宅に帰ってきました。
里帰りが良い方もいれば私はストレスになってしまって、帰ってきてからの方が育児楽しいです!
寝不足といえば寝不足ですが、家事は手抜きしていいと主人も言ってくれて、生協やスーパーの宅配サービスを利用しています*(後略)
(むーにんさん)
(前略) 私は、一人目も二人目も里帰りをせず出産しました。
一人目の時は、“シルバー人材”の方に家事の援助をお願いし、二人目の時は、生協の“くらしのたすけあい”(有償ボランティア)を利用し夕ごはん作りとお風呂掃除をしばらくやってもらっていました。
それから、上の子は今、幼稚園の年少なのですが、日中は託児に預け、送迎は“ファミリーサポート”の方にお願いしていました。 保健センターの“こんにちわ赤ちゃん訪問”も早めにお願いしたりなど、ちょっとした事も、どんどん人に助けてもらい、話して ストレスを発散して乗り切っていたような気がします。
産後の体を休めながら赤ちゃんのお世話をするためには、まわりのサポートをうまく活用するのも一つの方法です。
産後の過ごし方:②とにかく寝不足!!どうする?
数時間おきの授乳やオムツ替え、どうしても避けられない育児中のママの寝不足。ほんのちょっとの時間でも横になったり、手抜きができるものは思い切って手を抜く作戦もあり!
(たなかさん0005さん)
寝不足解消のために赤ちゃんと寝られる時は寝ちゃってます。(中略)
自分たちのご飯も手抜きになったな?。
(りんぞう0007さん)
(前略)最初の一ヶ月は、寝不足でどうしていいかわからずでした。 原因は色んな事をしようとしていて(完璧な掃除や夫の食事)疲れていたんだと思います。 今は子供のペースに合わせて私も一緒に寝たりして、掃除や夫の食事はちょっと手抜きさせてもらう事にしたらおっぱいの出も良くなってきて子供の毎日の成長を楽しみながらいくが出来ていると思います。
(パー子。さん)
(前略)上の子の時もそうでしたが、こうした期間もあっという間に過ぎてしまい、 後では良い思い出になるんですよね。 寝不足で少々辛いですが、眠ってくれた時に自分も一緒に寝て、何とか乗り切りたいと思っています
(るん0074さん)
一ヶ月半の娘がいます。私も寝不足です。しかし、何て楽しく贅沢な理由で寝不足なんだろうと思います。
ミルクを飲ませ、おむつを替えても眠らない時、「まいったなあ」と思いながらも、 娘の顔を見ていると、楽しくて、自然と笑顔になっています。
(tonton0004さん)
いつまでも赤ちゃんだと思ってた娘も11ヶ月になりました。
ほんとうに、産後は、とにかく睡眠不足で、「ぐっすりと寝てみたい」と思っていました!それでも振り返れば期間限定で、いまでは懐かしい思い出です。(後略)
赤ちゃんが寝ている間に一緒に寝て体力を温存したり、期間限定の幸せな悩み☆とポジィティブにとらえて、育児を楽しむママもいるようですね♪気が付けばあっという間に終わってしまう、いい思い出になるかもしれませんね。
産後の過ごし方:③母乳とミルク…授乳はどうする?
おっぱいの出る出ない、赤ちゃんが欲しがる回数や量…その時になってみないとわからないことも多いですね。
「こうしなければ…」とあまりルールにとらわれず、柔軟に考えたり対応したりすることも大切ですよ。
(みみっち0001さん)
上の子の時は初めての育児で本を参考に3時間おきをしっかり守っておっぱいあげてました。2人目の子はお姉ちゃんより小さくて吸う力が弱かったので、時間を気にせず、1時間後でも欲しがったらあげてます。子どもによって飲み方に違いがありますね。でもどちらもおっぱいをあげている時の時間は私にとってかけがえのないものです♪
(もも1027さん)
生後二ヶ月の新米ママです。私が出産した病院は完全母乳だったのですが、わたしの乳首は陥没乳首なのでおっぱいの度に乳首を引っ張って赤ちゃんに飲ませるのですが、乳首を引っ張るのは激痛だし、おっぱいもなかなかでず上手く赤ちゃんに飲ませられなくて、病院にいる間は毎日泣きそうでした。家に帰ってからは、母乳&粉ミルクにしたので精神的にすごく楽になりました。母乳にこだわらず粉ミルクでも子供は成長しますよ!!
(たび0009さん)
一ヶ月検診で、一時間おきに授乳してたら、ママがノイローゼになったり、体力がもたないから、自立授乳もいいけど、少しリズムをママがつくってみたらといわれ、早速3時間置き授乳にむけて調整をはじめました。
なるほど、ちびのおなかがぐっと減れば一回の授乳でいっぱい飲むし、その後すこぶるよく寝てくれます。おっぱいがいままでのリズムになるまで、張りや、ちくちくや、あふれていたりしますが、ちょっと頑張ってみようと思います。
(タイガァーさん)
(前略) 入院中は母乳でどうしても頑張りたくて泣く度に母乳あげてましたが1~2時間間隔でほとんど寝れず疲れてしまいました。今は決まった時間に1回50~80CCミルクを飲んでもらって大分変わりました。
その分昼間たくさんだっこしてあげたり話しかけてあげてます。
ムーニーサイトには、産後のママの体の状態が詳しい説明があります。
このように、生後11ヶ月までのママの状態と体調を月齢毎にまとめてあります。体の様子を知ることで、気をつけるポイントや過ごし方などもわかってきますので、ご自身と照らし合わせて、ぜひ参考にしてみてくださいね。
監修/直井亜紀先生
update : 2019.01.28
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