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HTLV-Ⅰ抗体検査って?どんな意味があるの?

「ママから赤ちゃんへ病気を移さない」ことは、妊娠中の検査の大きな目的のひとつ。HTLV-Iも、ママから子へ感染の危険があります。母乳でうつるので、妊娠中にわかればミルク育児にするなど、対処法があります。厚生労働省の特別研究班は、今年3月末に「この検査は全妊婦に行うべき」と提言。今まで一部地域や医療機関でしか行われていなかった検査ですが、これから全国規模で実施されていくようになるでしょう。検査の目的・内容についてしっかり勉強しておきましょう。

HTLV-I検査

血液検査で、HTLV-I抗体の有無を調べる。抗体(免疫)があれば陽性=HTLV-Iに感染しているとわかる。ただ、妊婦健診で行われる最初の一次検査で「陽性」と出ても、「疑陽性」(検査で陽性でも実は陰性)が含まれているので、さらに確認検査を行って、本当の陽性かどうかを調べる。

検査時期 妊娠後期(30~32週頃)
検査方法 血液検査 (PA法もしくはCLEIA法)
検査内容 HTLV-I抗体の有無を調べる
検査結果 基準値:陰性(-)
一次検査陽性(+)の場合は、疑陽性を除外するため、確認検査(ウエスタンブロット法)を行い、陽性か陰性かを決定する。
母子健康手帳への
記載例
HTLV-I検査:陰性
  • HTLV-Iの陽性率は地域差があるので、自治体によってはすでに妊婦全員に検査を実施しているところもある。
  • すでに公費負担で検査を実施している自治体もあるが、今後は全国規模で公費負担になる予定がある。

もっと知りたいHTLV-I検査!Q&A

このウイルスは、どういうウイルスなんですか?

HTLV-I(エイチ・ティー・エル・ブイ‐ワン)といって、発見されたのは約30年前。老人期に起こる成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとして日本人が発見しました。昔から日本にあったようで、一説には中国大陸から日本に渡った先住民族が持ち込んだといわれています。人から人へうつり、白血球の中にあるTリンパ球という細胞に感染します。いったん感染すると生涯、体内に居続ける性質があり、このウイルスを持つ人をHTLV-Iキャリアといいます。キャリアは、日本語では、《保菌者》、または他の人に移す可能性があるのでウイルスの《運搬者》といわれます。

このウイルスに感染すると、どんな病気になるのですか?

成人T細胞白血病(ATL)、HTLV-I関連骨髄症(HAM)などの病気になることがあります。ただし、感染した人がみんな発症するわけではありません。生涯で発症するのは、女性の場合は感染者全体の約2%、男性は約4~7%。つまり、何の症状もなく一生を過ごす人のほうが多いのです。しかし、いったん発症すると、どちらも厳しい闘病生活を強いられるので、ぜひとも予防したいのです。

成人T細胞白血病(ATL):血液ガンの一種。潜伏期間が長く、感染から40年~60年後に発病することが多い。最近では、元宮城県知事が発症し、話題になった。

HTLV-I関連骨髄症(HAM):発症率は成人T細胞白血病の数分の1といわれている。脊髄に慢性の炎症が起こり、下半身の筋肉が麻痺していく。下肢のつっぱり感、しびれ、歩行困難、便秘などを発症し、除々に進行する。発症年齢は幅広く、15歳以下で発症することもある。

九州などに多いウイルスだそうですが、関東でも検査する必要があるのですか?

たしかに、かつては沖縄や九州に多いウイルスでした。ですから、これらの地域の自治体を中心に検査を行って予防すれば、感染者は自然に減少していくと考えられていました。国の政策もこの20年間、「全国一律の検査や対策は不要」としてきました。しかし、平成20年の感染者は108万人。20年前の120万人に比べ、大きくは減っていないことがわかったのです。しかも、関東などの大都市圏で感染者が増えている実態が明らかになりました。進学や就職、結婚などでキャリア(保菌者)の移動範囲は広くなっているのです。

こうした調査をまとめ、この3月末、「全国規模での検査が必要。母子感染を防がなくてはいけない」と提言がありました(厚生労働省科学特別研究「HTLV-I母子感染予防に関する研究」)。この「検査シリーズ」でたびたび監修していただいている久保隆彦先生(国立生育医療研究センター産科医長)も、その中心メンバーのひとりです。

この情報は、これから医療機関などに徹底され、検査も全国規模になっていくでしょう。まだ妊婦健診でHTLV-Iの検査をしていないようであれば、ぜひ、病院に聞いてみましょう。

ママが「陽性」だと、必ず赤ちゃんに感染するのですか?

赤ちゃんに感染するのは一部です。妊婦が体内に持っているウイルスの量にもよりますし、赤ちゃん側の条件も加わって、個人差が大きいのです。また、母子感染の原因は母乳感染が主なので、母乳で育てるかミルクで育てるかによっても違います。4ヶ月以上にわたって長期に母乳で育てると感染率が高くなり、ミルク育児にすれば、大幅に減ることがわかっています。

キャリア(保菌者)のママは、母乳とミルクの感染率の違いなどをよく聞いて、赤ちゃんの栄養法を判断する。

ママが陽性だと、母乳はあげられない、ということですか?

これまで、「ママが陽性の場合に母乳をどうするか」ということについても、厚生労働省は「感染率の高い地域以外に対策は不要」として、それぞれの地方自治体にまかせていました。母乳をあげても赤ちゃん全員が感染するわけではありませんし、母乳には早期に母子関係が作りやすい、赤ちゃんにママの免疫が移行するなどのメリットも多々あるからです。

今回、さまざまなデータを検証してきた特別研究班は、妊婦の感染率を0.3%、母乳育児による子どもへの感染を20%とした場合、年間3300人の感染者が妊婦になり、母乳制限をしないと660人の乳児に感染する。生涯発症率を5%とすると、感染した乳児33人が将来、成人T細胞白血病を発症すると予想。このHTLV-I検査を全妊婦に実施して、感染したママがミルク育児に同意すれば、子どもへの感染は110人に減り、将来、成人T細胞白血病を発症する子を5.5人に減らせると推計しています。

母乳育児を制限することは、強制されることではありません。研究班は、「医療スタッフのカウンセリングを受けながら、妊婦自身がよく考えて判断するように」と勧めています。以下に母乳・ミルクとの母子感染との関係を整理したので参考にしてください。

ママがHTLV-I陽性の場合母乳・ミルクと母子感染の関係

育児方法 赤ちゃんへの感染率
4ヶ月以上、母乳育児 約18%と高く、推奨できない
最初からミルク育児 約3%
3ヶ月まで母乳育児、
以後ミルク育児
「最初からミルク育児」と同レベル、という報告があるが症例数が不十分
凍結母乳
(母乳を冷凍してから与える)
「最初からミルク育児」と同レベル、という報告があるが症例数が不十分

感染源は、母子感染だけなのですか?

主な感染ルートは、母子感染、輸血、性行為の3つです。しかし、「輸血」は今の日本では、献血時に必ずウイルスの有無を調べているので、ほぼゼロです。「性行為」による夫婦間の感染はおよそ約20%といわれますが、科学的な実態はまだよくわかっていません。ほとんどは夫から妻への感染ですが、感染力は非常に弱く、コンドームで予防できます。

最大の感染ルートは、「母から子」で、全体の60%を占めます。そして原因は、母乳。ですから妊娠中に検査をして感染がわかれば、ママはそのリスクを知って、ミルクにするなどして、赤ちゃんへの感染を防ぐことができるのです。

確認検査が必要と言われました。どういうことですか?

本当に陽性かどうかを調べるため、もう一度血液検査をします。というのは、実際は陰性なのに、陽性と出てしまうケースがあるからです。一次とは違う検査方法(ウエスタンブロット法)を用いて、二次の確認検査をします。この検査で陰性なら感染していません。一次検査で陽性、二次の確認検査でも陽性なら、感染しているキャリア(保菌者)です。ただし、確認検査でも、「判定保留」という結果が出ることがあります(2~20%程度)。この中には、感染している人もけれど、そうでない人もいて、はっきり「陰性」と断定できません。この対応は難しいので主治医の先生とよく相談の上、赤ちゃんへの対応を考えます。

感染しているとわかった場合、赤ちゃんのお世話で注意することは?

HTLV-Iは感染力が非常に弱く、母乳以外、風邪ウイルスのように咳やくしゃみで移すこともありません。抱いてもよし、一緒にお風呂に入ってもよし、まったく制限はありません。母乳に注意する以外は、安心してスキンシップを楽しんでください。

ママが感染している場合、ママ自身の健康管理はどうしたらいいでしょう?

このウイルスを持っていても、多くの人は成人T細胞白血病(ATL)を発病することなく、一生暮らすことができます(女性の場合の発症率は約2%)。また、発病するとしても多くは潜伏期間が長く、40年~60年かかります。しかし、将来を考え、HTLV-Iに詳しい病院を受診したほうがいいでしょう。また、多くは母親から子への感染なので、実母がキャリアかどうかを確かめ、実母の健康管理を行いましょう。なかにはパートナーから感染した可能性もあるので、夫婦で検査を受けましょう。

この検査は、公費負担で受けられるのですか?

現住所のある自治体(母子健康手帳の交付を受けたところ)の窓口(母子保健課など)に問い合わせてみてください。自治体によっては以前から公費負担(一部負担または全額負担)で検査を実施しているところもあります。また、自治体とは別に、病院として検査をしているところもあります。費用も含めて問い合わせましょう。

update : 2010.05.05

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