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超音波検査士のお仕事【お産プロフェショナル名鑑】

おなかの赤ちゃんの健康状態に異常がないかを確認する超音波検査。ママにとっては、だんだん大きくなっていく赤ちゃんをモニターで見ることができるため、妊婦健診のいちばんの楽しみかもしれません。
この超音波検査、ドクターが行っているところが多いのですが、施設によっては「超音波検査士」と呼ばれる専門のスタッフがいるところもあります。この聞きなれない超音波検査士とは、どんな人たちなのでしょうか?
今回は、超音波検査士の仕事や、超音波検査でどのようにおなかの中をチェックしているのかをご紹介します。

この記事の監修

芳野奈美さん

よしの・なみ/福岡県出身。1985年、臨床検査技師の資格を取得。1990年から小阪産病院(東大阪市)に勤務。2000年、同病院の超音波室室長。主に妊娠中の超音波検査を行っている。1996年、日本超音波医学会超音波検査士(産婦人科領域)認定。日本超音波医学会・日本胎児心臓病研究会などで発表やシンポジストを務め、産婦人科における超音波検査士の役割などについて積極的に発言している。著書に、竹村秀雄監修『助産師外来で役立つ超音波検査ガイドブック』がある。

超音波検査士データ

産婦人科での超音波検査士の仕事って?

超音波検査装置を使って、胎児計測や胎児の形態異常の有無を調べるためのスクリーニング検査(ふるいわけ)を行う。妊婦健診で行う場合は、超音波検査装置で、経腹法(お腹の上から超音波を当てる方法)により主に下記をチェックする。

初期のチェックポイント

頭殿長(CRL)、児頭大横径(BPD)、胎児心拍、後頚部浮腫(NT)などの計測。頭部・脳、眼、鼻骨、脊椎、心臓などの形態や位置、軸などのバランス。胃、膀胱、四肢、胎盤や羊水、卵巣子宮の形態などを診る。

中期のチェックポイント

初期の項目にプラスしてさらに細かくチェックする。大腿骨長(FL)、上腕骨長(HL)、腹部周囲長(AC)、羊水、胎児心拍の計測。顔(眼窩・眼球、鼻孔、横顔・鼻骨、耳)、脊椎、胸腔、心臓(位置・軸、四腔断面、右房流入路、右室流出路、左室流出路、3Vessel view、大動脈、肺動脈、不整脈)、腹部(胃、腎、膀胱、胎児臍帯付着部)、性器、四肢(上肢・下肢、手指、足趾)、付属物(胎盤・羊膜、羊水、臍帯付着部、臍帯血管、臍帯過捻転)、付属器(卵巣、子宮形態、腫瘍)などを診る。

後期のチェックポイント

中期のポイントをさらに引き続いて、チェックする。

超音波検査ができるのは、どんな人たち?

かつて、あるハリウッドスターが個人で超音波検査装置を購入して胎児を観察していて、大変な話題になったことがありました。しかし、この機械は医療機器ですから、医療関係者でないと扱うことができません。

それができるのは、医師のほかに、看護師、助産師、臨床検査技師、診療放射線技師たち。いずれも医療の国家資格を持つ人たちです。これらの資格を持っている人なら、だれでも超音波検査を行うことができます。

ただ、超音波検査を行っている人たちが、みんな「超音波検査士」というわけではありません。超音波検査士は国が定めた資格ではなく、日本超音波医学会が認定した民間の資格です。この資格をとるには、先ほどの国家資格のどれかを持つ人が、日本超音波医学会に3年以上在籍して、超音波検査の実績を積み、既定のレポートを提出するなどの条件をクリアした上で、さらに試験に合格しなければなりません。

つまり、看護師も助産師も、臨床検査技師も診療放射線技師も、みんな超音波検査はできるけれど、その上でさらに「超音波検査士」の資格を持っているということは、「この人は超音波検査の経験や勉強を積んでいて、腕がいいんだな」という1つの目安になるでしょう。

ちなみに、医師は「超音波検査士」ではなく、同会の認定試験により、「超音波専門医」となります。

体のパートごとに専門分野が分かれている

妊婦健診に限らず、今やさまざまな病気の診断に超音波検査は欠かせないものになっていますが、超音波検査士にもそれぞれ専門分野があります。

日本超音波医学会では、産婦人科領域のほかに、体表臓器(甲状腺や乳腺など)、循環器、消化器、泌尿器、健診、血管というジャンルに分けて、資格を認定しています。

さらに産婦人科の中でも、妊婦を専門に見る人、がんや筋腫などの婦人科の病気を専門にする人など、得意分野が分かれます。

妊婦健診をしている超音波検査士であれば、たくさんの妊婦を見てきたその道のベテランと言えるでしょう。

超音波検査のいちばんの目的はスクリーニング

超音波検査には、毎回大きくなっていくおなかの中の赤ちゃんのかわいい姿を見せてくれるという、サービスとしての一面もあります。それが、母と児の絆を育ててくれるのも事実でしょう。

しかし、妊婦健診で行われる超音波検査の最大の目的はスクリーニングです。つまり、病気やトラブルのリスクが高い人をふるいにかけて見つけ出すこと。

子宮の様子や赤ちゃんの体をすみずみまでじっくり見て、胎児や母体に異常がないかどうかを探すことが、超音波検査士の仕事なのです。

芳野さんが勤める『小阪産病院』は、30年も前から全国に先駆けて、専任の技師による検査を始めたところです。産婦人科では、ドクターが超音波検査をしている施設が多い中で、このようなところはまだ全国でも珍しい存在でしょう。

小阪産病院では、超音波検査はドクターとの分業体制。ドクターも外来で超音波検診をしますが、全妊婦健診のうちの4回(初期1回、中期2回、後期1回)だけは、超音波検査士が経腹法で時間をかけて見ます。

「ドクターはたいへん忙しいので、診察時間内にすみずみまで見るのは限界があります。私たちは1回の検査で30分かけて、ていねいに項目をひとつずつチェックして見ていきます。順調に育っていることを確認しながら、異常を早期に発見できるように努めています」(芳野さん)

項目ごとに細かくチェック。診断するのはドクター

小阪産病院で芳野さんたち超音波検査士がチェックする項目は、妊娠初期で20項目以上、中期・後期になると40項目以上にのぼります。

たとえば、初期はまだ赤ちゃんが小さいので、まず赤ちゃんが子宮の中で元気でいるかに始まり、胎児の大きさを計測し、頭は丸く正常な形をしているか、足はちゃんと2本あるか、といったおおまかな外見のチェックが主となります。

中期になると、手足の指や体の表面の奇形の有無、眼窩、鼻の孔、口、耳、脊髄、肺、腎臓などが正常にできているか、心臓の血管や心室、心房、弁の状態はどうか、不整脈はないか、胎盤の位置や臍帯の付着している場所に問題はないか…など、外見だけでなく、臓器の発達具合もチェックしていきます。

後期も、中期に続く項目をチェックして、トラブルがないか見ていきます。

ただし、超音波検査士の役目は、正常でない、異常かもしれない、というところを見つけ出すところまで。診断を下すことはできません。疑わしい症状が見つかったときは、ドクターが診断を下します。必要があればさらに検査をしたり、周産期センターなど高度医療が受けられる病院を紹介します。

超音波検査をするメリットは?

超音波検査に精通した専門家に、しっかりと検査してもらうメリットは、やはり早期発見です。異常が見つかった場合に早く対処できることです。

たとえば、肺や心臓の病気や奇形の中には、へその緒でつながっているうちは大丈夫でも、生まれて自分で呼吸をするようになると、致命傷になるものもあります。

それが先にわかっていれば、おなかの中にいるうちに薬で治療できることもあります。また、事前に専門施設に依頼し準備することで、生まれた直後に対処して、赤ちゃんの命を救えることもあるのです。

一方で、口唇口蓋裂などのように、生まれてからなら治療ができるけれども、妊娠中にはどうにもできないものもあります。

異常があれば、そのうちの半分は発見できる

ほとんど、95%の赤ちゃんは、トラブルなく無事に生まれてきます。小さなものまで含めると5%くらいの赤ちゃんに、なんらかの異常があるのですが、小阪産病院の場合は、そのうちの約50%の異常を事前に発見しているそうです。

「えっ、100%わかるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、生まれてくるまではわからないような小さな異常も含めて、こうした割合になるのだそうです。

でも、大きな異常なら、まずほとんど発見されます。たとえば、小阪産病院の場合は、無脳症なら95%、水頭症、臍帯ヘルニア、十二指腸閉鎖、食道閉鎖などは90%、口唇裂や横隔膜ヘルニアなどは80%くらいの確率で見つかります。心臓病は35%くらい。それに対して、多指症、合指症などの小さな部分は見つかりにくく、発見率は2%くらいだそうです。

気軽に受けた超音波検査でトラブルが見つかると、お母さんはショックを受けるでしょう。最近は検査項目も細かくなっていて、小さな異常も見つかりやすいので、なおさらです。中には「生まれてくるまで知りたくなかった」という人もいるでしょう。超音波検査は妊娠中の大きな楽しみでもあるけれど、出生前診断であり、命の選別につながる怖さもあるのです。

小阪産病院では、異常が見つかった場合に告知するかどうか、事前に同意書にサインを求めています。

「どんな異常でも知らせて欲しい」という人が98%、「性別」も95%の人が知らせて欲しいと希望するそうです。

「問題ない」と言われたら、いたずらに心配しないで

これまで1万人以上にのぼる妊婦さんの超音波検査をしてきた芳野さん。

「超音波検査では、命にかかわるような異常ほど見つかりやすいものです。ですから、ドクターから問題ありませんと言われたら、ほぼ大丈夫ということです。どうぞ、いたずらに心配しないで、妊娠期間を楽しんでください」

update : 2011.12.07

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